行ってらっしゃい
「ナツ、もうすぐだね♪」
「何かあったっけ?」
「ふふっ♪ 夏休みなのだ!!」
可愛い過ぎでしょ……
【キュンキュン♡】
「あのさ、ちょっと遠出したいなーとか……思っちゃったり……その……」
「……旅行?」
「……」
顔を赤くしてコクコクと頷くハナ。
両の親指をクルクルと回すその姿に、思わずこちらまで……
「あははっ、照れちゃうね」
「……いっぱい手、繋ごうね」
鼻血でちゃいそう。
【こうかは ばつぐんだ!】
◇ ◇ ◇ ◇
退屈な授業は終わり、放課後のカフェデート。
スマホの画面を真剣な顔で見つめるハナ。
「あんまり遠くだと困るかなぁ……ナツはどこに行きたい?」
「私は……ハナといられればそれで良いよ」
「ナツ……くっついていい?」
「……うん」
向かい合った席から隣に移り、ハナと密着する。相変わらずのいい匂いに、耳まで熱くなる。
「せっかくだから恋人っぽい所に行きたいなー……へへっ♪」
「……じゃあさ、ここにしない? 恋人岬だって」
「わぁ……行く!! ここに行く!!」
ホント、ハナは可愛い。
もうこの笑顔無しじゃ生けていけない気がする。
「あ、ここの宿なら空いてるよ。部屋の中に温泉があるんだって」
「入る! ナツと温泉だ♪」
「二泊しちゃおっか。予約……完了」
この前おじいちゃんからお小遣い(給料二ヶ月分程)を貰ったので、さっそく豪遊する。
まぁこれはハナの為でもあるし?
「へへっ♪ ニヤニヤしちゃう。ナツ大好き」
ほっぺに柔らかなキスを貰い、照れ隠しにコーヒーを一気飲みしてしまう。
駄目だ……幸せすぎる……
「ふふっ、愛の逃避行ってやつだね」
「ハナ、どこでそんな言葉覚えたの……?」
◇ ◇ ◇ ◇
【さぁ夏休み当日だ!! やらいでか!!】
邪魔しないでよ?
【ヽ(•ω• )ゝ】
やだやだ……
「ナツ、準備オッケーだよ。早く早く!!」
「はいはい、忘れ物ないね? じゃあ行こっか」
「ナツ、ん……」
目を瞑るハナ。
普段とは違い……少し化粧がされていて、より美しい。でもこの頬の赤さは……多分化粧じゃなくて…………ヤバい、可愛さが過ぎる……
【いやいやお主も負けておらんよ】
まぁ、恋する乙女ですから?
優しく唇を触れ合わせ、頭を撫でた。
「行ってらっしゃい、ハナ」
「ふふっ♪ 行ってきます」




