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君の隣。  作者: haru
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第15話

「ごめん!!」大きな声で和美が私に謝った。

私は和美のその姿を見てはぁ、と小さくため息をついた。

「謝るくらいなら最初からしない。まあもう過ぎ去ってしまったことだからなにも言わないけど。」


そういうと和美は少しキラキラした顔をして、ニヤニヤし始めた。

「それでー山岡さんじゃないですかー私何も聞いていませんよ?」和美が問い詰め始めた。

少し私はドキッとした。ついさっきまで一緒にいたし、今までのことを思いだしたら恥ずかしくなる。

私は自分の顔が赤くなるのを感じ取った。


「あれあれ?顔赤くしちゃって、これは何かありましたな?」

「あんた、反省する気ないでしょ。」私がそういうと和美はえへ、と言ってごまかした。

「とりあえず、飲み直そ」和美はそう言って松本亭に私を連れて行った。


松本亭に着いて、洗いざらい吐かされた私は、和美の意見を待っていた。

まあ、なんとなく和美の意見はわかる。


「山岡さんかーうん。なかなかいいと思うよ?いい男捕まえたじゃん。」そう言って和美はチューハイを口に運んだ。

「つ・・・捕まえてなんかないよ!!」必死に反論するも、無駄な労力。


「そんなの捕まえたも同然だよ。でもさ、美咲、夏樹のことまだ好きなんじゃなかった?」

和美のその言葉に私は何も言えなくなった。


夏樹のこと好きなのも事実。でも、夏樹には彼女がいる。それに、山岡さんに少し心を惹かれている自分もいる。

「・・・。呆れた。そういえば、夏樹彼女いるんでしょ?なら山岡さんと付き合いなさいよ。いつまでたってもその関係なら、いつか愛想つかされるよ?」

「そんなのわかってるよ!!でも、そんな中途半端な気持ちで山岡さんを傷つけたくないの!!」

「じゃあどうするの?そのまま何もしないといつまでたっても子供のままだよ?」


和美のその言葉に私はカッとなった。

「そんなことわかってるよ!!」そう言って私は松本亭を飛び出した。


美咲が飛び出した方向を少し眺めた。少し言い過ぎたかな・・・。

「・・・和美、なんであんなきついこと言ったんだ?」そう気まずそうに声をかけたのは竜馬だった。

「あたしも今そう後悔してる。でもさ、美咲には幸せになってほしいの。誰よりも。だからああやって言ってあげないと変わらないのよ・・・。」そう言ってあたしはカウンターに伏せた。


そういうと竜馬はクスッと笑って、あたしの頭をなでた。

「和美は優しいな。」その言葉を聞いても起き上がる気にはなれなかった。

そんなあたしを見て竜馬は後ろから優しく抱きしめた。

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