プロローグ
プロローグということで始まりました。
不定期更新ということで、何時更新できるか分かりませんが、必ず何時か完成させます(何時になるんだろうな…)
僕が書いた小説の世界は全て同じ世界観で進行されています。なので、とあるサイトであげた小説に出てくる主人公がこちらにも出てくるということだけまず最初に。
次にこれは作者がバトル好き、中二好きということで、そういう要素たっぷりあるかどうかは分かりませんが、少なくとも少しは盛り込んであると思います。まだプロローグだけなので(8月4日現在)とてもつまらないと思いますが、これから面白くなると思うので、どうか見ていただけると嬉しいです。
俺は非常に不味い状況に立っていた。
場所は西ヶ丘駅の橋の下。ここは昼でも暗くて人通りが少ない為、よく不良のたまり場となっている。俺は駅に乗り遅れないように嫌々ながら、近道のこの橋の下を通ろうとした。そして今の状況に至る。
「よう兄ちゃん」
「お、おう……」
俺は弱々しい声で返事をしてしまった。これでは更に不良が調子に乗ってくるパターンだと俺の頭は判断した。実際その通りで「お、こいつ良いカモじゃねえか?」と他の仲間と話している。相手は三人。俺に勝ち目は無い。まず俺はあまり運動が得意ではない……しかし! 俺には自慢の”逃げ”足がある! これを使えば奴らぐらいなら撒くことが出来るだろう。
俺は不良の隙を見る。
「兄ちゃん。ちょっと金貸してくれね? いや金をよこせ」
「……分かった。ほらよ」
俺はすぐにポケットに入れてある財布を取り出した。不良ども残念だったな。これは偽者だ。本物は俺が手に提げている鞄の中だ。
「おぉ……意外とすんなり渡してくれるんだな」
不良がこちらに手をゆっくりと伸ばしてくる。俺もそれに合わせて手を伸ばし、不良に財布を渡した。
渡した瞬間、僕はすぐさま駅へと走ろうとした。が、二人の不良共にあっさりと取り押さえられてしまった。
「兄ちゃん、少し待ってくれよ、な?」
そう言いながら不良は僕を見ながら財布を開けて見せ付けた。
「見てくれよ。中に何が入っていると思う?」
「……何も入ってないな」
そう言った瞬間思い切り背中を踏まれた。そして俺は不良に無理やり起こされ、思い切り顔面を殴られる。不良達は笑いながらこちらを見る。
「財布に何も入ってねえってどういうことだよ? あ?」
そう言って俺の腹を殴り、横腹を蹴り飛ばした。俺は地面を少し擦りながら横たわる。
「ふざけんじゃねえよカスが」
不良達は蹴られた時に飛んだ鞄を漁り始める。
「やっぱり持ってるじゃねえか」
俺は不良の方を見る。不良の手には本物の俺の財布が握られていた。
「もうてめえには用はねえよ。じゃあな」
不良は俺の腹に一発蹴りを入れて、どこかへ消えていった。俺は痛みで上手く息が出来ず、起き上がることさえ困難だった。しばらくは動けないだろうなと思いながら顔の方向を少し変えてみると、目の前に菱形をした石らしき物が落ちていた。あまりにも暗くて見えないため、はっきりとは分からないが、ともかく何かが落ちていた。俺は力を振り絞ってそれに手を伸ばす。感触は非常に硬く、この時点で石だと断定できた。丁度俺の腹辺りから月明かりが射しているので、俺はどんな石なのか気になるため、その菱形の石を月明かりに照らしてみた。
俺は絶句した。俺の腹の上にある石は、そこら辺に落ちている石ではない。何とその石は赤色だった。俺はまさかルビーとか拾っちゃった? 金持ちになれる? と一瞬思ってしまったが、よくよく見てみるとその石はあまり光沢を持っていない。なんだガラス細工か……と思ったが、折角拾ったのだから勿体無い。形も綺麗だし。と思って俺は起き上がる。アレ? さっきまであんなに痛かったのにもう痛くなくなっている? と不思議に思いながらも鞄を拾い上げ、その中に赤い石を入れる。そしてズボンなどに付いた土埃を払い、駅へと向かう。
電車の定期券は盗られていないようだ。分かりにくいところに隠しておいて正解だった。
俺は電車の時刻表を見て、慌てる。もう次の電車まで後一分切っているじゃないか。俺は大急ぎで駅のホームへと向かう。
階段を上るともう既に電車は止まっており、笛の音が鳴ってドアが閉まるところだった。俺は慌ててドアに駆け込む。何とか間に合ったようだ。俺は落ち着いて空いている椅子に座り込み、一つ溜息をついた。
この町は広いようで狭い。都会の方と比べるとここはド田舎だ。しかし本物のド田舎と比べるとここは都会だ。非常にわけの分からない立ち位置である。
修の奴、佐々木と何か話してたけど何だったんだろうか……佐々木のことだ。どうせ心霊スポット行こうだのなんだの言っていたに違いない。
俺は鞄の中を覗く。一体この赤い石はなんだろうか。神様が俺に恵んでくれたもの? そんなことは無いか。俺は暗い色をした石を見る。
気がつくともう次の駅で俺が降りないと行けない所まで来ていた。時間とは早いものだ。と少し悲しげに思った。
俺は電車から降りて、駅を出る。家は非常に近い。
一つの一軒家の前に立つ。俺は鞄から鍵を取り出して、ドアの錠を外し、家の中に入る。そして「ただいま」と一言。ただいまとは言ってみたものの中には誰も居ない。両親は旅行中で、家には俺一人だけだ。俺は玄関のすぐそこにあるリビングに入り、鞄を適当に投げ捨て、キッチンへと入る。まず俺はヤカンを出してシンクにある蛇口を捻ってヤカンに水を入れる。水を入れた後、コンロの上にヤカンを置き、火を付けてしばらく放置する。
次にコンロ下にあるキッチンの戸を開け、中に入っているカップ麺を取り出した。カップ麺はやっぱりシーフードだよな。と思いながらカップ麺のビニールを剥がしてキッチン近くの机に置いておく。俺はリビングにあるテレビのリモコンを持ち、テレビをつける。丁度この時間帯はニュースばかりで面白くないが、何も見ないというのも寂しいので、そのままつけておくことにした。と、ここでヤカンから甲高い音が聞こえてくる。俺はすぐにコンロの火を消し、カップ麺の蓋を開け、そこにお湯を流し込んだ。ヤカンを元の位置に戻し、お湯いっぱいのカップ麺の蓋を閉じながら机に置く。
そして三分が経ち、テレビを見ていた俺はすぐに立ち上がり、カップ麺の蓋を剥がした。カップ麺から立ち上ってくる湯気、香ばしい匂い。やはりシーフードは最高だよな。
俺は割り箸をキッチンから取り出してきて、すぐにカップ麺を頬張った。美味い! 大変美味である。これ以上に美味い物があるなら俺に食わせろ! と思うぐらい美味しかった。カップ麺を作る時間より、食べる時間のほうが短いのではないかというぐらい早く食べ終わった。
俺はカップ麺等々を片付け、テレビを消し、鞄の中から赤い石を取り出し、自室がある二階へとあがっていった。
自室の中に入り、すぐさまベッドに飛び込む。赤い石は枕元に置いておき、掛け布団を被り、すぐに目を閉じた。
「起……」
なんだ?
「起……て」
うーんうるさいなぁ……。
「起きて! ねえ、起きてってばあ」
僕はゆっくりと目を開ける。目の前に居たのは……。
紅いドレスを着た一人の美しい女性だった。