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始まり





静かな沈黙の中、蓮也は言葉を切り出せずにいた

だからこそこのまま彼女が帰れると言ってくれたら楽だったのだが、

こんな場所にいて普通に帰れるわけが無いと蓮也は気づいてしまった。



とりあえず、蓮也は自分の家に彼女を招くことが1番手っ取り早いと思った。

「どうだ?移動できるか?」

そうたずねると、彼女は首を横に振り運んでと言わんばかりの表情をみせた、

蓮也自身も早く帰りたかったので蓮也は走り始めた。

美少女を背負って




帰りの道中蓮也は何も言葉を発さなかった

聞きたいことは沢山あったが、この状況では聞けなかった。

葛葉や烈斗になんて説明すればいいか考えているうちにあっという間に家に着いてしまった。


蓮也の家は、セレメント と呼ばれる大国の西側に位置する街にある。

その街の名はセグリチュア、かなりの呪霊実力者が集まる有名な街である。


蓮也は烈斗にどう伝えるか色々考えていたが

ありのまま話すことに決め書斎のドアをノックするのであった。


「親父俺だ、少し大事な話がある」

「蓮也か、早かったなお疲れ様、入りなさい」

「失礼するぞ」

蓮也に続いて女の子も書斎に頭を下げて入る、

烈斗は驚いたような表情を一瞬したがすぐにいつもの顔に戻った。

「親父、この子のことなんだけど」

蓮也は自分が助けた女の子のことを説明しようとするが、蓮也もなぜ彼女があんな場所にいて、呪物に襲われており、素直に蓮也の自宅について来たのか、何も分かっていなかった。だから、とりあえず彼女が襲われていて、そこに蓮也が割って入り呪物を一掃し、帰れないというから、ここまで連れて来たのだと説明した。



一通り説明が終わった時、烈斗から最もな考えが帰ってきた。

「別にうちに連れてこなくても、この街に家があるか分からないなら相談所とかに連れていけば良かったんじゃないのかい?」

(確かに………)

その時、蓮也は彼女の言葉を思い返していた。

蓮也が、帰れるか?と聞いた時、首を横に振った

それは、蓮也のような最前線に自主的に行くような人でない限り帰り道を知らないのは当然だ、

しかし、そうなるとなぜ彼女はあんなとこにいたのか、という疑問が大きくなる、

しかし、言えない事情もあるだろうと思い蓮也は彼女を帰らせることにした。

「悪いな、俺の家まで連れてきて、家まで送るよ」

蓮也が書斎から出ようとするその時、彼女が蓮也の腕を掴んできた、

「どうした?」

そう聞くと彼女は、信じられないことを言い出した

「家分からない」

「……え?」

一瞬蓮也は理解出来なかった。

(今彼女は家が分からないといったのか?)

「えっと、それは、帰り道が分からないのか?」

これで、うなづいてくれれば相談所にいくなり、街をさがして歩くだけで住むのだが、

彼女は首を横に振った、そして、更に凄いことを言い出した。

「何も分からない…」

「え、何もって、なにも……?」

蓮也自身もかなり動揺しており、何を聞けばいいのか

分からなくなっていた。

その時、烈斗が口を開いた、

「ねぇ、お嬢さん、家が分からないっていうのは場所のことかい?それとも家自体どこにあるのか分からないのかい?」

「家自体どこにあるのかわからない、どこに住んでいたか分からない」

と彼女は言う

烈斗は、そうか、とため息混じりにいうと

「女性に年齢を聞くのは良くないんだけど、歳がいくつか分かるかい?」

「わからない…」

彼女は少し、悲しそうに答えた、そうすると烈斗は、大変なことを言い出した

「ねぇ、お嬢さん、この家に一時的に住まないかい?」

またも蓮也は、烈斗の言っていることが分からなかった。




(……え?今なんて言った?この家に住まないかい?

なんだそれは、おい、親父!?)


続く


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