陽だまりの睡魔
クルゥ「なんで太陽ってこうもポカポカしてるんですかねぇ〜。おかげで眠くなります。ね、師匠。」
師匠「そうですね。ポカポカという擬音語を理解することはまだできませんが、クルゥが気持ちよさそうに見えるので、なんとなく分かった気がします。」
クルゥ「え〜、師匠ってば私の様子から意味を考えないでください。まぁ、別にいいんですけど。」
師匠「しかしなんでしょうか。なんだか瞼が落ちてきます。」
クルゥ「あ、それですか。それは概念上[睡魔]というもので、感情では[眠い]と表します。」
師匠「つまりなんでしょうか?」
クルゥ「とてもリラックスされているようです、師匠。珍しいですね。」
師匠「[リラックス]は知っています。私はリラックスしているのですか。」
クルゥ「はい。師匠のリラックスした様子はあまり見たことがありません。お疲れでしたか?」
師匠「いえ、疲れてなどいないはずです。疲れてるといえばクルゥですよ。いつもいつもご主人たちに仕えて。本当に真面目ですね。」
クルゥ「師匠も真面目ですよ。いつも重たく考えすぎてますし。」
師匠「クルゥだけだ。」
クルゥ「嬉しい事言ってくれますね♪」
師匠「当たり前です。私はクルゥを愛してますから。」
クルゥ「likeですかloveですか?」
師匠「likeです。変なこと聞かないでください。」
クルゥ「すみません。」
………。
クルゥ「あ、あの師匠?」
師匠「何ですか?」
クルゥ「お昼寝でもしませんか?」
師匠「…いいですよ。さあおいでください。一緒に寝ましょう。寝れますか?クルゥ。」
クルゥ「何でくっついて寝ることが前提なんですか!?」
師匠「え……、」
クルゥ「あーっもう!そんな寂しそうな顔しないで下さい!一緒に寝ますから。多分寝れますから。」
師匠「はい。いい子です。神のご加護があらんことを。おやすみなさいクルゥ。いい夢を。」
クルゥ「神は私たちでしょう。まぁいいです。おやすみなさい師匠。」
暖かな陽だまりの中には、裏切りと呼ばれる二体の神が、静かに、静かに眠っている。