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プロローグ 能力者トーナメント開始

 日本の47都道府県は分裂し、一つの国へとなった。その原因は県と県の異論によるものでも、食料問題によるものでも、若者不足でもない。何十年も前に現れた……ある能力者5人が原因であった。


2022年 8月10日


東京 国会議事堂にて……1人の若い男が議長を務めていた。

「はいはい皆さん!我々の五王が……こうして日本大陸会議を行ったのは……ある問題について……話があるからだ」


無限王 全王限(25) 議長


「無限様。問題とは?我々はそれを知らずにここにいるのですよ?」


殺戮王 殺魔拳(25) 副議長兼北海道 総理大臣


「いいからとっとと終わらせろや。俺は暇ちゃうねん」


絶対王 絶縁対馬(25) 議員兼大阪 総理大臣


「黙れ……殺魔はともかく……殺されたいか?」

「なんだと?頭ん中まで鉄でできてんのか?」

「少なくとも貴様よりは頭がさえている」


機械王 鉄松蓮司(25) 事務総長沖縄王国 大統領


「蓮司!ぶち殺すぞ!」

「ふわぁ……早くしてくれない?このあとパーティーだからさ。やる事がある」


時間王 時杉薄(25) 議員東京国 国王


「全くお前らは……では始める」


 全王達は話し合う。

「今現在進行形で……各国は様々な問題を抱えている」

「食料問題、人口問題、高齢化は殺魔が解決したとして……少子化はどうする?」

「限。お前の能力でなんとかできねぇ?温暖化を解決させたお前ならいけるだろ?」

「人間がいる限り温暖化は完全に消えない……拳のおかげで『北海道の人口は1人になった』が……たった数千万人の命がなくなったからって世界には億をも超えている。だからこそ根本的に解決させるのさ」

「……各国にいる能力者全員を奴隷化計画か……」

「女の子ならともかく全員男やろ?いらねぇわ」

「それが能力者の絶対ルールだ。鉄松、研究はどうだ?」

「あいにく女は無能力者ばかりだ」

「その女と子どもはどうなった?」

「使い物にならないから女は殺処分にしてガキは成長すれば再利用が可能だ。私の部下が手伝ってくれるから作業が捗る」

「ああ…実験でようやく目覚めた能力者か!アイツは元気にしてんの?」

「お前の変態部下と違って優秀でな。薄」

「蓮ちゃん厳しいぃぃ!」

「今のところ我々抜き、確認されている能力者は……48人……少ないな」

「でもいちいち1人ずつ能力者を捕まえて奴隷にするのはめんどくさいぞ」

「だからこそどう集めるか……提案して欲しい。俺は総理大臣。市民の声は無視してお前達友人の言葉を聞きたい」

「どう集めるか……力づくでいいんじゃない?」

「我々なら余裕だな。戦闘データは全て研究所にある」

「そんな物に頼るなんて腰抜けぐらいだ」

「そうだね。僕らが負けるなんてありえない。全員俺が殺ってもいい?」

「ダメに決まってるだろ?限!俺にやらせろ!腕がなる」

「殺すな!馬鹿どもめ……簡単な国から行きましょう」

「というと?」

 鉄松は言う。

「能力者の中には家庭を持つ者。普通の暮らしている者がいる。そんな中で手にするもの……大切な何かだ。それを手に入れればヤツらは抵抗せずに」

「めんどくさい!そんなめんどくさいことするわけないやろ!AI野郎!」

「AIじゃない……ぶち殺すぞ?」

 パチン

 ドチャ

 記者席にいた記者の1人の頭が全王の指パッチンにより破裂した。周りの記者達はその出来事に驚き死体から離れると全王が言う。

「死事誠……能力 死の宣告……アイツ俺に対して死の宣告をしやがった」

「無限の可能性を秘めた限に死の宣告ねぇ」

「仕事誠……確かあの野郎は青森出身だな」

「ほう……じゃあ青森国は俺たちに敵対するってことか……」

「それは違います」

 すると1人のスーツ姿の女性が男4人を連れて現れた。殺魔は機嫌を悪くして言う。


「誰だ?テメーらは?殺戮されてぇか?」

「我々が五王と呼ばれている理由はわかるよな?」

「……空田美琴、空間王の妹か……てことは」

 五王は上を見ると1人の男が浮いていた。

「これはこれは……俺たちを裏切り、国を改名して千葉県と言っている……千葉県の王 空間王 空田輝」


千葉県 空間王 空田輝(29)


