7−朝食会です!(後)
中の続きで、前の後
〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜
自身の身を守るため男を捨て猫耳装備という諸刃の剣を持って戦場の地へ赴いた雲母は、見事その愛らしい容姿を使い作戦目標の陥落に成功した。
だが、猫耳装備は諸刃の剣、その攻撃を受けた騎士が欲情し襲い掛かってき絶体絶命の雲母! そこに、颯爽と現れたのは彼女の恋人にしてメイドのイリス! 瞬く間に騎士を倒したイリスはそのまま雲母と………。
「ちょっと待てぇー! なんだそのあらすじは!!」
「前回までのあらすじですがなにか?」
「最後の方が違うだろ! 恋人になった覚えはないぞ!」
「そうですよイリス、雲母はあなたの恋人じゃなくて私の妹なんですから。」
「そうだぞ、イリスの恋人じゃなくてエリシャの妹………って! 俺がいつ、エリシャの妹になった!」
「まだですけどもうじきなりますから同じことですわ、ねっお父様。」
「ふむ、余としては娘より妻に……。」
「何か言いましたか? お と う さ ま?」
「いっいや! なんでもない!うむ。 おお、アレンよお前も兄弟が欲しいなら雲母殿を娘として……アレン?。」
「雲母!! 僕と結婚して!!」
「はっ!?」
「だめですよアレン、いくらあなたでも雲母は渡しませんからね?」
「いや、そもそも俺は誰のものでも……。」
「僕だって雲母はエリシャ姉に渡さないから!」
「なら余の妻に……。」
「お父様は黙ってて!」
「はい……。」
「人の話を訊けよお前ら……。」
「なんて展開になったら面白いですね、と想像してみました」
「面白くないからなそれ、俺は誰の者でもないし第一エリシャ達がそんなこと考えるはずが……。」
「妹……。」
「妻かそれも……。」
「本当に結婚しない?」
「考えるな!」
〜〜〜数分経過〜〜〜
「つもる話も勇者殿達にはあるだろうし余もその少女に聞きたいことがあるが、先に本題にはいらせてもらおう。っとその前に自己紹介をしたほうがよいな。 余はこの国アーシェリカを治める王オーラン・アーシェリカだオーランでかまわんぞ! 勇者殿達よろしく頼むぞ。」
(風格と体格はいかにも王様だな、しかしなぜ王というのはひげを長く生やしてるんだ。)
「僕は、第一皇子アレン・アーシェリカだよ、アレンて呼んでくれていいよ」
(エリシャより年下の9つぐらいか、第一皇子ってことは次の王様だな。)
「私は、第一皇女エリシャ・アーシェリカよよろしくね、私もエリシャでいいわ。 それと後ろにいるのは護衛のイリスよ、イリスあなたもあいさつをしておきなさい。」
(着替えの時のエリシャはいただけないが、こうして見ると美人だしかわいい顔立ちをしててお姫様っぽいんだよな。)
「イリスです、趣味は猫耳。」
(相変わらずそっけない感じだなイリスは、趣味が猫耳ってのは黙ってたほうがいいんじゃないのか? ってこっちを見るな!)
「俺は、鈴木司です、司が名前になりますので司と呼んでください。」
(出たなミリオンスマイル。 今のでメイドの何人かは落ちただろうな。 ん? 何故にその笑顔で子供を見るように俺を見る!)
「俺様は高橋八代だ、八代が名前だ、司と同じで名前で呼んでもらってかまわないぜ。」
(王の前なのにこいつも変わらないか、王の前で俺様はさすがにまずいだろうに。 貴様も、俺を小さい子を見るような微笑みでこっちを見るな!)
自己紹介が八代まですんだので次は俺の番なんだが、
「………。」
「雲母は自己紹介はしないのかしら?」
(エリシャ! 分かってて言ってるだろ! 周りの奴もその何かを期待するような目で俺を見るな!)
周りに助けを求めるが、だれも助けてくれそうに無い。それどころか、急かすような目線を向けてきている。 あびせられる目線に負けた俺は仕方なく自己紹介をすることにした。
「俺は、佐藤雲母だにゃん。」
猫語つきで……。
なぜ、猫語がついているか説明しておくとだな、前回から猫耳を着けたままなんだなこれが。 部屋に入った後、外そうとしたんだが、なんでもこの猫耳は着けている本人には外すことができなくてだれかに外してもらうしか無いというわけだ。 さらに、着けっぱなしにすると猫耳との同調が進む魔法がかかっているらしく、言葉や行動などに猫が混じってくるというから洒落にならん。
「〜〜〜〜〜イリスこれをさっさと外してくれにゃん!」
「嫌です。」
「にゃ!」
(即刻却下された……。 あまりの恥ずかしさと情けなさで涙が出てきたぞ。)
「雲母それぐらいで泣かないの。 ……泣き顔もかわいいですけどね。」
(泣き顔までかわいいだと、エリシャお前はやっぱり……って周りの奴も同意だと!)
