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目途

ギルバルトは、ギルドルームでベルラインが居ない場合のシミュレーション

をしていた。

最悪、部隊長は何とか目途がつく。

連合には、6人もの副GMが居るし、他ギルドのGMや副GMも居るし、

人材には困らない。

が、問題は盾だ。

何せ双璧とまで呼ばれ、ゲーム内で1、2を争う実力の持ち主な為、

代わりになるのは、同じ双璧のガルフぐらいだ。

そもそもガルフは初めから戦力に入っており、代わりができるわけがない。

比較的、盾職が多い自分のギルドを見渡しても、代わりになるような人物は、

思い浮かばない。

勝手にギルドに入ってきて、勝手に副団長になったベルラインだが、今では、

聖騎士団の最大戦力となっている。

【いや、そもそもうちに入る前からか。】

「はあ・・・。」

いつの間にか、居ないと困る存在となったベルラインを思いため息をついた。


ベルラインがギルドルームに帰ると黄昏たギルバルトがため息をついていた。

「貴様、一人で何をしている。」

ベルラインは、声を掛けた。

「あ、ああ、ベルか・・・。」

返事は、明日すると言われてる手前、何を言っていいかわからなくなり、

ギルバルトは言葉を失った。

「何だ?」

何か言いたそうなギルバルトに苛立ちながらベルラインは聞いた。

「い、いや何でもない・・・。」

哀愁漂わせる弱りきったギルバルト。

「・・・。そう言えば、レイドボス攻略の件だが、参加する事にした。」

「・・・っ!」

ギルバルトは思いっきり顔を上げて、ベルラインの方を向いた。

「い、いいのかっ?」

「ああ、ただ土曜は私も仕事がある身だから、夜からしか参加できないが。」

「事前打ち合わせは、不参加で構わない。本戦さえ参加してくれればっ!」

「じゃあ打ち合わせ等は、ギルバルトに任す。」

「水系の対策だけして来てくれ。」

声は、いつものギルバルトに戻っていた。

「事前情報は、それだけか?」

「ああ、水系のブレスを吐くって事だけだ。」

「勝ちに行くんだろうな?」

「当然だ。50名近くも集めるんだからな。」

「ならいい。他に情報があったら、知らせてくれ。」

「ああ。」

「それでは、私は、今日は落ちる。」

そう言って、ベルラインはログアウトした。


「よっしゃああああああっ!」

ギルバルトは、ギルドルームで一人、絶叫した。

「これで、勝利は間違いない。」

ギルバルトは、レイドボス戦の勝利を確信した。


次の日から、ギルバルトは、意気揚々とレイドボス戦の下準備を始めた。


まずは身内からということで、ギルバルトは、グランマに相談を持ち掛けた。

「今度のレイドボス戦にグランマさんも参加して頂けるということで。」

「ええ、非常に楽しみにしてます。1対1も楽しいですけど、大勢で戦うのは、

 戦みたいで、心躍ります。」

もはや、戦闘狂と化してしまったグランマ。

ギルバルトは、あえて突っ込まず話を続けた。

「それで実はお願いがありまして・・・。」

「クレインの事ね。」

ギルバルトが全部を言い終わる前に、グランマが確信をついた。

「そうです。わかりますか?」

「あの子はパーティー戦闘自体向いてないから・・・。」

「面倒を見て貰ってもいいですか?」

「もちろんよ。私の孫ですしね。あれなら、もう一人面倒見ても構いませんよ?」

「もう一人?カルディナですか?」

「ええ。」

「カルディナの方は、話がついてるから大丈夫です。」

「そう。ギルドマスターも色々、下準備があって、大変ね。」

「好きでやってますから。」

ギルバルトは笑って答えた。

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