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突然の




「親父、植木ってもしかして植木光太郎か?」


植木光太郎、蓮也が苦手とする人物の一人であり、かなりの実力者である。


「そうだよ、彼は蓮也の本当の実力を知っているからね、蓮也と一緒の訓練を受けたヒナちゃんも呪霊学園に入れることになったのさ」

「おいおいマジかよ、でも親父、ヒナの了承はとれてないだろ?」

「そうだね、今了承をとろうか、ヒナちゃん、蓮也と一緒に学園にいかないかい?」

「蓮也と一緒の学校に行けるの?」

「そうだよ」

「ん、行く」

「……え、即答」

蓮也はヒナの即答に少し驚いた、

「私、蓮也のそばにいたい、だめ?」

この可愛い上目遣いをされると蓮也は断れない。

「くっそ、まんまと親父の策にハマった訳か」

「なんの事だかわからないねぇ」

「とぼけても無駄だよ! ヒナが俺に懐いてるをいいことに俺たち二人を学園に入れようとしてるんだろ!」

「さて二人とも、来週には転入することになっているよ、荷物とかの準備は前もってしておいてね」

「しれっと無視すんなよ」

「ん、わかった、蓮也一緒に準備しよ」

「あぁ、分かったよ」

もう、蓮也はどうにでもなれと思った。




蓮也が転入するのは来週であり、今日は土曜日、休日ではあるが転入するにあたり学校に説明を聞きに行かなければならない。

なぜなら、蓮也とヒナは特例の転入なのだから、しかしこれは蓮也にとって今はどうでもいい事だった。

その理由は1時間前に遡る。



「蓮也、ヒナちゃん、いきなりだけど学園側には君たちは付き合っていて、ヒナちゃんは蓮也の許嫁ということになっているからね」

「………は?」

「ん、わかった」

「………は!?」

(ちょっと待て、俺とヒナが付き合ってる!? 許嫁!? あとヒナ即答!? だめだ俺おかしくなったのかもしれない)

「蓮也、これにはちゃんと理由があるよ?」

烈斗の真面目な表情で蓮也も少しは落ち着いた

「聞かせてもらおうか」

「まず、ヒナちゃんは色々知らなすぎる、学園には葛葉ちゃんもいるけど、彼女だけだとフォローしきれないかもしれない、だから蓮也にもフォローをして欲しいんだけど、転入生の二人が最初から仲良くしていると普通に目立つ、そうなるといずれ一緒に住んでいることもバレる、バレた時に色々否定しては遅い、だから最初から付き合っていて許嫁で一緒に住んでいることにすれば、蓮也がヒナちゃんの隣にずっといても不自然じゃない、幸いにもヒナちゃんは蓮也に懐いているからね」

「……なるほど」

烈斗の理由は最もなものだった、だから従う他ないが、

「ヒナ、お前はそれでいいのか?」

「ん、大丈夫、私蓮也のこと好き」

「っ!?」

ヒナは蓮也が想像もしていなかった言葉を言った。

「おやおや、付き合っていることは設定じゃなくて本当ことにするかい? どうする蓮也、ここで逃げるのは男じゃないよ?」

烈斗は面白そうに言った

「……あぁ言ってやるさ、俺だってヒナのことは好きだよ!」

この言葉は嘘ではなかった、

ヒナ自身外見は非の打ち所がないくらい整っているし、一緒に生活していくうちに隣にいないのが想像できないくらいになっていた。


でも、まだ蓮也の心の中は一人だった。




少し前まで埋まっていたはずの隣の席が、今では空いている、

実際蓮也はその席に誰が座ってもいいと思っていた、しかし心のどこかで蓮也はあの人の帰りを待っていた、前までその隣の席に座っていた彼女のことを。

だから蓮也はあの時から一人を選んできた、しかし蓮也はこのことを言葉に出来なかった。

自分の隣の席に誰でもいいから座って欲しいという考えに心のどこかで肯定し、違う心のどこかで否定していた、だからこそ蓮也はヒナの気持ちに答えるべく頭の中で言葉を紡ぐ。



続く


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