「まあ、雲母殿のそれは置いておいて話を進めたいんだがいいだろうか?」
グダグダになってきたので、オーラン王が無理やりだが話を進めてくれるようだ。 だが、オーラン王、俺はこのままなんだな……。
「実はの、今回勇者が3人も召喚されたのだが、本来は1人だけのはずだったのだ。」
「それならなぜ、今回は3人も召喚されたんですか?」
「それは余にも分からん、召喚を行った魔法使い達も困惑しておってな。」
「それなら雲母がしってますわ。」
「それはまことか?」
「ええ、先ほど着替えの前に聞かせてもらいましたから。 雲母私に話は内容をお父様たちにも話してあげてもらえるかしら? あなたの友人二人も聞きたいでしょうし。」
「実はにゃ………。」
俺は、先ほどエリシャ達に話した内容をこの場でもう一度話した。 猫語つきで。
「なるほどの、男から女にそれは災難だったの。それにしても我が国の召喚魔法に女神応じて異世界から勇者をこちらに送っていたとはの。」
(災難の一言ですまさないでくれオーラン王……。)
「それで雲母は、男からそんなかわいい女の子になっているんだね。」
(さらりと元男にかわいいとか言うな司。)
「あーはっはっはっは! おもしれーぜ雲母、もう最高だぜ。」
(この筋肉バカは笑いすぎだ。後でころ……むりだな。)
「それでその女神は…、ん? どうした?」
側近らしい人がオーラン王になにかはなしかけてるな。
「ああ、もうそんな時間か。」
「お父様、執務ですか?」
「ああそうだ、すまないな勇者殿達、余から召喚した理由やこの世界のことなど話したかったのだが。 すまないが後でエリシャとイリスから聞いておいてもらえるか。」
「分かりました。 オーラン王も忙しいようですしそうさせてもらいます。」
「それでは、余は席を外させてもらおう。」
(肝心な話も無しに行ってしまうとはな、忙しいのは分かるが呼び出しを命じた張本人だろうに。)
俺はあきれつつ部屋を出て行くオーラン王を見ていた。
「それでは、後で私の部屋にて詳しい話をさせてもらいますね。」
そう言って、エリシャもイリスを伴って部屋を出て行こうとしている。
「ちょっと待ってくれにゃん、出て行く前にこれを外してくれにゃん。」
自分の頭に着いている猫耳を指を差しながら頼んでみた。
「外すのは勿体無い気もしますが、さすがにそのままだと少し可哀そうですね、イリス取ってあげたら。」
(勿体無くもないから早く外してくれ!)
「仕方ないです。」
心底残念そうにしながら外すために俺の後ろに回ってきてくれた。 そんな、あからさまに落ち込まれると少々心苦しさを感じるだろ。
「早く外してくれにゃん。」
「それでは外します。」
手を猫耳に伸ばして外しにかかるイリスを少し上を向いて見てみる、あれ?イリスさん?どうしてそんなに指を動かしているんですか? あっだめ、そんなふうに、ちょっやめ、そこは、耳の中に指いれ、指で耳を撫でないで、だっだめだ声が出る。
「うにゃぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜♪」
「「「「!!!!」」」」
(いっ今! 俺はなんて声だしてるんだ!)
変な声を出してしまい、恥ずかしさのため顔を下向けてしまったが、周りが何の反応もみせないのが不審に思い少しだけ顔を上げ伺ってみると……。
「にゃんだこれにゃん………。」
全員、一人残らず倒れていた。 呆然と部屋を見回していた俺は、視界に赤い液体が上から落ちてきているのに気づいた、俺は赤い液体が何か確認するため上を見上げるとそこには鼻から血を流すイリスの姿が。
「最高に良かったです………。」
そう満足そうな顔で言って倒れてくるイリス、ってこのままじゃ頭の上に落ちてくるし!
「イリス離してくれ!! イリス!!」
呼びかけるが完全に気を失っているらしく何の反応も無い。 逃げようにも猫耳をイリスが掴んでいるため逃げれない俺はそのまま頭突きをくらうはめになり。
「こっちに来てから二日連続でにゃんて………。」
そのまま気を失った。
数分後誰一人出てこないことに不審に思った外にいた騎士の一人が中を覗いたところ、そこはさながら血の海地獄のようだったとの事だ。
〜〜〜今回のパーティー全滅内容〜〜〜
雲母・・・頭に強い衝撃を受けての気絶
部屋にいた人・・・極度の急性興奮状態により血が上り過ぎた事による出血死
以上複数名
雲母ちゃんパーティー全滅回数・・・合計2回
異世界に召喚された理由など省略し次回に持ち越しにしてしまいました羊です。
次回は理由や異世界の勉強会の話になると思います、そこでの回収要素予定としては、聖女・異世界あたりを回収したいと思います、あと淡々と異世界の勉強となる予定なのでコメディー要素は少ないと思います。(予定なので分かりませんが)
では、また次回のお話もよろしくお願いします。