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これから





蓮也は動揺しっぱなしだった、そんな蓮也をみて烈斗が真剣な表情で言った

「蓮也、彼女は記憶喪失だと思う」

この言葉は蓮也も考えていた事だったので驚きはしなかった。

「ここまで連れてきてくれたんだ、ここで、はい さよなら とは出来ないだろ、それに相談所にいってもいい生活ができるとは限らない、だから、一時的にこの家に住ませてあげようよ、部屋は空いてるから」

蓮也は、彼女がこの家に住むことを了承した。

「お嬢さん、名前はおぼえてないかい?」

「たぶん私、ヒナって名前」

彼女、ヒナは初めて質問に答えた。

「ヒナちゃんか、そっかいい名前だね、それじゃあヒナちゃん、君の部屋はこっちだよ」

と烈斗は部屋に案内する。


そして、ヒナに一通り説明をして、烈斗と蓮也の2人になった時、烈斗が真剣な表情で話し始めた、

「蓮也が彼女を見つけた場所は呪物討伐においての前線だ、私はヒナちゃんがただの女の子だとは思ってない、だけど、敵だとも思えない、だから、様子を見ておいてくれないか?」

「なるほどな、わかったよ」

蓮也は烈斗の説明に頷くことしか出来なかった、しかし、次の言葉は首を横に振りたくなるものだった。

「じゃあ、ヒナちゃんの世話は任せるよ」

(……は?今、親父はなんと言った?世話?様子を見るだけじゃないのか!?)

「おいおいおい、まてまて親父、俺にヒナの世話を?なんでだよ!」

「まあまあ蓮也、落ち着いて、ヒナちゃんは歳が分からないと言っていたが、外見から察するに蓮也と同じくらいだと思う、蓮也は同級生の友達が少ないだろ?いい機会じゃないか、仲良くしておくことに越したことはないよ」

この時、蓮也はヒナの世話というより烈斗が何かを企んでいる顔になっていることに不安を感じていた、しかし、今は素直に従った方がいいと考えたため、わかったとだけ伝えておいた。


蓮也は烈斗と別れすぐ、ヒナの部屋を訪れた、

「ヒナ、いるか?」

ノックをして声をかける、そうするとドアの向こうからぺたぺたとこっちに近づいてくる音が聞こえた

その直後、ドアが開き烈斗の与えた私服を着ているヒナがでてきた。

「ヒナ、今日から俺がヒナの世話をすることになった、よろしく」

少しぶっきらぼうだった気がするが、これが一番だと蓮也は思っていた、そうすると、ヒナは少し微笑み、「ん、こちらこそ」

と可愛い表情で答えた、だがこの日から蓮也は地獄のように忙しくなった、なぜならヒナが、

日常生活のことを全く知らないのだから。



最初の頃は箸の持ち方すら知らず、蓮也が一から色んなことを教えていくうちに、ヒナは蓮也に懐くようになり、蓮也自身久しぶりに忙しいながらも楽しい日々を送っていた、葛葉にもヒナのことは伝えており、2人はすぐに仲良くなり、今では休日に散歩やお昼を一緒に食べるまで仲良くなっている。



蓮也がヒナのお世話などをしている期間、烈斗は家にいることが少なくなった、なにか事情があるのだろうと蓮也は思っていたが、その事情が蓮也とヒナに関係している事だとは思ってもなかった。


ヒナが西条家に住みはじめてから、半月がたったそんな時、烈斗が蓮也とヒナな2人を呼び出した。


蓮也は何か嫌な予感がしていたが、気のせいだとその予感押しつぶし、書斎に来ていたそして、

烈斗から発せられた言葉は蓮也の予想の遥か上を行っていた。

「蓮也、ヒナちゃん二人とも学校に行きなさい」

「…は? いきなり学校? 俺は中等部もろくにいってないんだぞ? 今入ったら高2ぐらいにならないか? ついていけるわけないだろ」

「まあ、普通はそうだろうね、けど二人に入ってもらう学校は呪霊学園だよ?」

蓮也でさえ呪霊学園のことは知っていた、呪霊学園とは呪霊師(呪物討伐を育てる学校、正式名称 呪霊師教育学園)蓮也と同い年の呪霊師のエリートが集まる学校だ。

「親父、なんで俺がそんなとこに行かなくちゃならないんだよ、しかもヒナも一緒? 確かに、俺と一緒に呪霊師の修行はしてたし、なかなかの才能はあると思ってる、けどそう簡単に転入は出来ないだろ」

そう、ヒナは蓮也に懐いていた、だから蓮也の日々のトレーニングに興味をもち、蓮也と一緒に呪霊師の修行をしていたのである。

彼女曰く、呪物討伐をしたいとかではなく蓮也と同じことをしたいらしい、だがいくらこの数日、蓮也と一緒に修行をして才能を見せたとしても、そう簡単に呪霊学園に転入できるわけが無い、そう蓮也は思って烈斗に意見したのだが、それは無意味に終わった

「大丈夫だよ蓮也、呪霊学園の学園長は今、植木君が担当している」

蓮也は、その植木という人間を嫌というほど知っていた。


続く




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