表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤き月夜の転移者  作者: R
2/2

2話 初めての異世界



目の前の光が消えるとテレビ等でしか見たことがない大自然が広がっていた。


「ここどこだよ…。」


女神に碌な説明もされず飛ばされたことに、少しイラつく伊月。


「時間帯は、太陽が上ってるから夜ではないな。とりあえず町や村がないか探すか。」

そう言うと伊月は周りを見渡し高い木を探す。

「あの木とか良さそうだな。」

少し離れたところに高くて頑丈そうな木を見つける。

5mほど登ると周囲を見渡す。

「こっちの方は山か。見た感じ特に何かあるわけではなさそうだが…。」

ふと下を見る。

「うわっ!高すぎだろ。落ちたら絶対死ぬよな。」

二度目の人生初まって即死は勘弁してくれと思う。

「ん?あれは…村か?」

かなり離れた所に村を見つける。

「見えるってことは行けない距離ではないのか。行くか。」

木から慎重に降りると見つけた村に向かって歩き出す。

「思ったけど女神には言葉は伝わったがここら辺で生きてる人たちには言葉伝わったりするのか?」

地球で言う外国だったらどうしようという不安が頭をよぎる。

「まぁ、その時はその時。」

余計な事は考えないようにしようと思う伊月であった。

「きっつ〜。疲れた。」

2時間ほど歩いて村のかなり近くまで来ることができた。

「あと少し、頑張るか。」

そこから数分で村の入り口に着いた。

見た感じ家が20軒ほどあり、その中に一軒大きな家がある。

そこでガタイのいい男の村人を見つける。

「すいませーん!」

声をかけると男がこちらに歩いてくる。

「何者だ?」

ギロッと男が睨む。

「実は俺、めが…じゃなくて、遠いあっちの方からきたんですけど。」

そういい適当に指を差す。

(危ない。女神に飛ばされてここに来たなんて言ったら、頭がおかしい奴と思われて下手したら殺されるかも。)

「あっち?という事はアルドラ王国の方か?」

「そうです!」

「お前、嘘をついているな?」

「いやっ、まさか、ハハハ…」

バレた。という思いが顔に出てしまう。

すると、男がイツキを柔道の一本背負いのような技をかけ地面に叩きけて、寝技で抑え込む。

「かはっ?!」

あまりの衝撃に肺から空気が押し出される。

「みんなー!怪しい奴がいるぞ!」

「ちがうっ!ただ聞きたいことがあっただけだ!」

男が叫ぶと、家の中の人や近くで作業をしていた者達がこちらに向かってる。

「アヴィン!どうしたの?!」

1人の女性が走ってこちらにやって来る。

「ローカ!村長を呼んできてくれ!」

「わかったわ!」

そう言うと女性は大きな家に走って行った。


アヴィンというのが伊月を抑え込んでいる男でローカが村長の家に走って行った女性らしい。


「だぁー!いつまで乗ってんだよ!いい加減離しやがれ!」

イツキがアヴィンの腕を振りほどこうとするがアヴィンの方が力が強く振りほどけない。

「お前みたいな怪しい奴を放ってとくと何をするかわからん!すまないがこうさせてもらう。」

アヴィンが抑え込む力をさらに入れる。

「痛ぇよ!ほねが折れちまう!」

押さえ込まれている伊月の関節がギシギシと軋む。



だんだんと村人達がアヴィンと伊月の2人を囲み、ザワザワと騒ぐ。


「すまんが道を開けてくれ。」

そんな時人混みの中からローカという女性と村長らしき老人が現れた。


「一体どうしたアヴィンよ。」

「村長!実は…」

アヴィンが村長に伊月を抑え込んでいる理由を話す。

「なるほどのぉ、」

「あんた村長か?なら上に乗ってるこいつをどかしてくれ!」

「お前さん、名前は?何しにここに来た?」

「名前は、長谷口伊月だよ!ここに来たのは事情があって来ただけだよ!」

また、適当な事を言ってこれ以上面倒になるのは嫌だったので本名を教える。

「ふむ。アヴィン、このイツキという少年を離してくれ。」

「で、ですが」

「そ、そうだ!離しやがれ!」

村長の言葉に便乗する伊月。

「うるせぇ!」

しかし、アヴィンに反論されてしまう。

「アヴィン。離すんじゃ。この少年は嘘はついとらんよ。」

「……分かりました。」

渋々、アヴィンがイツキを離す。

「いきなり、襲う事ないだろ!」

立ち上がり、伊月がアヴィンを睨む。

「お前が嘘をつくからだろ!」

アヴィンも伊月を睨む。

「とりあえず、ワシの家で話そうか。他の者達も戻ってくれ。」

村長がそう言うと、家から出てきた者や作業をしていた者達が戻っていき、イツキは村長の家へとアヴィンと村長に連れて行かれる事になった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