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月の戦士

「やっと話が進んだわね!行け、オーク!」

「ぐおわおー!」


ボンテージ女の指示により、オークが叫び声をあげ俺に近寄ってくる。


「誠さん、頑張って!」


夏菜は真剣な眼差しで俺を見詰めながら声援を送ってくれる。

しかし俺の内心は恐怖で満ちていた。本音で言えば、夏菜が俺に怪物を押し付けてきたのも不服なのだ。一緒に戦ってよ…。

そう言えば、そもそも俺は全裸だ。深夜で暗いとは言え、月明かりが俺の全裸を照らす。恥ずかしい、何か装備したい。


「えい!」


ダメ元で戦士のイメージを念に込めてみた。途端、BGMが流れだし、俺の全身が眩い光に包まれた。


「こ、これは…美少女戦士!?」


金髪ツインテールにセーラー服姿に俺はなった。ある意味全裸より恥ずかしい。あ~イメージする時にお月様が見えて、幼少期に再放送で観た美少女戦士が脳裏を掠めたんだよなぁ…。


「なるほど。イメージを具現化できる力くらいはあるのね」


何やら頷きながら、鋭い目付きで美少女戦士の俺を見詰めるボンテージ女。それと明らかに引いてる夏菜の表情が見えた。せめてジャケット仮面がよかった。

ええい、もうヤケクソだ。思考回路はショート寸前だが、月に代わってお仕置きしてやる!俺は右手にムーン棒を具現化させ、オークに殴りかかった。


「おりゃ~!」


俺は渾身の力をムーン棒に込めて、ジャンプしてオークの頭頂部をぶっ叩いた。見事命中、手応えもアリ!


「ぶおォォォ!」


オークは叫びながら、頭頂部から緑色の血を噴き出した。

あれ?これ案外いけんじゃね?と、思ったつかの間、オークは巨大な右手で俺を殴りつけた。顔面にモロにヒット。金髪ツインテールをなびかせながら、勢いよく吹き飛ぶ俺。めっちゃ痛い、動けない。やっぱ無理、ここは素直に降参宣言しよう。ゴメンね素直じゃなくて。


「えい!」


俺に追撃を仕掛けようとするオークに、夏菜がかけ声と共に飛び蹴りを喰らわす。足元がよろけたオークに対し、夏菜は両拳の連打を続けざまに浴びせかける。そしてパンチラハイキックがオークの側頭部にクリーンヒット。オークは仰向けにぶっ倒れた。


「大丈夫ですか、誠さん!」


オークが倒れたのを確認し、夏菜がこちらに振り向き尋ねてきた。


「ハハ…ぜんぜん大丈夫だよ」


初めから夏菜が戦えよという本音は心にしまい、俺は強がりを言った。


「さすがに黄泉比良坂の者ね。でも油断は禁物よ」


ボンテージ女がそう言うと、夏菜の背後に倒れていたオークが起き上がる。オークの両腕が何本もの触手になり、夏菜の両手両足に絡みつく。更に触手は白装束を脱がしにかかる。はだけた白装束の下から、夏菜の白いブラジャーとパンティーがモロ見えになる。


「いてて…って何あの怪物!起きて瑠美!」

「うう、え…何あれ!?」


気絶していたほぼ全裸の女子高生姉妹が目を覚ます。性欲が強いオークは姉妹にも触手を飛ばす。


「わっ!」

「きゃ!」


触手に絡め取られた姉妹はオークに引き寄せられる。オークは目の前に三人の美女を並べる。オークの口から分厚い緑の舌が飛び出し、三つに別れる。そしてその三つの舌は夏菜と姉妹の身体を舐め始めた。


「い…いや…あっ…」

「あ…あん…」

「だ…だめ…」


オークの荒い舌使いが美女たちに襲いかかっている。

な、なんて光景だ。いつまででも眺めてられる…いや、それどころではない。何とかしなくては。俺の全身、特に股間に気が大きく溜まる。


「うおー!」


俺はムーン棒を握り締め、叫びながらオークに突撃する。本当はムーン棒ではなく、違う棒を握り締めたかったのだが。

オークは俺に気付いたのか、触手を一本飛ばしてきた。触手は俺の右足首に絡みつき、俺を逆さ宙吊りにして自身に引き寄せる。垂れ下がる俺の金髪ツインテールと、捲れあがる俺のセーラー服のスカート。誰得。

オークは美女達を舐めるのを一旦止め、舌を一本に戻し大きく口を開ける。俺を一気に丸飲みにするつもりだ。もうオークの大きな口は目の前だ。今だ!


「ムーン・スプラッシュ・アクション!!」


太く大きく膨張し、光に包まれた俺のムーン棒をオークの口の中に勢いよく投げこんだ。


「う、う、うご、うごご」


ムーン棒を飲み込んだオークはかなり苦しみだした。触手は元の腕に戻り、解放される美女三人。


「うごーー!」


オークの身体の内部から無数の光が飛び出し、そのまま光に包まれオークは爆散した。

へへ、お仕置完了だぜ。ミラクル・ロマンス!



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