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第1話 無限と最強

大阪府 京デラドーム


 ドーム中では観客が客席から盛り上がりを見せていた。そんな中スーツ姿の男が現れ身につけているマイク越しに言う。

《お待たせ致しました!能力者トーナメントの開幕!司会と審判を勤めるは音無咲武が行います!ルールは簡単…相手が戦闘不能になった場合。もしくは死亡してしまった場合。生き残った者の勝利とする!五王が勝てば能力者は生き残っている者全員が奴隷行き……他の能力者が勝てば……どんな望みも叶える!》

 客席全員が息を飲み込むと音無は言う。

《それでは……始めようか!第1試合!初戦に出陣するのは……この男だ!》

 赤色で東と書かれた門から現れるジーンズ姿で上半身タンクトップの男。

《なぜ彼が五王で最強なのか?なぜ五王の中で最も怒らせてはならないのか?殺されるから?否!消されるから?否!無限の力の持ち主だからだ!コイツが全ての外国に見捨てられる元凶!全世界は悪い意味で彼に対しこう呼んだ……無限王 全王限‼︎》

日本大陸の王 無限王 全王限(25)


 全王は不敵な笑みで呟いた。

「悪い意味でねぇ……まぁ否定はしないけど」

《そして!無限王に立ち向かうは!ありとあらゆる大会に出場し、二つの異名を持つ!この男だ!》


 青色で西と書いてある門から現れたのはジャージ姿の褐色肌の男。

《プロレス、相撲、剣道、ボクシング、空手、ありとあらゆる大会に出場し、無敗を記録した男!かつて国が分裂する前…人々は彼を……『無敗王』と名付けた!能力に目覚め更なる高みへと登り、無限の可能性の秘めた男に挑戦する!最強王 壊染嵐‼︎》


青森県 最強王 壊染嵐(35)


 壊染は全王を睨んで言う。

「お前の王様ごっこもここで終わりだ」

「終わるのはお前の人生だよ……自称最強くん」ニィ

《無限王対最強王!無限の可能性対無敗の男!勝つのは一体どっちだ!第1試合開始‼︎》

 ゴングが鳴り響くと全王と壊染は互いに構える素振りすらも見せなかった。客席にいる3人は言い合う。

「ふーん。わかってるね。アイツ」

Cブロック 伝説王 暦物想

「相手は無限王。攻撃パターンが多く存在する悪魔。どう出る?」

Cブロック 人格王 飯田集斗

「だが我々能力者の中で身体能力が上なのは壊染だ。アイツで勝てなきゃ能力で勝つ他ない」

Dブロック 無双王 双葉刀

 その後ろではある子どもが暗い顔で見守っていた。すると1人の男の子が隣に座ると子どもは言う。

「お前は選手控室にいなければならないはずだろ?狂気王」

Aブロック 狂気王 狂井狂男

「誰が狂気だ!つーかお前モニカに挨拶してないだろ!ほら!拗ねて君と目も合わせてくれないじゃないか!」

 狂井の腰にチェーンで括りぶら下げられていたのは猫の生首であった。それを見た周りの人々は怯えて狂井達から目を逸らしていた。

「死んだ猫に挨拶しても意味ないだろ?つーかジェシカは?前の白い犬の頭は?」

「腐ってたから電車の中に置いてきた」

 イカれてる。こんなのが俺と同じ……。

「ねぇ!ねぇ!暇だからさぁ……遊ぼうよぉ。必士くん!」

Dブロック 瀕死王 必士勝利

「あいにく今はAとBブロックの試合を観たいんだ」

「ちぇ!全王様の試合を見てもどうせ勝つのは全王様だよ!」

「いや…壊染の能力は知っている。今回は全王様の未知の力を見れるかもしれない」

 すると全王の口が動いた。その行動に壊染は構えるが、その様子を見て全王は笑顔で言う。

「おいおい…口を動かしただけだろ?ビビってんの?」

 隙が見えたのか壊染は目にも止まらぬ速さで全王の首目掛けて蹴りを入れるが全王は腰を曲げて難なく避けた。この時の壊染の速度は時速500km。この速さはスーパースポーツ300の最高速度は時速490km。それを彼はゴキブリと同じく瞬間的に出すことができるのだ。

