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第27話 騎馬戦前
「………負けた」
シエルはショックで膝をついた。
「まあ、まだ先輩方の競技が山ほどあるし、それに俺達だって、騎馬戦とリレーがあるじゃねえか」
「それはそうだけど……最下位ってのが気に食わないのよ!」
確かに、最下位ってのは中々堪えるよな。
俺も、体育祭がこんなにも悔しさを与えてくれるとは思いもしてなかった。
だから次は絶対に勝ってやる。
練習したみんなで、絶対勝つんだ。
「尚更、騎馬戦は負けられないな!」
「ええ、勝つわよ!」
「ずるいな二人共、俺たちも混ぜろよ!」
そう言ってきたのは、騎馬戦で同じチームの三人組。
信木、勝浦、大橋だった。
「みんな、朝言ってたように、俺が指示したらそん時は、それを優先して動いて欲しい」
「おっけ、指示たのんだぞー!」
再び、皆の了承を経て、俺たちは騎馬戦へと臨む。
「絶対に一位、とるぞー!」