表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/183

風が吹けば槍屋が儲かる

タイマーは、テンション釣法を完全に捨てて、テンションを掛けない

釣法とゼロテンションの釣りに絞って、毎日4時間ずっと、糸を

眺めていた。

名前の通りの物干し竿では竿あたりは取れそうもなく、糸あたりを

見極めるべく、日々ボーっと座っていた。

本人はラインに集中してるわけで、ボーっとは座ってないのだが、

傍から見るとボーっと座ってるようにしか見えない。


しかし、ずーっとラインを見ていた甲斐あって、タイマーは何かの

違いに気が付いた。

それは、本当に、小さなもので、毎日ずーっと眺めていた、

タイマーだから気づいたものだった。


その頃、聖騎士団のギルバルトは、デュエル大会の後処理に追われていた。

後処理と言っても、ギルバルトが大会関係者のわけではなく。

グランマへの質問がひっきりなしに、団長であるギルバルトの所へ

寄せられた。

その殆どが、というか全部が、「薙刀は、何処で買えるんですか?」だった。

ギルバルトは、グランマから聞いていて、ロッドメーカーが作ったのは、

知っていた。

ギルバルトが直接ロッドメーカーに聞いた所、作成者は言わないでほしいとの

事だった。

と言う訳で、ギルバルトは、作成者は引退したと、一つ一つに答えていた。

こういう大会や、何か目立つことがあると、直ぐに飛びつく輩が多い。

殆どが一過性のものなので、時間が経つと収まるのだが。

矢面に立ってるギルバルトは、たまったもんじゃない。

実際に、NPC売りの薙刀で試した輩も居たようだが、自分にはあってないと

諦めるのが殆どだが、中には、NPC製品は自分にあってないとわけわからない

輩もいる。

昔からネットゲームには、そういう自己中が多いのだが、それはVR機になっても

変わる事はなかった。


しかし、ここで一つ不思議な事がある。

連戦連勝中のカンピオーネことカラットだが、あれだけ目立っても、

魔拳士を目指そうとする輩が居ない。

魔拳士が居ないわけではないが、にわかというか、ブームに飛びつくと言うか

そういう輩が一切出てこない。

ギルバルトもしつこい自己中な連中には、カラットの名前を出しているのだが。

「薙刀の作成者は、今は引退しています。NPC製品でまずは腕を磨いたら、

 どうですか?」

「俺はよぉ、NPC製品じゃあ実力が出せないわけよ。だから作成者ってのを

 教えてくれれば、あとはこっちで何とかするから。」

「お教えする事は、できません。」

「あのなあギルバルトさん、あれだけ強いのは、あの武器のお蔭だ。

 見る奴が見ればわかるんだよ。ギルドで隠すのはよくないんじゃないのか?」

「強いと言われますが、カラットには敵わないでしょう?」

「そりゃあそうだろ。」

「じゃあ魔拳士を目指したらどうです?」

「俺は自分をわかってるつもりだ。あんな真似は出来ねえよ。」

こういう輩が、後を絶たない。

「とにかく、教える事は出来ませんので。」

「ああ、そうかい、それならグランマさんってのに直接聞くからいいやっ!」


話し合いが終わると、ギルバルトは運営に即座に報告した。

こういう輩は、運営がいちいち動くとは思ってなく、常に上から目線で、

接してくる。

ゴキブリみたいなもので、居なくなる事は無い。

後日、運営から、これ以上の行為はアカウント停止処分に該当しますと

メールが来ると、涙目になってメールの返事を返すのだった。

【すみません。すみません。大人しくしますから、アカウントだけは。】

人生をゲームに掛けてる奴は、アカウント停止や削除されるのが一番怖いらしい。


こういう騒動と言うのは1か月以上続くものだが、1週間で終わった。

騒動は、金になると誰かが言ったように、何人かの槍職人が、1週間で、

R3の薙刀を作れるようにしたのだ。もちろんブームが終わったら消すつもりで。

通常の3倍価格の値段で売り出した、薙刀だが、飛ぶように売れた。

もう、笑いが止まりません、うっひゃーーーっと槍職人は、ウハウハだった。

手元に行きわたれば、皆、現実を知るもので、殆どの人間が、諦めた。

結局、ブームは1週間で終わったのだが、槍職人たちは、商売人である。

その辺は見越して、在庫0で売り切った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