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【第一部完結】あと7日で断罪とかマジですか? ーヤンデレ幼馴染と走る断罪回避RTAー  作者:
あと7日で断罪とかマジですか!?ー断罪回避RTAー
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〈第21話〉断罪イベント2日前ー混ざり始める人格ー

ベッドに寝転がり呼吸を整える。すっかり日が傾き、部屋がオレンジ色に染まっていた。


思い出した。リリアがデービットと距離を取った理由も、その気持ちも、飛び降りた訳も。


唇をかみ、天井を睨みつける。


デービットが噂を流さなければ、あそこで守ると言っていれば、リリアは飛び降りることなんてなかったんだ。それなのにデービットはリリアの愛を信じなかった。彼女がどれほど、デービットを愛していたかも知らないで。


その自己中心的な思考が、腹立たしくて仕方なかった。


リリアがどんな気持ちで、覚悟で窓から飛び降りたのか。窓から身を乗り出した時に一瞬で迫る地面の恐怖を、時が止まるような浮遊感を味わわせてやりたい。


シーツを掴む腕に、力が入る。


なのになんで……こんなに、悲しいんだろう。胸が、痛いんだろう。


怒りが湧くと同時に、デービットを酷く哀れに感じる自分がいた。

ゲームでの彼は、もっと人の気持ちに寄り添える人間だった。自分からちゃんと謝れる人間だった。


リリアを失ったデービットは愛に飢えた子供のまま、成長することができなかったのだと。


デービットの元へ行って怒鳴りつけてやりたい。なんであんなことを言ったんだ、リリアの気持ちを考えろと。


でもーーーリリアはそれを望まない。この哀れみは、きっとリリアの感情だから。


私がやるべきことは決まっている。リリアとして矯正力に抗い自分の運命を切り開くこと。

そしてリリアが愛したデービットを、不幸にならないように導くことだ。


それがリリアと私の願いだから。私がリリアになったのはーーーきっと、その願いを叶えるためだ。


私にはリリアには存在しない『知識』がある。この世界で知識を使って矯正力の抜け穴を探し、生き残ること。それが、私に定められた『使命』だ。


ゆっくりと体を起こして、机に向かう。


考えろ、突破口を。運命を覆す一手を。


いつも通りノートをひらき、ペンを取る。

その動きが、妙に体に馴染んだ。

お読みいただきありがとうございます!

皆様の反応が励みになりますので、よろしければブクマ&評価お願いします!

ブクマ5ごとに番外編を追加予定です✨

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