「それだけじゃねぇ。鹿児島県、京都府、愛知県、青森県の王様もいるな」


鹿児島県 具現王 具現遊(44)


京都府 動物王 生命大地(23)


愛知県 正義王 立花正義(30)


青森県 最強王 壊染嵐(35)


「5対5?おいおい…俺たち相手に……5人?舐めとんのか?お前ら?」

「提案をしに来ました。王達に代わり私が説明いたします」

「提案?」

「能力者達を奴隷にするのは賛成です。各国の王達からも先程承諾をいただきました」

「何の承諾だ?戦争でもするのか?」

「戦争よりかはマシです。戦うのですよ。能力者が頂点を目指して戦う……試合をするのです」

「試合?」

「それもトーナメント式で……優勝した者はどんな望みも叶うという条件。あなた方が能力者達を奴隷にするのであれば我々は従い。我々が勝てばどんな要求にものんでもらいます」


 美琴の発言に五王は考える。何を言っているんだ?と……しかし殺魔と絶縁は笑顔で言う。

「面白そうやな」

「ルールは死ぬまでか又は戦闘不能となった時点で試合終了だ。安心しろ…死んで5分いないなら限が生き返らせることができる」

「待て」

 鉄松は見事に近づいて言う。

「コイツらの目的はわかっている……俺たちを同士討ちにさせるつもりだ。全ての国がこの事を知り同士討ちをさせることも承諾したってことは中には悪い考えの者もいるはず。気に入らない」

 すると限はため息を吐いて言う。

「確かに……承諾した国の中には我々の部下いる。そいつらもつまらないからか……俺たちの支配から逃れたいから参加するのだろう。いいだろう」

「限!?」

「蓮司……みんな……裏切り者探しは後にしよう……今は……楽しもうじゃないか。『あの時の戦争』のように!今度は1対1の数回の試合をな‼︎」

「じゃあトーナメントの組み合わせはどうすんねん?」

「1ヶ月後……この時間に……この場所で……全ての王を集める……そしてその日に試合を行う!楽しみだぁ……」

 蓮司は呆れて考える。

 一度集めるなら奴隷化計画はそこで終わるだろ……まぁいいか。モルモットが増えるならそれで……。


 美琴達はその帰りに話し合う。

「1ヶ月後か……みんな……勝とう」

「当たり前だ。そのために俺たちは同盟を組んで他の国に脅しを掛けてでもこのトーナメントを実現させたんだ」

「死ぬことはないからって手を抜くなよ。八百長を持ちかけられても話に乗るな」

「わかっている……死事の仇は絶対に取る!」

「皆さん……気をつけて」


 1ヶ月後 国会議事堂にて 日本大陸にいる各国の王が揃っていた。


「コイツは……名の知れた者が多いな」

「知らないヤツが2人もいるがアイツら何の能力者だ?」

「さぁこれで……全員か?いや…少ないな43人だぞ」

「俺たちを入れると48人だけどな」

「しかたないだろ。各国に代表は1人なんだから……まぁ俺たちの王は別だけどな」

「……?。おい、全く知らないガキが1人いるんだが?」

「……確かに、データにない子どもがいる。名簿はあるか?」

「人間に待たせている。おい!」

 アザだらけの女性が現れ名簿を蓮司に渡した。

「……無能王 無位零?」

「無能って弱そうな王だな……」

「どこの国出身だ?」

「奈良だ。奈良といったら……能力者のいない国」

「じゃあアイツは人間ってことか?ハッ!自殺志願者か何かか!面白えぇ!」

 限は目を細めると不敵な笑みを向けた。その後殺魔の一言で会場は静まり返る。

「お前ら!今日はよく来てくれたな!お前達のために会場も用意したんだぜ!?まずトーナメントについて説明してやる!トーナメントにはAブロック!Bブロック!Cブロック!Dブロックの四つあり、各ブロック12人で戦い合い勝ち残った者が準決勝へ行ける!この試合は何でもありだ!卑怯な手も使っても構わないぜ!そんな手を使っても俺たち五王には勝てないからな!」


 王達は全員殺気を漏らすが殺魔は平然としており話を続ける。

「まずはこれを見ろ!」


トーナメント表が現れるとAブロックに全王限と絶縁対馬、Bブロックに鉄松蓮司、Cブロックに殺魔拳、Dブロックに時杉薄が既に位置付けられていた。すると1人の王が言う。

