序楽曲
『ワイヤーは左右の腕両方に搭載されています」
そ、操作方法は!?
『操作方法は小機関銃、レールガンとは逆で手を上に折り曲げ、さらに手前に引きます。そうするとワイヤーが射撃されるので、すぐさま手を戻すとそれ以上は射出されず、掴むことができます。ワイヤーの戻し方は同じ手順、手を上に向け、さらに手前に引くことで戻せます。射程は100mほど。先端は銛のようになっていますが、ワイヤーを伸ばした先で突き刺したものを離したければ、中指を折り曲げると逆鉤が閉じ、離れます。ワイヤーは遠距離攻撃にも使えますし、突き刺して遠心力を利用して逆鉤(釣り針等、針が用意に抜けないようになってる所)を閉じて飛ばすということもできますね』
後は応用だな。
『次に簡単に外部武装の使い方を説明します。外部武装は生身で戦っているような操作方法です。以上。続いてポイントについて説明します。ポイントは味方の救援、補給物資の確保、運搬、敵の撃破数、空薬莢や機体の残骸を回収するなどで貯まります。当然、敵の撃破や残骸回収等は撃破した敵の強さ等によって変わりますし、残骸も質によって変わります』
要は経験値ってわけか。
『次は遠隔会話です』
これだ!クワガタともタクロウとも会話ができるぜ!
『遠隔会話の方法は損傷率と残り内臓兵器の下に空白があります。これが同時に会話している仲間を表していて、最大で50人、4つのパーティーと同時に会話できます』
俺、クワガタ、タクロウと会話しながらも残り3パーティーと会話できるってことか!要するに俺、クワガタ、タクロウで1パーティー目。第23中隊が仮に定員50人だとして、50人全員を2パーティー目、合同訓練のときの相手…たとえば仮に第24中隊を3パーティー目、合同訓練が2隊とだったときに、これまた仮に第30小隊を4パーティー目にできるってことだな?すっげぇ凝ってるじゃないか!1000JPには合わないぞこれ!
『設定方法は個人で会話したい場合は相手の名前を何番目のパーティーで設定するかを言ってから応答せよ、と呼びます』
おっしゃ、試してみるぜ!
「パーティー1、クワガタ、応答せよ!」
「こちらクワガタ。おお!こりゃすげぇな!」
『タクロウさんから応答せよ、と受信しました。応答するならばこちら(名前)、で応答します。パーティーを選択したければ、何番目のパーティーで設定するかを言ってからこちら(名前)と言います』
「パーティー1で設定。こちらラピスラズリ」
「こちらタクロウ。クワガタは?」
「タクロウのパーティー入り承認。いるぜ!すげぇなこりゃぁ」
「ですね。いい暇潰しになりそうですよ」
「な、言ったろ?」
「悔しいが認める。面白いぞこれ」
「だろだろ!はやく実戦積んで貢献ポイントで強化したいぜ!」
「僕もです」
『第23中隊から応答せよ、と受信しました』
「こちら第23中隊所属ラピスラズリ」
「こんばんわラピスラズリさん」
「こんばんわ」
「こんばんわ」
おお!これはすごいぞ!あ、でもパーティー間の会話を選択するときは…
『2パーティー以上を組んでいることを確認しました。パーティー選択は残り内臓兵器の下にあるパーティー1、パーティー2、パーティー3、パーティー4をタッチすることで音声無しで変えられるようになります。メインで設定しているパーティー以外のパーティー音声は小さくなります。そして音声ログも各パーティーを長押しで表示できます』
へぇ、便利なもんだな。
『パーティー名、第23中隊がクワガタさんに応答を求めています。承認しますか?』
「承認、と」
『承認しました。パーティーへの参加を拒否された場合、多数決で決められるのでご了承下さい』
こんな機能まであるのか!