 にも関わらず。

「へぇ。速いじゃん」

 全王は余裕で避けたのだ。

 全王は笑顔で前蹴りをすると壊染は吹き飛び壁際にめり込んだ。壊染はあまりの痛さに地面に手を着き顔を上げて全王を睨んだ。

「化け物め」

「それはお互い様だ。その能力のおかげで無敗なんだろ?」

「この無限野郎が…」だがこのままでは負けてしまう。ならば全力でコイツを叩きのめす。

 すると壊染の身体がメキメキと音を立て始める。すると実況席から2人の男が話す。

《実況席からお送りいたします!実況者の実況送です!》

《解説者の解説語です。あの様子だと能力を限界まで高めるつもりですね》

《なるほど。つまり彼は力を解放して全王を倒すつもりですね》

《いや、それで全王が倒されるかはわからない。なんたって全王の能力は無限だから》


全王限 能力 無限


詳細 無限の可能性を秘めており、高い知能、常人以上の身体能力、技術、才能。その可能性は無限大。


《本当に彼に限界はないのでしょうか?いくら彼でも壊染の攻撃をまともに喰らえば》

《壊染の能力にも可能性はありますが……忘れたのですか?ヤツが起こした事件を》


全王限の過去 ???年前

「あ……ママ……」

「フフ。そうよ。あなたは私の賢い息子よ」

 その様子を見て驚いていたのは医者や看護師であった。なぜなら彼はまだ生まれてからたったの10時間で言葉を発したのだ。

 全王限の家庭は少し特殊であり、母親は研究者をしていた。その内容は能力者研究。全王の父親は何かしらの能力者であったが能力の全王が生まれてすぐに処分されたのだ。母親がなぜ全王限を産み育てたのか?

「これを読んで、化学、生物学、物理学、ありとあらゆる知識を取り込んで……あなたは人類の進化に必要な存在なのよ?毎日テストをするから100点を取り続けて新たな人類のため、そして日本のために貢献して」

 母親は日本政府に雇われた。能力者研究員だったのだ。

 試合に場面は戻り実況が言う。

《ああ知ってます!噂じゃ全王限は日本政府に作られて、いろいろと実験されたとか?》

《その実験の一つが耐久テスト……銃弾、爆弾などの火器類は一切通用せず、化学物質や放射能でも殺すことができなかったと……全て噂でしかないがな》

 壊染の身体が真っ赤になり蒸気が身体から溢れていた。その様子を全王が笑顔で見守る。

 そろそろ本気のようだな。壊染は強い、それ故に支配下に置きたい。さてどうしたものか……やっぱり一回殺すしかないよな。いや、少し様子を見てから判断しよう。


 すると全王は瞬時に両腕でガードをするがそのまま吹き飛んでしまった。全員何が起きたかわからなかったが、この時の壊染の速度は……マッハ1。時速にすると1224kmにも及ぶ。

 壊染は汗をかいて考える。

 どうだ?やったか?あの感覚は顔面に当たった。普通の人間なら頭が吹き飛ぶと同時に身体がどこかへ消えてしまうほどの威力。

「やるなぁ!痛た…油断した」

「⁉︎」

 全王は右の鼻の穴から鼻血を流していた。

《な、なんと⁉︎あの全王が血を流したぁぁ!》

《弾道ミサイルに正面衝突しても無傷と言われているあの全王が……》

 壊染は焦った表情で思う。

 驚くところはそこじゃねぇだろ!俺の拳を……鼻血で済ませやがった!力も限界まで上げて殴ったのに!戦車をも粉砕する力だぞ⁉︎

「へぇ。戦車もねぇ……俺が戦車より脆く見えるか?」

「っ⁉︎」頭の中も読まれているのか?な、なんなんだよ。コイツの能力は⁉︎

「無限だよ。解説者も言っただろ?俺の能力は無限だと」

「くっ」

《かなり難しい表情をしていますねぇ!》

《これが限界の力のようですね。彼の能力は突破なのに》

壊染嵐 能力 突破


詳細 人間の限界を突破することができる。その力に限界はない。


「身体に負担がないってことはお前相当訓練したな?でも訓練不足……マッハ1?責めてマッハ1000万くらいは出せるようにしないと?」

「舐めやがって……ぶっ殺す!お前だけは許さねぇ!お前だけは!」

壊染嵐の過去 当時20歳

《ダウン!ダウン!たまらず地面に顔を疼くめる!》

 壊染は当時柔道で全国大会を優勝するほどの実力者であった。富、名声、女。あらゆるものを手にできるほどの実力者であった。それでも彼は周りを信用できなかった。全員人脈を広げるがために壊染に近づいたのだ。そんな彼には唯一信用できる親友がいた。