「なんでお前達の名前が先にあるんだ?」

「全視王 見島涼。ハンデだよ。俺たちと好き好んで初戦でやり合いたいってヤツがいるか?」

「目の前にいるだろ?」

「ほう。ならば1回戦目で俺の相手してくれや……」

「上等だ」

 2人は殺気を漏らし続けると鉄松は呆れて言う。

「拳。組み合わせの説明をしろ」

「組み合わせは20個のサイコロでデカイ数字を当てた順に決めてもらう。じゃあ……無能くん!こっちに来なよ!」

「は、はい……」

 無位は緊張しながら壇上へと上がりサイコロを振った。すると合計89の目を当てた。

「おおいいねぇ!1番高いよ!運がいいねぇ!」

「い、いやぁ……」

「でも……あの野郎には負けるかな?」

 帽子を被った男は笑顔でサイコロを振った。90の高得点を出して笑顔で言う。

「ラッキー!1番だ!」

「さすが幸運王 福山天地 15歳で宝くじ一等賞を当てて15歳で幸運王へとなったルーキー」

「僕の幸運値は最強だからね!」

「ハハハ!さすがは……気まぐれで生きる男……気に入らねぇ」


 全員サイコロを振り順番に番号を選ぶことになった。福山天地は笑顔で言う。

「じゃあ……33番で」

 3人の男達は話し合う。

「いい判断だね」

「AとBの戦いをじっくり見れるし、自分のブロックでも最後に当たる」

「うんうん!オイラもそう言おうとしたんだ!」

三重大国 三国王 番犬王 犬元一郎・ニ郎・三郎


「じゃあ次は無能くん!」

「42番」

「42?一回戦目で勝っても……次に当たるのは時間王だぜ?」

「いい。俺はただ……頂点に立つ。もう無能とは呼ばせない」

 その目を見た殺魔は笑顔になり言う。

「いいねぇ……お前みたいな男は好きだ。いいぜ、だがお前が思っているほど五王は弱くないぞ?」

「だといいけどな」

「へっ…さぁ次だ次!ドンドン行くぞ!」

 その後次々と番号を選び組み合わせが完成した。

Aブロック

第1試合

無限王 全王限対最強王 壊染嵐

第2試合

戦争王 戦田紡対略奪王 怪間蓮

第3試合

恐竜王 激歴竜人対細胞王 細末怜

第4試合

死神王 魂命対具現王 具現遊

第5試合

道化王 道酷向日葵対狂気王 狂井狂男

第6試合

絶対王 絶縁対馬対全視王 見島涼

Bブロック

第7試合

動物王 生命大地対番犬王 犬元一郎

第8試合

昆虫王 虫楽英助対恐怖王 肝怖闇次

第9試合

憎悪王 憎怒楓対食人王 食欲満

第10試合

暴走王 暴打走対聖人王 仏田誠

第11試合

要塞王 城壁護対武器王 武田痛志

第12試合

腐敗王 腐風錆対機械王 鉄松蓮司

Cブロック

第13試合

殺戮王 殺魔拳対重力王 重浮力

第14試合

終始王 終末創始対真似王 物田陸

第15試合

魔法王 不思議泰造対伝説王 暦物想

第16試合

悪魔王 七宮七尾対空間王 空田輝

第17試合

妖艶王 美神沙羅対人格王 飯田集斗

第18試合

幸福王 福山天地対大小王 大田小真

Dブロック

第19試合

血祭王 出口祭対治癒王 吉田癒

第20試合

暗殺王 葉隠創馬対無双王 双葉刀

第21試合

正義王 立花正義対犯罪王 罪積心

第22試合

瀕死王 必士勝利対鬼人王 鬼岡仁

第23試合

喧嘩王 打殺鉄平対無能王 無位零

第24試合

高速王 ダッシュ・勇気対時間王 時杉薄

 トーナメントを見て感心する絶縁。

「俺様はいきなり見島か!燃えてきたでぇ!」

「お前ら……わかっているな?」

「絶対に始末するヤツは聞いております。心配なさるな。だがなんであのガキが?」

「試合を見ればわかる。まぁ他にも……俺たちの部下を含めて……全員警戒していろ。本来ならば相性のいい相手をぶつけるつもりだったからな」

「いいって!相性悪い方が殺し甲斐がある!」

「対象だけにするんだぞ。限にあまり負担はかけたくない」

「負担はない。俺は無限の可能性を秘めているのだからな」

 この物語は48人全員に想いがある。何を賭けて、何を目標に戦うのか?これは能力者全員と人類の命運を賭けた戦いである。

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