表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛1年生。  作者: 遊民
7/9

ラッキータイム。


電車に乗り込んだ。

席は前に座ってた人のあとなのか、少しぬれている。


…若干抵抗あり。


「葵ちゃん?」

「え?あ、ごめ…」

「ぬれてるね、別の席行こうか」


心の中を読まれた?

ヤベっ。顔に出てたかも。


そんなこと気にしてないかのように素直な笑顔を見せてくれた。


ここは素直に、正直に。

「ぬれてないところね」


ちょっと、いや、かなり言いすぎた?

出すぎたかと思い、ちょっと顔色を確認。

だけど…


一ノ瀬君は一瞬驚いたような顔をしたかと思ったら…

大爆笑。


なんで?!


「アハハハハ!!マジで?!葵ちゃん、超意外!」


ただ私はポカーンと口を開けて一ノ瀬君を見るばかり。

じゃなくて!!


「何が意外なの?」

「だって、そういうことあんまり言わないかと思ってたからさ?意外と正直なんだね!」


違うし。素直←正直になったんだし。


「葵ちゃんオモシー♪あ、ほら、ここならぬれてないよ?」

指差した席は、まだ誰も座ってない、というより、まだ人が来てない車両。

「いーじゃん。ココ座ろ」

先に席についた。

「俺もー♪」

誰もいないのに隣に座った。

なんだろ。またドキドキ。


胸のあたりがあったかいような…


「葵ちゃん、ケータイ持ってる?よね?」

「ふぁ?!」

いきなりの声に、思わぬ悲鳴(?)。

「何今の声~」

クスクス笑われた。超恥ずかしい…。



…なんか馬鹿にされてばっか…?

ちょっと悔しい。

「んで、ケータイが何?」

話を戻さなきゃ。じゃないと負けちゃう。

「ん、アド交換しよ♪」

用意された赤外線画面を向ける。

断れない。ってか、断る気…ない。


「…うん」

焦る手元で、同じ赤外線画面を用意する。




「…よし!ありがとー!」


「ううん、こっちこそ!」

特別な意味はないけど、嬉しかった。


〝次は~…〟


「あ、もう俺降りなきゃ」


バッグにケータイをしまって、早々と立ち上がった。

あー…帰っちゃうのか。




ん?なんだ?今の。帰るなんて当たり前だろ?


「今日、帰ったらメールするから!またね!」



どこかホッとした。



いやいやいや、だから、なんでホッとした?


わかんないなぁ~、私。

でも、ケータイに自然に力がこもった。





























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