 とある居酒屋

「それで?不倫がバレて慰謝料と?」

「ああ。女ってなんでたった一回の不倫で離婚を突きつけるんだ?」

「それが女だからね」

 彼の名前は死言告。親友で幼馴染みで、同じ能力者であった。

「そんなに気に入らないなら俺の能力使おうか?」

「いいよ。俺たちはただでさえ見張られてんだぜ?俺だけならともかくお前にまで迷惑をかけるつもりはない」

「……俺は正直いつ死んでもいいと思っているよ」

「……まだ引きずってんのか?アイツが死んだのはお前のせいじゃねぇ。病気だから仕方ないだろ?」

「でも……里帆は俺に」

「能力者でもねぇアイツの言い訳だろ?俺たちのことを化け物呼ばわりしたんだぞ」

「里帆は自分の死を受け入れられなかった。それでも俺は……」

「……明日、里帆の墓参りに行くか」

「うん」

 里帆とは壊染と死事と同じ幼馴染みで病死してしまった。彼らはお見舞いに向かい。その時に彼女から言われた一言。


「お前ら化け物にわかるわけないわ!病気で死ぬ私の気持ちなんて!」


 壊染はその言葉に対して思ったこと。「なんで……こんなヤツを好きになったんだろう」と。しかし死事はそれとは逆でまだ好きであった。

 2人は里帆を理由に揉めていた。

「もう里帆に会うのはやめろ!お前毎日怒鳴られてしまいに怪我もしてんだぞ⁉︎」

「わかってるよ。でも……俺はまだ好きなんだ」


 壊染は死事の行動が気に入らなかった。ずっと一緒に遊び過ごした仲だった。親友だった。それなのに里帆に毎日会いに行く死事に……傷つく親友を見ていられなかった。

 壊染は機嫌悪く道を歩いていた。

「何で……あんなクソを……諦めろよな」

「だよねぇ……諦めた方がいいよねぇ?」

「あ?っ⁉︎お前は……全王…限」

 壊染は振り返りその人物が全王だと気づくと怯えてしまう。全王は笑顔で言う。

「大丈夫……俺はお前の味方だよ。その人間は邪魔な存在なんだな?」

「まさか……殺す気か?里帆を……」

「うーん…………興味があるのは君と死事くんだけなんだよね……どうだい?俺と一緒に人間達を奴隷にしない?そうすれば里帆って子の病気を治してあげるし!そしたら……お前ら2人の奴隷にしてあげるよ?」

「奴隷……だと?」

「そうそう!どうだ!」

「ふざけるな。そこまで落ちぶれちゃいない」

 すると全王は壊染の首を掴み持ち上げて言う。

「まさか……お前も人間の肩を持つのか?」

「そ、そうじゃない!俺は人間を奴隷にしたいだなんて思わない!ただそれだけだ!」

「……くだらない。ヤツらは俺達をかつてモルモットのように扱われた。テメェもそうだろう?生まれたばかりのお前と死事は親によって施設へ送られ実験台にされた。死事はさほど人間を嫌ってはいないがお前は違う。憎いだろ?全てが……」

「っ……か、考えさせてくれ……頼む」

「いいよ!同じ能力者だもんね!」

 その後全王と別れて病院に寄って考える。

「……」人間達を奴隷に……か。そうすれば俺とアイツの差別もなくなるのかもな……。里帆の病気も治せるとか言っていたが……。

 里帆の病室へ行くと死事と話しているのが聞こえていた。

「ねぇ……やっぱり怒ってるよね?」

「だから俺は怒って…」

「わかってる……でも嵐はきっと怒ってるよね?」

「大丈夫。きっと許してくれる……本心じゃないってさ。もし俺たちも同じだったら……酷いことを言っていたかもしれないし。それに俺……人間好きだし」

 死事は笑顔で言うと里帆は言う。

「……私……頑張って病気治すよ。そしたらさ……また3人で……一緒に遊ぼ?久しぶりに遊園地に行きたい!」

「うん。行こう。嵐もきっと行きたがってるはずだ!」

 その会話に壊染は涙を流した。

 俺はバカだ!何迷ってんだよ!人間を奴隷にしたら……里帆は今よりもっと辛い思いするじゃねぇか!

