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デュエル大会予選

「勝負ありましたね。」

無制限デュエル大会の申し込み最終日の朝、グランマとクレインは、

いつものように朝練をこなしていた。

グランマの3戦全勝で幕を閉じた。

以前の圧勝とは、違って、いい線は行くのだが、肝心かなめの小手落とし

がグランマが授けた技である上に、実の孫という大ハンデがある。

通常であれば、小手落としから分岐する技は、大きく分けて3つ。

面、胴、突きである。

33%の確率を相手は、読まないといけないわけだが、生まれてからずっと

見てきた孫であるから、次の技が手に取るようにわかる。

そう言った意味では、クレインは、大きなハンデを背負ってる訳だが。

「ぐぬぬぬ・・・。やはり私も出場します。」

「クレイン、武士に二言は?」

「あ、ありません・・・。」

こうして、クレインは、今回の無制限デュエル大会の出場を諦めた。



その夜、鋼の翼のギルドルームでは、パルコとミラの二人が、世間話に

華を咲かせていた。

お互いリアルでも知り合いになった為、話が弾む弾む。

あの店は安いだとか、あそこがお洒落だとか、女性の会話は、尽きる事がない。

そんな二人の元へ、クレインは顔を出した。

「こんばんわ。」

「いらっしゃい。」

パルコがにっこりと言う。

いつもクレインは、パルコとミラの間に座らされる。

両方から撫で撫でされるのは、慣れっこになっていた。

「実は、パルコさんにお願いがあるんですが?」

「ん?R6の武器を見る?」

「いえ、デュエル大会の事なんですが・・・。」

「今回は、クレインちゃんを応援するわよ?」

「私は、出ない事になりました。」

「そうなの?残念ね。」

「なので、鋼の翼の観客席に入れて欲しいなあと。」

「いいわよ。うちのギルドから、見に行くの私とタイマーさんだけだし。

 ミラちゃんは、時間的に無理よね?」

「うん。」

「特別席って10名らしいから、大丈夫よ。」

「ありがとうございます。」

「でも、出場しないのに見に行くって事は、カラット君の敵情視察かしら?」

「それもありますが、おばあ様が出るもので・・・。」

「へ?クレインちゃんのおばあ様っていうと、グランマさんだっけ?

 確か、聖騎士団に入団したとか?」

「はい。」

「無制限デュエル大会に出るの?」

「本人はやる気満々です。」

「始めてそんなに経ってないわよね?」

「ですね。」

「無制限は参加者も多いから、予選突破できるかしら?」

「間違いなく出来ると思います。」

「どれ位強いの?」

「私より強いです。」

「えっ・・・。」

「凄いっ・・・。」

ミラも驚いた。


デュエル大会の本選は土曜日に行われる。

予選は、前の週に行われたりするのだが、無制限は出場者が多いため、

平日の夜もとり行われる。

大会を申し込む時に、都合の悪い日が2日ほど指定できるようになっている。

グランマは、チェックせずに提出した。

その為、火曜日組に回された。


予選とはいえ、観客席には、そこそこの人が入っていた。

殆どが身内が多いが、装備を見に来てる人たちも多い。


グランマの初戦の相手は、ネタ装備の人間だった。

「何あれ?」

「槍?」

観客の目は、ネタ装備よりもグランマの武器の方へ釘付けになった。


「お、己、変わった武器使いやがってっ!俺の装備がスルーされてる

 じゃねえか。」

対戦相手は、怒り、開始と同時に突進するが、一閃された。


結局、その後もグランマは苦も無く、簡単に予選を突破した。

火曜日の予選を観戦した人間の間で、グランマがダークホース的な存在となっていた。

「あの薙刀のおばさん、いい所まで行くんじゃね?」

「そこは、お姉さんと言っとけ!」

「男で年配のキャラ使うの多いけど、女は、見かけないよな?」

「確かにな。」

「中身は、意外と若いかもよ?」

「ありえるな。」

中身はキャラより歳いっているのだが、まあ知らぬが仏ということだろう。

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