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君の隣。  作者: haru
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第1話

「絶対結婚しようね。」「うん。」

そう誓った私たち。あのころの私はとても輝いていた。

そうやって約束してから3か月で私たちは終わりを迎えた。


それなりに仲が良かったし、喧嘩したわけでもない。

それに、お互いに限界を感じたわけじゃない。浮気されたわけでもない。

不思議に思った。いったい何が原因なのだろうと。


いくら問いただしても理由は教えてもらえなかった。

「別れよう。」私はそう言って去っていく最愛の彼氏の背中を見つめることしかできなかった。


別れてから2か月が経った。私は仕事帰りに別れた彼を見つけた。

彼の隣で以前の私のような顔をしていたのは、私の会社の同僚だった。


あれから時間は経っているのにあの同僚の顔が頭から離れない。

やっぱり私は彼に浮気されていたのかな。それで私のこといやになってあの子に乗り換えたのかな。

別れてから半年が来る。


私はまだ忘れられない。ねえもう少しだけ、もう少しだけでいいからあなたのこと好きでいていいかな?


「小川さん。この書類任せてもいいかな。」「かまいませんよ。」

私の名前は小川美咲。この会社のOLだ。


パソコンに向かってモクモクと、仕事を進める。

いつものこと。毎日同じことの繰り返し。決まった時間に起き、決まった時間に寝る。

日中にすることは少し変わるけど私にとって大した刺激ではない。


最近は幸せってなんだっけと、よく思う。

私にとっての幸せは彼といることだった。「はぁ。」

ため息が出る。


「そんなにため息ばっかりついてると幸せが逃げていくわよ。」

横から声をかけられた。

「和美。」私に声をかけたのは会社に勤め始めてからできた私の親友、森田和美だ。

「美咲最近ため息増えたわね。それにお肌も荒れ気味よ。まだ20代前半なのにそんなんじゃ男できないわよ。」「大きなお世話よ。それに私は男ができないんじゃなくて、作らないのよ。好きな人がいるから。」パソコンに向かいながら答える。


「好きな人ってあいつ?いい加減忘れなさいよ。可愛いんだからすぐにいい人見つけれるわよ。」

「そういう問題じゃないの。彼以外にいい人いないと思っちゃうのよ。」

はぁーと、和美は大きなため息をついた。さっき私にため息つくなっていったのに。


「そんなに愛してるのねー。なんで夏樹はこんないい子をふっちゃったのかしら。」

「・・・」

夏樹とは私の元カレ。つまり、「彼」にあたる人だ。

杉本夏樹。それが私の好きな人。


「ごめんごめん。そういうことは言わないほうがよかったわね。今日飲みに行かない?」

「どこに?」「松本亭。」

「松本亭か。」

松本亭とは私たち行きつけの飲み屋だ。

会社の近くにあって、会社の人間がいない絶好の穴場なのだ。


「いいでしょ?今日は飲みたい気分なの。」

「またふられたのね。いいわよ。朝まではだめだけど、付き合ってあげるわ。」

「ありがと。後で社内メールするわね。」

「了解。」


彼女とは部署が違う。私は広報部、彼女は総務部だ。私たちは互いに用事があるときには基本社内メールを使う。例外はあるが。

ピロリ。メール、和美からだ。

『今夜6時にあがるから、会社の玄関のいつものところで待ち合わせねーよろしくね♪』


久々の飲みで私はこの後の仕事を頑張ったのだった。

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