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2−落とされちゃったw

(逃げ道が無いな、どうするか……)


四方を真っ黒な大きな穴?に囲まれてしまい、隙間無くじりじりと近寄って来ていて動ける範囲が狭まってきていた。 ふと、穴の向こうにいるにやにや笑いながらすごく楽しそうにしている生き物、背中から生えた翼で空を飛び、偉いのか高そうな服を着たちっちゃな奴、"女神"らしいそいつを睨みながらこの状況を打開する方法を考えていた。


数分前……


二人が落ちていった穴を覗き込みながらこれがなにか大体見当をつけていた。


(この穴から感じる感覚……、"あれ"に良く似ているってことはこの先は異世界ってことか。)


"あれ"とは俺をこの世界に飛ばした聖女が使った魔法の事だ、聖女の魂ある知識と力のせいなのか分からないが穴に触れた瞬間なんとなくだが同一の力を持っていると理解できた。


「あのタイミングで後ろに飛んで避けるなんてすごいですね〜♪」


急に聞き覚えの無い女性の声がしたため穴から目を離し辺りを見回して見た。


「声はすれども姿は見えず……気のせいか。」


「こらーー!どこに目をつけてるのよ!ここよ!こ〜こ!!」


言われて声が聞こえたらしき上の方を向いて見ると。


「ニワトリ?」


「だれがニワトリよーーーー!!」


こっこーって鳴いてたし白い翼と赤いトサカが見えたからそう思ったんだが、よくよく目を凝らして見て見るとトサカだと思ったのは頭の上で赤い髪の毛をまとめたポニーテールだと気づいた。


「それで、おまえはなんなんだ?」


キーキー叫んでなんか文句を言ってるがとりあえず無視して聞いてみた。


「ちょっと! 私をニワトリ呼ばわりのに謝罪の言葉とかないの!!」


……無視。


「……はぁはぁ、まあいいわ、私は心が広いから今回は許してあげる。」


「そうか……。 んで、結局おまえはなんだ?」


正体不明の生き物に許される筋合いは無いと思うが、余計な事を言うと話が進みそうにないのでとりあえず口に出さずにさっきの質問をもう一度してみる事にした。


「私は、通りすがりの人Aよ!!」


腰に手をあて、無い胸を突き上げて言って切ってきた。


「……」


「……」


「……で?」


「で?ってそれだけ?もっとほら『通りすがりのAってなんだよ!!』とか『今更それかよ!!』とかもっと派手に驚いたりしてくれないの?そりゃあさ、出ばなを挫かれて名乗るのが遅くなっちゃったけど、これでも一所懸命に考えたのよ?せっかく人が考えた」


なにか早口で色々と言ってきているが、あまりに騒がしいので話し半分に聞き流す。


「ちょっと!!聞いてるの!!」


……


(人の質問にまだ答えてさえいないのになぜ聞かなければならないんだ?)


「む〜〜〜!! ここまで言ってもほとんど反応しないなんて、見た目はかわいいのにやっぱり中身は40近くのオヤジなのね。」


……今なんていった?


「なんで知ってるのかって顔してるわね♪」


このネタは自分の方が有利だと判断したのか、にやにやと獲物を見つけた肉食獣の如くこちらを見嘗め回してきた。


「知ってて当然よ♪ だってあなたの中にいる少女に聖女としての力を授けた"女神"なんだもの♪」


!!


(………いや、まあ、まて、冷静に考えろよ俺、ここで慌てて取り乱したりしたらだめだ、肉体こそ十代だが前世と合わせてすでに40年生きてきてるんだ、ここはクールに冷静に1つ1つ解決していくべきだろう。)


とりあえず聞きたい事はいろいろあったがまず最初に疑問に思ったことを、


「ちっちゃいのにか?」


「ちっちゃい言うなーーーーーー!!」


「いや、だって小さいし」


「うるさい、うるさい、うるさいーーーー!!」


両手で耳を塞ぎながらイヤイヤするちっちゃな女神の姿はかなりかわいい!!


(やば!ちょっとグッときたかも。)


しばらく耳を塞ぎイヤイヤしていたが、落ち着いてきたのか急に静かになった。


「落ち着いたか?」


急に静かになったことに少し疑問に思って覗き込みながら聞いてみたんだが、なにかブツブツとつぶやいていた。


「ふっふっふ……ニワトリ呼ばわりしただけじゃなくて小さいって言ったな人が凄く気にしてることを、もう許さないだから……どうしてくれようかしら……ああ、そうだ私と同じように小さくなれば……フフフ……」


女神にあるまじき笑みを浮かべてなにか良くない事を言いながらこちらを見てきた。


「どっどうしたんだ?そんな邪悪な笑みを浮かべて。」


「フフフ、さっき一緒にいた二人と同じように勇者として普通に向こうに呼ばれてもらおうかとおもったけど、良いこと思いついちゃった♪」


そう言いながら女神の奴は右手を上に上げた。


「!!」


その瞬間、周りを囲むように黒い穴?らしきものが隙間なく現れて徐々に近づいてきやがった。


「せっかく聖女の力を持ってるんだから、あなたを聖女として向こうに送ってあげるわ♪」


「ちょっと待て!!俺は男だ!!男が聖女なんておかしいだろ。」


「大丈夫よ♪ちゃ〜んと私が力を貸して上げるから心配しなくていいわよフフフ♪」



そして現在……


(聖女になるだと?あの笑いはヤバイ!、絶対ほかにもなにか考えてやがる)


焦ったら負けだと思いながら、なんとかこの状況から脱出する手段を必死に考える。


「フフフ、大分焦ってるわね♪ 見た目相応の感じになってきちゃっるわよ♪」


「この状況で焦るなってほうが無理だろ!」


「ん〜〜、そんなに聖女がいやなの?」


「当たり前だ!」


「だったら別に聖女だって事を隠してもいいわよ。」


「はっ?」


「別に今回は勇者召喚の儀式だもの、あなたが聖女の力を隠していれば簡単には気付かないだろうし。」


「だったら何で、聖女として送るんだ?」


「決まってるじゃない、それは……」


会話しているうちにいつの間にかほとんど身動きが取れないぐらい囲まれているが、どこかに隙ができないかと集中していたら……


「それじゃ行ってらっしゃい雲母"ちゃん"♪」


パチンと指を弾く音が聞こえたと思ったら足元にいきなり穴が!!


「なっ!落としあ〜〜〜〜〜〜……」



この日、異世界を救うためこの世界から3人の若者が消えた……

難しかったですが女神様とのやり取りが楽しかった羊です。

女神様の役目はただの橋渡し程度しかないのでこの先本編には今現在出す予定はありません。

ただ、本編とは違うところで活躍してもらう予定ですのでそちらで楽しく書いていこうと思います。

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