6−朝食会です!(中)
前の続き。
〜〜〜部屋に入る数分前〜〜〜
「怒っているだと?」
これから顔合わせをかねた朝食会を開くというので、どんな人たちがいるのかと道案内をしてくれているイリスに尋ねたところ、この国の王と王子にエリシャと異世界から召喚された俺以外の二人だと説明してくれた。 その説明で、二人が先に穴に落ちていったのを思い出し、その二人は親友で今どうしているか訊いてみたところ、なぜか俺に対してかなりご立腹とのことらしい。
「覚えていないのですか?」
「なにをだ?」
そこから少しだけイリスに本人も聞いただけらしいが召喚された時の様子を教えてもらった。 要約するとだ、今は治っているが俺が蹴り飛ばした軟らかい物は、実は二人の男の象徴だったらしく二人は生死の境を彷徨っただけでなく切り取りもやむをえないかもしれない状態だったらしい(俺は完全に無くしたが……)。
「そっそうか、それだと怒っていても仕方ないな……。」
無くなってしまった自分の元あった場所に手を当てながら、どれほどの痛みだったのかと考えていたら無いはずなのに痛く感じてしまった。
「ふむ、さすがにその状態だと危険だな。」
その朝食会で、俺は女じゃなくて男で男として扱ってくれと言うつもりなのだが、二人がその状態だと自分の正体を明かした瞬間に今の身体だと死にかねないからだ。
(いつもならなにかしらの拍子に怒らせてしまっても、あの二人には負けないが女になってしまった今だとどうなるか分からんからな。)
「雲母様。」
「ちょっと待ってくれイリス、俺は今どうやって二人の怒りを静めるか考えているんだ。」
さてどうやって………。
「私に良い考えがあります。」
不意打ちでもう一度沈めるかそれとも……、ん?
「何だと! 本当に良い考えがあるのか?! あるなら教えてくれ!」
「はい。 こちらを着けて一声鳴けばいいだけです。」
そう言いつつイリスが取り出した物を見た俺は、少し前まで味わっていた戦慄に身体が震えた。
「イリス、それだけは却下だ! 頼む、その『猫耳』だけはやめてくれ!!」
「ですが。これを頭に着けてにゃーっとでも鳴けばあまりのかわいらしさにお怒りも静まると思います。」
「だが、それを着けてそんな事をすれば俺は変態だぞ!」
「大丈夫です。 雲母様のかわいらしさなら癒されるだけで不快には思われないです。」
「だけどだな……。」
「さらにその後、かわいらしい格好をした少女の正体が友人の雲母様だと分かれば驚きのワンツーパンチでノックアウトです。」
「ノックアウトって……。」
「着きました。」
言い合っている内どうやら朝食会を行う部屋に到着したようだ。
「もうちょっと時間を。」
「もう他の方々はかなり前につかれているみたいです。」
まずいな、唯でさえ怒っているのにその上遅刻のようだ。
「さあ雲母様、もうこれを着けて行くしかないと私は思います。」
そう言ってイリスが猫耳を渡そうとしてくる。
「ああ!! 分かったから!! これを着けて一声鳴けばいいんだろ!!」
半ばヤケクソでイリスから猫耳を受け取り頭に装着する。
「あっ、それは一応魔法の猫耳ですので。」
「なんあに!!」
おおお!! 何だこれ動くぞ! それに尻尾まで生えてるし!!
「黒猫の雲母様かわいいです。 あと、魔法の効果でですが。」
と言いつつイリスが猫耳に触れると、
「ふにゃ!」
「♪」
今、背筋に電気が走ったみたいにビリっときたぞこれ、って作り物のはずなのに触られた感覚があったぞ今!!
「雲母様、行きますよ。」
と言いつつイリスが入り口のドアを開けていく。
(もうこうなればなる様になれだ!! 男は度胸だ!! ん?違ったか? まあいい行くぞ! 戦場の地へ!! )
少々おかしくなりつつある俺は入り口を潜り一声、
「にゃ…にゃあ?」
と鳴いた。
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〜〜〜入り口を潜って色々あってから数分後〜〜〜
後に続きます。
今回は短かったので早めにあげることができました羊です。
この先の展開なのですが、少しだけきまりましたのでお知らせさせてもらいます。
色々な要素を回収しつつ話を展開していこうかと思っています、例えば今回の分なのですが、性転換・弄られ・雲母ちゃんがどんだけかわいいか、といった要素で出来ています。
このように要素を決めて数話まとめてその要素で書いていきますのでこれからもよろしくお願いします。
追記:間違えて別の作品に投稿してしまい読んでくださっている皆さんを混乱させてしまったことをお詫びさせてもらいます。