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恋愛1年生。  作者: 遊民
9/9

寝不足。

「マジで…?」

目の下には真黒な三日月。

朝から鏡とにらめっこ。

今日は日曜日。学校は昨日テストで今日は休日。

「どーしよー…クマってどうやって消えるのかな…」


昨日←今日?寝たのは午前2時すぎ。

あれから話が盛り上がり、中学の時に付き合った人数、血液型、誕生日などなど…

かなりの個人情報が…いや、友達だしな。


〝ブーッブーッ〟

ケータイのディスプレイが水色に光った。水色は美優が好きな色。

美優からメールが来た。

〝おっはよー!(^^)!今日も元気なアオちゃんでいてね^^♪chu〟

 

…朝から元気なやつだ。

〝おはよ。今日は何…〟

メールを半分打ちかけたとき、ふとクマを鏡でチェック。

美容意識が強い美優ならクマを消す方法くらいわかるかもしれない。

よしっ。決めた。

〝いきなりだけど、クマの消し方知らない?〟


にしても、見事に真黒だ。指でなぞってみると、一瞬消えたかと思うクマ。でも、うっすら赤紫、紫、黒へ。

「マジかぁ~…」

〝ブーッブーッ〟

返信早っ!…まぁ美優だから当然か。

ちょっぴり期待とめんどくささが混じった気持ちでケータイを開く。

〝一緒にエステ行こ♡〟


…ふざけてんだろ…アイツ…



「ア~オ~☆待ってたよん♪」

「…何考えてんの」


待ち合わせした郵便局の前。

今日はそれをあざ笑うかのような雲ひとつない晴天。まぁ、ここに来ちゃった私も結構ノリ気なのかなぁ。

服装はやっぱりちょっと気合いを入れて白いフリルのブラウスに、黒いハイウエストのスカラップカットのショーパン。春でもちょっと肌寒いので、テーラードジャケットを羽織ってみたり。

…どうなんだろ。これ、気合い入れてるっていう?


美優はかなーりガーリーな格好。総レースのワンピにデニムのジャケットを羽織って、白いフリルソックス。厚底のキャメルのパンプス。


「じゃ♡いこっか♡」

ノリノリで私の腕を引っ張っていく。


連れてこられたのは…なぜか骨を矯正する…なんだろ。病院?

「ではこちらへ」

係員だかなんだかわかんないけど、いきなりベッドに寝せられる。

なんか怖いなぁ~。

まわりには骸骨など、骨っぽい置物がたくさん。

ちょっと一風変わった感じ。


「んで、ようはクマがひどいんですね」

「はぁ…」

もう中年であろう、ちょっと頭がさみしいオッサンが私をベッドの上から見下ろす。

「まぁ、帰るころにはキレイになくなりますよ」


そう言って私の顔に…

    ネトッ

…ネトッ?

オイル?をかけた。え。大丈夫なの?ここの治療法。


「ちょっと痛いかもしれませんがガマンですよー」

「…は?…イタタタタタタタタタタ!!!!」




「どうだった?よかったでしょ?」

「…綺麗にはなったね」


あのとき激痛がはしった後、骨がすごい音をした。おまけ小顔。



「でももう2度と行かない。」

「え~?面白くなかった?」


どこがだよ!!

帰り道、文句をぶつぶつ言いながら歩いていると、

「あ、アオ、あれ青南じゃね?」


左手に青南高校がみえた。



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