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目立つ娘

作者: WAIai
掲載日:2026/08/26

ー1人、目立つ娘がいる。

その娘はスマホをいじっており、制服姿から女子高生だと思うのだが、とにかく綺麗の1言だった。

ロングヘアーに、色白の肌と、車掌の好みのタイプだった。

ー日曜日の始発で、どこに行くんだ?

不思議に思ったが、彼女の周りだけオーラが、クリアだった。

心も綺麗なんだろうなと想像し、話してみたいと思うのだが、きっかけがなかった。

どうしようと迷っていると、電車が走り出す。

自分も仕事につかなければいけないのだが、その娘だけ気になり、つい声をかけてしまった。

「おはようございます」

娘は顔を上げると、美しくメイクしており、美人度が増していた。

これはGETしたいと願い、更に話しかける。

「始発だけど、どこに行くの?」

「えっと…友達と東京ディズニーランドに行こうと思って」

「あー、なるほど。楽しみだね」

車掌は娘にミニーマウスのカチューシャをしたら、可愛いだろうなと思いつつ、惹かれていく。

「友達はどこから乗るの?」

「1つか2つ目の駅、えっと…何て言ったっけ」

忘れてしまったようで、娘はぺろりと舌を出す。

その可愛さといったから、抱きしめたいくらいだった。

「新幹線に乗るんだよね?」

「は、はい。乗ります。席も指定してあるので」

「そう。それは良かった。JR東日本をご利用いただき、ありがとうございます」

軽く頭を下げると、彼女が大きく手を振ってくる。

「そんな…。今、夏休み中なので、利用しているただけです。いつもは学校まで自転車で通っているというか…」

「自転車? 懐かしい」

自分の学生時代のことを思い出し、遠い目をする。

10代の彼女には、これから色んなことがふりかかるかもしれないが、頑張って欲しいと願う。

「あ、友達だ!!」

駅に止まり、茶髪の子と、やはりロングヘアーの娘が乗ってくる。

「あ、いた…!! 良かった、会えて」

2人はキャリーケースを転がしており、泊まる気満々のようだった。

しかし娘はバックを持っているのみで、不思議だった。

ーどういうことだ?

疑問に思い、娘に話しかける。

「友達はキャリーケースを持っているのに、何で君はないの? しかも制服姿だし。別に構わないけれど、教えてくれないかな?」

「あ、それは…。私の家、厳しくて日帰りのつもりなんです。しかも制服姿なのは、高校生活もあと少しなので、思い出にしようと思って、着たんですけど…。駄目ですか?」

「いや、駄目じゃない。君が合っている」

そう言うと、車掌は他の2人にも目を向ける。

ギャルメイクをしており、娘とは合うような、合わないような、微妙な感じだった。

しかし外見で相手を決めつけるのは良くなく、彼女達は楽しく会話し始める。

「じゃあ、俺はこれで」

客が増えてきたので、去ろうとしたのだが、友達がストップをかける。

「待ったー!! 車掌さん、かっこいいね。この娘を狙っているんじゃないの?」

友達に指摘され、娘は「え」と声を漏らす。

俺は平気な様子で、言い返す。

「女の子が1人でいるから、気になって声をかけただけだ」

「えー、怪しい。ね、皆?」

友達が周りを見ると、娘ともう1人は顔を見合わせている。

3人とも美人の類で、これは俺が試されているのかと判断する。

「お兄さんは君達と知り合いになりたいんだけど…。いいかな?」

「正解。どうする?」

3人は顔を突き合わせ、相談し始める。

車掌は時間を気にしつつ、答えを待つ。

「いいよ、お兄さん。交換しよう」

1番明るい子がスマホを取り出す。

目当ての娘はちょっと困ったような様子だったが、スマホを操作し始める。

「これなんですけど」 

「いいの? 本当に?」

娘は2人の顔を見て、うなずくのを待ってから、スマホを差し出してくる。

車掌は心中、やったあと思いながら、スマホをやはり差し出す。

「…よし、これで完了だ」

「はーい!! あたし達も」

「はいはい。ありがとう」

ついでに2人のLINEも教えてもらうと、車掌はうきうきした気分になってきた。

すごく楽しみなことで、早くLINEしてみたくなった。

「よろしくお願いします。じゃあ」

「はーい!!」

3人が頭を下げたので、車掌は歩き出す。

とりあえずは自分の仕事が終わってから、勝負だと自分に言い聞かせる。

ー楽しみだ。若い力をもらおうっと。

そう思いつつ、軽快な足取りで、3人組から離れたのだった。


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