「くだらない」

「⁉︎」

「「⁉︎」」

 里帆の病室にいたのは全王だった。

「だ、誰⁉︎」

「ぜ、全王限⁉︎」

「死事!やっと見つけた!お前が暮らしている寮に行っても人間しかいなかったからさ」

「寮……みんなに何かしてないだろうな!」

「帰ればわかる。死事。仲間になれ……そして人間達を奴隷にしようぜ!」

「人間達の言う通り……頭おかしいんじゃねぇの?」

「頭がおかしい?……ああ、お前そこの女好いてるな」

「え?」

 里帆はその言葉に驚き死事は頬を染めた。

「なら原因である彼女を……」

「全王ぶっ飛べ‼︎」

 すると全王は吹っ飛び壁を突き破り外へと飛び出た。

「痛い……そういやアイツの能力は宣言だったな」

 全王はすぐに死事の目の前に現れ首を掴み持ち上げた。

「今日で2人目だよ……能力者の首を掴んだのは」

「ふ、2人……だと?」

「もう一度だけ言う。仲間になるか。そこの女と一緒に死ぬかだ?裏切り者には容赦しない」

 ドゴォォォォォォォォォォ

 すると壊染が病室へ入りそのまま全王を殴り飛ばすと死事は床に尻をついた。

「ゴホッ!ゴホッ!……嵐……」

「2人で守るぞ……里帆を」

「……ああ!里帆はそこにいろ。俺たちが守る」

「う、うん」

 2人はそのまま穴の空いた壁から外へと行き、全王の前に立つ。すると全王は起き上がって言う。

「これがお前の答えか?」

「里帆を奴隷にはさせない……今すぐ出て行け……そうすれば殺さずに返してやる」

「嫌だね。お前たちを仲間にしていない」

「全王死ね!」

「うっ!……なーんてな。俺の能力は無限 無限の可能性を秘めている。相手の能力が何か事前にわかっていれば……対処は可能」

「チッ」

「俺がやる。里帆にもコイツにも……指一本触れさせねぇ」

「触れさせないか……じゃあ聞くけどさぁ……もう殺したよ?」

「「⁉︎」」

 全王の右手には里帆の頭部があった。死事は青ざめて言う。

「り、里帆……嘘だろ」

「ハッタリだ!アイツが何かしたのを見たか⁉︎俺たちを動揺させるために!」

「じゃあ胴体も持ってきてやるよ」

 すると瞬間移動のように里帆の胴体が全王の左手に現れた。それを見た壊染は戸惑い言う。

「う、嘘だ……あ、アイツは死んでいない」

「俺なら生き返らせれるが……人間は生き返らせるつもりは全くない。そんなに会いたいならお前らも同じ目にあわすぞ?」

「「全王‼︎」」

 2人は必死に戦った。里帆を殺した怒りと悲しみを背負い……なのに負けた。全王はあまりにも強過ぎたのだ。

 場面は試合に戻り壊染は血まみれだった。

「ハァ…ハァ…」

 息を荒くする壊染に対して全王は言う。

「弱……でも昔よりかは能力の使い方を理解している。悪くない……相手が悪過ぎたんだ」

「ここから……巻き返してやる。里帆と誠の仇を取ってやる‼︎絶対に許さない……全王‼︎」

「口で言うのは簡単……俺が死事を殺したのは……奴隷にしても口があるからいつでも殺される可能性がある。いちいちアイツの対処法をしていると拉致があかない」

「この……」俺の大切な者を……2人も!


