5−朝食会です!(前)
「にゃ…にゃあ?」
いきなりの猫声で申し訳ないが、今は詳しく説明している状況じゃないんだ。 おいしそうな朝食が並んでいようとも、王?王子?司に八代、エリシャやイリス、その他メイドさんと騎士がいようとも、猫耳と尻尾を着けて男を捨ててでもこの先制攻撃を成功させないと俺の命が危ないのでな。
「「「「………」」」」
反応が無かったのでもう一度だけ。
「にゃん?」
「「「「………」」」」
はずい、恥ずかしい!! なんでもいいから早く反応してにゃん、……って心の声までも猫言ににゃって。 などと思いつつ恥ずかしさのため俯く。
ドタ!
バタ!
(ん?)
なにか物が倒れる音がしたので、あまりの恥ずかしさに伏せていた若干熱を持っていて恐らく真っ赤になっているであろう顔を上げて部屋の中を見てみる。
「耐えられません……ブフッ!」
入ってきた入り口近くに居たメイドさんが鼻血を吹きながら倒れた。
「くぅ……まさかこの様な心理攻撃を食らうとは……俺はロリコンだったのか……。」
部屋の護衛騎士らしき鎧を着た男が血の海を顔付近につくりながら倒れた。
少々長くなりそうなので、ここからはRPG風に部屋にいた人の反応をダイジェストで説明させてもらう。
メイドA,B,C,D……への攻撃、
メイドA,B,C,D………に精神への10000ポイントのダメージメイドA,B,C,D……は息絶えた(死んでません)。
騎士A,B,C,Dへの攻撃、
騎士A,Bにクリティカルロリコンダメージ(測定不能)もう元には戻れないだろう。
騎士C,Dは攻撃に耐え切った、だが混乱しているようだ。
司、八代への攻撃、
司は耐え切った。ただ、顔が真っ赤だ。
八代は鼻血を垂らしながら耐えた? だがよく見ると気絶しているようだ。
王?王子?エリシャへの攻撃、
王?は平然としている。だが視線がこちらを向いていない。
王子?は欲情しているようだ(10歳前後)マセガキの称号を手に入れたようだ。
エリシャは恍惚とした表情を浮かべながら、 なぜかこちらに向かって右手の親指をつき立てていた。
雲母の反応、
この状況が理解できていないようだ。 鈍感の設定を手に入れた。
「さすがです雲母様」
「へっ?」
間抜けな返事を返しつつ後ろにいたイリスを見ると、そこにはいつもの無表情ではなく僅かにだが恍惚が含まれていた。……嵌められた?!
「「……幼女……ツルペタ……ロリっこ……」」
呟きにもにた言葉に、背筋に寒気が奔ったので、恐る恐るイリスから視線を外し声のした方に振り向くと。
ロリコンゾンビ騎士Aが現れた。
ロリコンゾンビ騎士Bが現れた。
先ほどロリコンクリティカルを受け生きる屍とかした騎士がいた。
(なんだってんだ!)
じりじりと体を引きずるように、それでいてやたらと息を荒くして近寄ってくるその姿にさすがの俺も恐怖とそれ以外の危機を感じ周りに助けを求める視線を送ったが、ほぼ全員が先ほどの影響と今の騎士の様子に動けないようだ。
「まっまて! お前らそれ以上俺に近づくな!!」
静止を呼びかけるが全く聞こえていないらしい騎士は歩みを止めることなく近づいてくる。
(よく分からないが、このままじゃ色々とまずい気がする!! 仕方ない、少し早いがここで言うしかないな。)
この状況を打破するため、あらかじめ考えていた部屋に入ってからの作戦を前倒しにしてここで使うことにした。 ……決して目の前に迫ってくる騎士が怖いからじゃないぞ!
「よく聴けお前ら! 俺は『佐藤雲母』名前は雲母だ! そして俺は『男』だ!!」
部屋に居る生き残ってた人全員が凍ったように静かになった(先に知っていたエリシャとイリスは恍惚状態から抜け出せていない)。特に、司といつの間にか気がついていた八代にいたっては口を大きく開けて固まっていた。
(おお!! あの二人のあんな表情を見るのは初めてだな。)
しばらくし、静まり返った部屋に少しづつだが小声が聞こえてきた。
「嘘でしょ、あんなにかわいいのに…。」
「男なら何故に猫耳にドレス、それに猫言だったんだ?」
「女装趣味?」
「変態?」
その他、色々と聞こえてくるが司と八代が部屋に入った時に滲ませていた怒気がなりを潜め毒気が抜かれた表情をしているので作戦は成功のようでよかったぞ。 ……色々と失ったが。 それから、二人の怒気を抑える事に成功したことにホッとしていると。
「何を言ってるの雲母。」
「何を言ってるんですか雲母様。」
「「今は女の子でしょう(ですよ)。」」
声を揃えてエリシャとイリスが訂正してきた。
「エリシャ、イリスも俺はおと……。」」
「やっぱり!」
「うんうん、あれで本当に男だったら私たちはなんなのか分からなくなるしね。」
「女だよなやっぱり。 うんうん。」
「お前顔赤くしてどうしたんだ、惚れたのか?」
「うるせーー!!」
あの二人のせいで部屋の中が収集がつかない状態になってきた(司と八代はさらに唖然としていてさらにおもしろい顔になっていた)。 ってかエリシャ、イリス、俺は例え身体が女になろうとも男だと着替えの時に言って置いただろうに。
「「……男……女……どっちでもいい……。」」
「ん?!」
近くから聞こえた声に慌てて振り返ると、そこには! 視覚いっぱいいっぱいまで写るほど近づいた二人の騎士が!!
「「雲母ちゃぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん♪♪」」
「にゃぁぁぁぁーーーーーーーー!!」
襲い掛かってきた!!
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〜〜〜部屋に入る数分前〜〜〜
中に続く。
お久しぶりです羊です。
少々雲母ちゃんの設定で悩んでいて遅くなりました。
雲母ちゃんの前世持ち転生者で異世界移動後に性転換というややこしい設定をいかにして表現できるか考えていたんですが、まとまらなかったのでとりあえず考えていたネタを先に書いていってしまおうと決め今回の話を書かせてもらいました。
今回は前、中、後で3つに分ける予定ですが、ただ単に3つをひとまとめにして書く時間が無いのでわけさせてもらっているだけなので分かれている事に意味はないのであしからず。