学園3
教師達が学園長室を出て行ってから数分でドアがノックされた。
「失礼します、林原です」
「どうぞ〜」
光太郎の声に続いて部屋に入ってきたのは女性教師
黒髪ロングで整った顔立ちをしている、蓮也は彼女を知っていた
「蓮也君は知ってると思うけど一応自己紹介をしようか」
「最上蓮也です、よろしくお願いします」
「坂宮ヒナです、よろしくお願いします」
蓮也は自分でなれるために偽名で自己紹介をした
「はい、林原幸子です、二人のクラス担任をしますよろしくね」
幸子と名乗った女性はにこやかに笑いかけた
しかし蓮也は彼女の言葉に引っ掛かるものをおぼえた
「ちょっと待ってください、自分とヒナは同じクラスなのですか?」
「だって許嫁なんでしょ?」
そう答えたのは幸子だった。
「……身内の差し金か!」
よく考えれば同じクラスになることは容易に想像することができた、と蓮也は悔しがっていた。
悔しがっている蓮也の横を通り幸子はヒナに近づいていく。
「あなたがヒナちゃんね、二人の時は幸子さんでいいわよ、学園では林原先生って呼んでね」
「分かりました」
幸子はプライベートでもヒナと会うつもりなのかと蓮也が考えていると、幸子が蓮也に話しかけてきた。
「それにしても、蓮也君久しぶりねぇ」
「そうですね、何年か前の討伐戦以来ですからね」
少し古い知り合いとの再会だったため少し盛り上がっていたのだが。
「あの〜、話盛り上がってるとこ悪いんだけど、そろそろ教室に行ってもらえると嬉しいなぁ」
そう言う光太郎の顔は苦笑いをしていた。
「あら、そうですね、分かりました学園長、じゃあ二人とも行きましょうか」
幸子の後を追いかけるように歩いていると幸子が話題を振ってきた。
「それにしても、ほんとに蓮也君って歳が近い子には全く認知されてないのよねぇ」
「ん? 誰かに俺のことを聞いたんですか?」
「別に今は敬語じゃなくてもいいのよ?」
「いえ、今は一応学園内なので敬語にします」
「あらそう?」
「それで?なんで生徒に俺のことを聞いたんです?」
このまま幸子のペースに呑まれてはいけないと思い蓮也は無理矢理話を戻した。
「それがね? 蓮也君が転入してくるかもって学園長から聞いて、生徒に何気なく聞いてみたのよ、そしたら顔は知らないけど実力がなくて西条の恥だの、名家の恥だの言われてるのは知ってるって言う子達ばっかりで、その後学園長とも相談して、一つ蓮也君に頼み事があるんだけどいいかな」
と言ってくる、あの学園長の事だ断っても意味はないだろうし、意味が無いことはしない人なので申し出を聞いてみる
「できれば実力を隠さないで欲しいの」
蓮也はこの言葉に疑問しか浮かばなかった
「えっと、俺は実力を隠す予定はありませんが、別に無理に試験とかで結果を残さなくてもいいんじゃないかぐらいの考えです」
蓮也は周りの意見に惑わされたりしないので無理に試験でいい成績を残す必要はないと思っていたのだが、そう簡単にはいかないらしい。
「あのね? うちの学園って実力主義なところがあるから、クラス分けも実力で分けられているんだけど、私のクラスってAクラスなのよね」
幸子は苦笑いをした
「えっと、それはつまり?」
蓮也が恐る恐る聞くと、幸子は少し目を逸らしながら言った。
「学年でトップ生徒が集まるクラスです」
蓮也はほとんどの事を悟ったが一応聞く。
「それでなんで実力を隠すなと?」
「うちのクラスの子は少しプライドが高い子が多いというか、今まで転入生で最初からAクラスになった子はいなかったから、もしかしたら今日のうちに何回か対戦の申し込みが来るかも……」
納得した。
(どこのやつとも知らない奴が急に自分達の場所に乗り込んで来たら警戒するのは当たり前か)
「それにね? ほとんどの生徒が西条蓮也は弱いと思い込んでる、あなたが本当の実力を出す前に西条ってことがバレたら本当の実力を見せても納得のいかない生徒が多いと思うの、だから最初から強いってことを分からせていれば、西条ってことがバレてもみんなの認識違いってことで不満のある生徒は少なくなるんじゃないかなと思ってこういうお願いをしているの」
蓮也は少し考えたあとその申し出を受け入れた、が
蓮也はこう続けた。
「実力は隠しません、ですが俺は相手に合わせて力を出します、それなら文句ないでしょ? それに俺が本気だして生徒の未来を潰したくありません」
この言葉に幸子は驚いていた。
「あなたってそういうところちょっと変よね」
「褒め言葉として受け取っておきます」
そして蓮也とヒナはAクラスの前にやってきた