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恋愛1年生。  作者: 遊民
4/9

一ノ瀬瑞樹。



「えぇぇ~~?!一ノ瀬君とあったの?!」

「…美優…うるさい」


今はお昼休み。

今日はいつも以上に手抜きの市販のコロッケパンを食べている。

「だってぇ~……いいなぁ~、アオ!」

紙パックのミルクティーを軽くすすって、拗ねたような顔をする美優。


「つか、なんでそんなに羨ましがるの?」

美優は、さっき瑞樹君の話をしてからずーっとこんな態度の繰り返し。


確かにかっこよかったよ?

身長も高いし、なんてったって、笑顔にほれそうになったもん。


いろいろ考えるけど、でも、そんなに有名なのかな?

モンモンと妄想を膨らませていると、美優がズイっと顔を寄せてきた。

「アオ、ほんとに何も知らないの?!」

大きな目を、さらに大きく見開いている。

…美優さん、怖いっす。


「し…知らないよ…何なの?」

「…アオ、あんたって子は…」

大きくため息をつかれ、呆れ顔。


仕方ないじゃん、ほんとに何も知らないんだもん。


「あのねぇ、一ノ瀬君は、青南工業高校、つまり、この辺のイケメンが多い高校のモテ男NO.1なの!しかも、運動神経は全国レベル!」

「ふぅーん。」

青南にイケメンが多いってのは知ってたけど、私、イケメンに興味ないし。

正直、どうでもいい話。

「ほら、去年の陸上、アオも関東代表で出場したでしょ?!」


…あぁ、そういえば、あのとき瑞樹なんて名前がいたっけ。

私は、走るのが得意。

いつも運動会、体育祭では、周りと50メートル差が当たり前。

そのおかげで、中学の陸上ではだいぶ活躍した。


「…いたなぁ。一ノ瀬。人一倍周りにキャアキャア騒がれて、迷惑だったヤツ。」

「もう!なんでそういう言い方するの?アオって毒舌~…」


美優のすすっていたミルクティーがとうとうなくなったらしく、ズズッという音が聞こえてくる。

でも、まだすすっている。


あの、もう諦めたらどうですか?


「まぁ、一ノ瀬君はそれくらいすごい人なの!この辺の女子だったら、みんな名前知ってるんじゃない?」


つまり、モテ男と会った私をラッキーって言いたいのか。

それとも、羨ましいだけか。

「うん。はいはい。私はラッキーでしたね。」

最終的に、やっぱり興味はゼロをさした。

「…アオ、絶対何かしら損してるよ…。」


美優の一言を完全無視し、最後の一口サイズのコロッケパンを口に放り込んだ。



休み時間終了のチャイム。



一ノ瀬瑞樹君ねぇ~…。






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