「こんばんわ、タクロウさん」
「こんばんわ」
「こんばんわ」
パーティー1を押して、と。
「クワガタ、パーティー1がメインか?」
「おう、そうだが?」
「僕もですよ」
「ならパーティー2の音声はどれくらいの大きさだ?」
「聞こえないほどじゃないが聞き分けられるくらいだな」
「おなじです」
こうしている間にも音声が小さくなったパーティー2の会話が流れてきている。
『メインパーティーの変更を確認しました。パーティーの優先度を説明します。パーティー1、パーティー2、パーティー3、パーティー4が同時にある場合、残り内臓兵器の下にあるパーティーを並び替えることで設定できます。メインパーティーを最大ボリュームとし、優先度1をパーティー2、優先度2をパーティー3、優先度3をパーティー4にするとパーティー1の音声を聞き取りやすく、次にパーティー2の音声を聞き取りやすく、最後にパーティー4の音声が聞き取りやすくなります。各パーティーを長押ししながらすぐにスライドで設定できます。上から2番をメインパーティーにしても優先度1パーティーは1番上、優先度2パーティーは上から3番目になります』
すっげぇぞこれ!!
「こりゃ当たりひいたな!」
「だな!」
「……なぜこれほどまでのゲームが1000ポイントなのか…裏でなにかあるんじゃないですかね…怪しい」
「まぁゲームなんだし心配すんなって!」
「そうだな。VRゲーム機も強制ログアウトが出来るようになっているしな」
「そう…ですね」
『最後に演習訓練の終了の仕方を説明します。上空に出現した仮想敵のフォログラムを殲滅してください』
第23中隊をメインに、と。
「聞いたか?協力して仮想敵を撃破するぞ。まずは隊長をきめないとな」
「あなたでいいと思いますよ」
「そうか?異論がなければそれでいい。俺はワームだ」
「了解、ワーム隊長」
「いま説明が入ったが、DAVEを編成時の中隊の定員は30人だそうだ。これより6人チームを5つ作ってもらうが、いいか?」
「問題ない」
「まずは知り合い同士で組んでくれ。息も合いやすいしな」
おっ、この隊長いいやつだ。
「こちらラピスラズリ。知り合いはタクロウ、クワガタだ。残り3人余るが、誰かいないか?」
「こちらキミヒト。ヘルワンワンとパッキュンニューゲートが知人だ。よかったら組まないか?」
「もちろんだ。よろしくな、キミヒト、ヘルワンワン、パッキュンニューゲート」
「うむ。1チームできたようだな。チーム名を決めておいてくれ」
「了解、隊長」
「パーティー3、クワガタ、タクロウ、キミヒト、ヘルワンワン、パッキュンニューゲート、応答せよ!」
「こちらクワガタ」
「こちらタクロウ」
「こちらキミヒト」
「こちらヘルワンワン」
「こちらパッキュンニューゲート」
「よし、全員繋がったな。どうする?チーム名」
「こちらタクロウ。僕はなんでもいいですよ」
「了解した、タクロウ」
「こちらクワガタ。ちょっとかっこよくしようぜ!そうだな…たとえば、皆の名前使ってとか?」
「こちらキミヒト。おっ、それいいな」
「こちらゲート。それぞれのイニシャル取って、ヘラクパキタはどうだ?」
「こちらラピス。たしかにそうにもなるが…パキタが少しなぁ。ヘラクはすごくいいのだが」
「こちらゲート。ダメかぁ」
「こちらヘルワンワン。クリークというのは?」
「普通にいいな、それ」
「決まりだな!」
「了解。ラピス、隊長に伝えてくれ」
「OK」
パーティー2をメインにして、と。
「隊長ワームへこちらラピスラズリ。先ほど決まったチーム名を伝えていいか?」
「こちらワーム。構わない」
「こちらラピス。了解。チーム名はクリークとなった」
「こちらワーム。いいチーム名だな。参考にさせてもらおう」
「こちらラピス。了解」
パーティー3をメインに、と
「こちらラピス。伝えたぞ」
「こちらキミヒト。あぁ、確認したぞ」
「こちらクワガタ。キミヒト、ヘルワンワン、パッキュンニューゲート、お前らもこのゲーム、1000ポイントで買ったのか?」
「こちらヘルワンワン。そうそう。やっすいから暇潰しとしか考えてなかったけど、当たり引いたよな」
「こちらタクロウ。怪しいほどですがね」
「こちらラピス。タクロウ、さっきから怪しいとかいってるんだよな」
「こちらゲート。まぁ、俺も少しはそう思うが、ゲームって割りきっちゃえばいいだろ?」
「こちらタクロウ。それもそうですね」
「こちらラピス。それじゃ皆、これからよろしくな」
「あぁ、よろしく頼むぜ」
「おうよ!」
「よろしくです」
「よろしく!」
「よろしくな!」