プロローグ
またあの夢を見る闇の中からしだいに広がっていく前世の夢を・・・
そこは聖女を奉る神殿だった、俺はそこで聖女を守る騎士だった・・・
聖女として奉られた少女は幼馴染で一生守り続けると約束していた・・・
聖女を守りながら月日がたったある日それは起こった・・・
その世界には魔王が存在し魔物が世界中を蹂躙していた・・・
人間達は聖女の力を最後の希望とし拮抗をしていたが、魔王軍の魔物たちは聖女を亡き者と
するため神殿のある町に総攻撃を開始した・・・
聖女の力を使い辛うじて抵抗を続け、一時は押し返すことができたが長くは持たず魔物たちは
神殿に侵入し、神官や騎士たちを排除しながら聖女の部屋にまで迫っていた・・・
・・・「魔物たちの狙いは私だけです、[・・・]だけでも逃げて下さい」
・・・「そんなわけできるわけがないだろうが、俺は何が起きようと一生[・・・]を守り続け
ると約束したんだからな」
・・・「・・・あんな約束しなければ[・・・]を巻き込まずにすんだかもしれないのにね、・
・・でも、・・・ありがとう」
その時、部屋の入り口が壊される音が響き二人は入り口の方を見た、そこには何体もの
魔物たちが獲物をついに見つけたとばかりに二人を見ていた。
・・・「フン、ついにここまできやがったか、多勢に無勢な状況だがおまえらなんかに、
[・・・]には指一本触れさせねえ!!」
鬼神の如く魔物たちに突撃していった俺は、最初の一振りで前に出ていた2体を、そのまま勢
いを殺さずに斬り返し奥にいた1体を叩き切った。
最初の猛攻で、魔物たちは怯んでいたがしだいに統率を取り戻し、じわじわと部屋の隅に聖女
と共に追い詰められていった。
・・・「クソッ、このままじゃまずいな[・・・]大丈夫か?」
振り返って確認を取ったが[・・・]なにかに集中していてこちらの声が届いていない様だ。
・・・「どうしたんだ?何を・・・ック!」
少し振り返っている間にも魔物たちは近くまで迫っていてもう一度振り返る余裕が無くなって
来ていた。
とうとう部屋の隅に追いやられ、もうダメなのかと俺が思い始めていた時にそれは起こった。
・・・「もうこの状況から私達が助かる術は無いと思うの、でも、この方法なら[・・・]だけ
でも助ける事ができる。この世界を見捨てる形になるけど、それでも私はあなたを助
けたい。」
・・・「何を言ってやがる、俺はお前を一生守るって約束しているんだ、俺だけが助かるわけ
にはいかない、助かるなら[・・・]も一緒に!」
・・・「ごめんなさい・・・、これは一人ににしか出来ないの、聖女の命を引き換えに使う魔
法・・・」
・・・「命を引き換えにって!!」
・・・「ごめんね・・・・でも安心して私の命はここで消えるけど、魂はあなたに宿ってずっ
と一緒にいるから」
・・・「[・・・]!!」
その瞬間部屋一面に光が広がっていった・・・
しばらくし光が収まった後には事切れた聖女と魔物たちだけがいた・・・
その後、その世界がどうなったかはもう俺には分からなかった、
そして、前世の夢が終わると再び闇が広がっていった・・・
初めまして、今回が最初の投稿になります。
文章などに色々と問題があったり、どこかで読んだことがあるような展開があるかもしれませんが、生暖かく見守っていただけたらうれしいです。