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【第一部完結】あと7日で断罪とかマジですか? ーヤンデレ幼馴染と走る断罪回避RTAー  作者:
あと7日で断罪とかマジですか!?ー断罪回避RTAー
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〈間話〉デービットーもう一度その声でー

『デービット様』


あいつが僕の目を見て、僕の名をよんだ。あの声で呼ばれるのは、一体何年ぶりだろうか。


思い出すだけで、心臓がうるさいぐらいに鳴り始める。……理由なんて考えたくもないが。


でもーーー悪くない。


ぐるぐると頭の中を巡る、リリアとの思い出達。


『デービット様の目、宝石みたいで綺麗です』

『デービット様、お菓子作ってきたんです。お口に合えばいいのですが』

『デービット様のこと、大好きです。私、ずっとそばにいたいなぁって』


真っ直ぐに僕を見るリリア、頬を染めて恥じらうリリア、そして、僕に愛を囁くリリア


全て、昨日のことのように思い出せるのに。それなのに……。


噛み締めた奥歯が、ズキリと痛む。


今日、あいつの隣にいたのはーーー僕ではない、別の男たちだった。


噛みすぎてボロボロになった爪が、音を立てて削れていく。その度に、ほんのりと血の味がした。


本当は僕のところに来るはずだった。助けて欲しい、私にはデービット様しかいないと。


そのはずだったのに……別の男を頼るのか?


リリアを守るように前に出たミカエル。その真剣な緑色の目、それを見つめるリリアの顔。


その一瞬を思い出すだけで、胸が焼け付くようだった。


そんな冷たい目を、声を……僕に向けるな……!


息が詰まる。喉に何かがつまったような不快感。言葉は山ほど出てくるのに、本当に言いたいことは結局何も言えないままで。


いや、違う。

リリアは、裏切り者だ。僕という婚約者がいるのに、あんな風に他の男を誑かす。


僕があんなに頑張って声をかけても、視線の一つもよこさなかったくせに……!


力を入れた拳の下で、シーツがくしゃりと音を立てて歪む。


ーーーまあいい。本番はこれからだ。


3日後、リリアの『いじめ』を僕が裁いてやる。メアリーは僕を肯定してくれた。彼女の協力があればーーー今度こそ、リリアは逃げられなくなるはずだ。


涙を浮かべて、僕に許しを乞うリリア。

僕に縋りつき、愛を求めてくるリリア。


ぞくりと、背筋に甘い感覚が走る。

そう、そうだ。お前は、僕に従うべきなんだ。


第一妃の枠はもうメアリーで埋まっている。だが、泣いて謝るというのなら……そばにおいてやっても良い。どうせ断罪されたお前を妻にする男などいるはずがないのだから。


そうしてずっと僕の隣でーーー昔みたいに、僕に笑いかけてくれたなら


お前は僕のものだろう、今までも、これからも、僕だけのものだ。誰にも渡さない。


ミカエルにも、ラファエルにも、誰にも。

お読みいただきありがとうございます!


皆様の反応が励みになりますので、よろしければブクマ&評価お願いします!

ブクマ5ごとに番外編を追加予定です✨


本作が皆様のおかげで5000pvを突破いたしました!

今後執筆完了次第、2部を投稿予定となります。1部終了後は定期的に番外編を更新いたします。

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デービット…… この支配欲……ゾクゾクします
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