 1ヶ月前 壊染と死事は話し合っていた。

「待てよ!お前じゃ倒せない!危険すぎる!いきなり死を宣言なんて!」

「俺の能力は目の前にターゲットがいないと宣言が実現しない」

「だからって!」

「大丈夫……アイツは能力者を殺さないって聞いている。任せておけ!」

 しかし死事が殺されたと同時に誓った。必ず全王を殺すと。


 場面は戻ると壊染の右腕が血管が浮き出てそこから少しだが血を出していた。

「ん?それはアレを使うつもりだな。かつて日本大陸戦争で出した技か……おい!逃げた方がいいぞ!死にたくねぇだろ?」

 人々はその技の恐ろしさを知っていたため全員逃げ出す。

 その壊染の繰り出す技は建物を全て粉砕し、人々を一瞬でバラバラにした最強にして最恐の技。

「最強拳‼︎」

 壊染の拳が真っ赤に染まると全王の顔面に当たり全王は吹っ飛び京デラドームを客席ごと吹っ飛ばし穴を開けた。

《と、とんでもねぇ⁉︎つーかアイツ人間を殺す気かよ!》

《殺そうとしたのは全王のみです。アレは危険ですからね》

 壊染は右手を震わせていた。

「いっ……」やはり耐えられない……力を入れ過ぎた……だがこれは以前とは違いパワーが増した……。ヤツを倒すにはこれを使うしか。

「倒せてねぇよ」

「!」

 壊染は振り返ると全王の髪がまるで天の川のような幻想的な色をしていた。

「な、なんだ…その姿は……」

「宇宙は海よりも謎が多いと同時に……俺の謎はそれ以上に多い……『お前らただの能力者』じゃ勝てない。特にこのインフィニティモードには」

 と不気味な笑みを浮かべる全王。しかし壊染は身構えて言う。

「ならば……さっきの力を全身に流すだけ……」

 壊染の身体が赤く染まり身体中の血管から血が噴き出る。

「無駄な事を……俺に勝つなんて無理」


 全王の過去

「つ、強過ぎる……」

「全王を倒すために……同盟を結んだのに……」

 5年前 日本大陸の県と県が分裂する前……当時の全王は25歳。彼は歳を取ることがなかった。彼はいつ生まれ……なぜ人間を嫌うのか?誰も知らない。もっと昔に彼は生まれたのだから。

「うーん!さぁて……腹空いたし……人間でも脅して飯でも手に入れるか」

「全王だな」

 話しかけてきたのは鉄松だった。

「誰?……ほう……お前……」

「全王限を確認……抹殺する」

 しかし鉄松など相手にもされなかった。それどころか鉄松の頭に手を置き頭の中をいじっていた。

「これで元通りだな……おい起きろ」

「……あなたは……全王限。そうだ……私はバカ人間共に捕まり……頭の中を……許さない。モルモットの分際で!」

 鉄松は怒りの表情を見せると全王は手を差し出して言う。

「お前の頭は面白いな……俺と一緒に人間達を支配しないか?協力してくれたら……人間を実験用の動物のように扱っていい。お前の欲望のままに」

「……あなたは何がしたい?」

「復讐……弟を殺し……俺をこんな化け物にした人間共への復讐。思い知らせるのだよ……俺を『能力者にした』ことをな‼︎」

「……あなたは……興味深いですね」

 その後鉄松と共に沖縄県を制圧。そして…。

「ハァハァ……ハハハ!面白ぇ‼︎いいぜ‼︎雑魚共とはソリが合わねえからな!」

 殺魔を仲間にし。

「……わかった。仲間になってやるわ……俺の絶対を理解せぇよ?俺はお前の命令もある程度は聞いたるさかい」

 絶縁を仲間にし。

「お、俺の時を……」

 時杉を仲間にした。そして彼らは日本に戦争を吹っかけ県は分断された。そして彼らは五王と呼ばれる恐ろしい存在へとなったのだ。

「限。これからどうする?」

「世界でも取るか⁉︎」

「焦るな……日本にいる人間達を支配してから考えよう。俺たちは王なんだからよ」

 全王がそこまで人間を奴隷にしたいのか……それは誰も知らない。知ることができない。なぜなら……。


「あ……ああ……」

「残念だったな。自称最強くん。俺のインフィニティモードには勝てなかったか」

 壊染は手足をもがれ、血塗れであり全王は無傷で壊染の頭を掴んでいた。その強さに会場は静まり返り怯えていた。すると音無が言う。

《し、試合終了‼︎壊染嵐選手の戦闘不能を確認!勝者 全王限選手‼︎》


第1試合 勝者 全王限


試合時間 9分11秒


決め手 インフィニティモード


 意識が薄れる中、壊染は思う。

 ああ……負けたのか……できれば……このままアイツらの元へ……。

「死なせないぞ?」

 すると壊染を回復させて首輪をつけた。

「お前は今日から俺達の仲間だ。それは奴隷首輪って言って鉄松に作らせた。つまりお前は……もう俺たちには逆らえない。このまま勝って……人類を奴隷に変えてやる」

「あ、悪魔……が!」

「悪魔?それは人間の方だ……自分達が上だと思っている。もう一つの人種 能力者が現れた瞬間。ヤツらは俺らを人類の敵と判断した。それで俺達能力者はどれほど苦しめられたことか!くだらん人類をリセットする!フハハ‼︎これからは俺達の時代だ‼︎」

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