めーる。
1分…
…鳴らない…。
目線にあるケータイとにらめっこ。
アドレス帳の『一ノ瀬瑞樹』にメール。
送って今は1分…いや、2分。
いつもは全然気にならない返信。なのに、今は30秒に1回、ケータイを開いちゃう。
どうした?自分。
いつもと違うぞ?
待ち受け画面を変えてみたり、電話帳を開いたり、落ち着かない。
バカだなーー、自分。
ケータイをテーブルに置いて、深呼吸。
ってか、もうケータイ、いいや。
〝ヴー、ヴー〟
「わぁ!」
来た!!
ケータイ、ケータイ!
あわててケータイを手に取る。
『加藤美優』
浮き上ったコンピュータースクリーンの中。
あ、美優か。
そっか。
…………いやいや?え、何今の間は。
おい、葵、お前大丈夫か!
繰り返す自問自答。
バカだ。本物のバカ。今ここに。
なんだこのやろーーーー!←殴
やけくそにメールを開く。
〝1人ジェンガなう♡〟
クソやろーーーーー!!
ご丁寧に写メまでつけやがって!!
私は、〝崩れろ〟と返信。
「あーあ!もう!」
ケータイテーブルにバンッ。
〝ヴー、ヴー〟
「わぁ!」
ディスプレイには『一ノ瀬瑞樹』の文字。
〝メールきたよ♪葵ちゃんにも届いてる?これからヨロシク\^o^/〟
おお。新鮮☆彡
すかさず返信。
〝ばっちり^^*こちらこそよろしく♪〟
…メールってこんなに楽しかったっけ?