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【第一部完結】あと7日で断罪とかマジですか? ーヤンデレ幼馴染と走る断罪回避RTAー  作者:
あと7日で断罪とかマジですか!?ー断罪回避RTAー
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〈プロローグ0〉運命が動き出す前日ー新たな人生は唐突にー

モノローグのためここだけ少し重いです。本編は次の話からなので、苦手な方は読み飛ばしてください

運命は存在するのか?


陳腐な問いだと思う。しかしあえて答えるならば、私はこう言うだろう。


存在するだろう。

だがーーー運命に翻弄されるぐらいなら、この手で全て終わらせてやると。


ーーーー


私の心をかき乱し、激しく渦巻く夜風。

普段は煩わしい乱れた髪も、今はむしろ心地いい。


見慣れた自室の窓の外の景色。どこまでも広がる、淡々とした日常の象徴。


この風景とも、今日でさよならだ。


やれるだけのことはやった。

でも、どう足掻いても、幸せになれる未来が見えなくて。


待っているのは悲劇だけじゃないはずだ。きっと、逃げ場がどこかにあるはず。


そう思って探すたびに、悲観的な未来が強固になる。まるで出口のない迷宮に迷い込むように、視えざる手に導かれるように。


ここに自由はない。私の意思など全て無視して世界は回る。本当に私は「この世界で生きている」のか?


ゆっくりと、窓の外へ身を乗り出す。

遠くに見える地面、恐怖で震える腕、高鳴る鼓動。


あぁーーー私は今、生きている。自分の意思で、道を切り開いている。


手に入らなかった自由を、自身の意思を。ドクドクと激しく心臓が高鳴るたびに全身で享受する。


思い返せば、後悔の多い人生だった。


私には救えなかった、愛しいあの人。


いつも私を見守っていた、優しいエメラルドの瞳。


心を揺らす思い出を、雑念を、無理矢理押し込むように強く唇を噛む。


でも、私は知ってしまった。あの本が、私に運命の残酷さを教えてくれた。


私は、ただのマリオネットでは終わらない。

世界の意思に従う操り人形じゃない。


誰かのために消える命? ……馬鹿馬鹿しい。これは私の命だ。誰のものでもないーーー私だけのものだ。


「私はっ! 運命を変える!」


狂気を孕んだ甲高い声が、暗闇に響き渡る。


涙の枯れた赤い瞳は、もう何も映さない。広がるのは、ただただ空虚な闇夜だけ。


その中に飛び込み、重力すらも味方につけて加速する。


鈍い音と飛び散る紅が、私の答えだった。


ここで私の話は終わるーーーはずだったのに。

お読みいただきありがとうございます!

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ブクマ5ごとに番外編を追加予定です✨

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