18、書き終わったぜ! そのあとに
はい、色々と注意点が多かった序盤、特にやることがなくひたすら忍耐の時だった中盤、そして勢いで書きながらもそれなりに大変だった終盤を書き終え、ようやくすべて書き終わりました!
はい、これがいわゆる「脱稿」と呼ばれるものです。
やっほほいのほい! これで終わりだぞ!
そう思っている人はいませんか?
でも、ピリオドをつけた先にも作業が残っています。今日は、そのお話です。
人間というのはどうしても万能ではないもので、所々でポカをやらかします。いわゆる「てにをは」の間違いから始まって、句読点の位置や誤字脱字といったものです。また、長編になればなるほど、文章そのものにその日のコンディションが出てしまいます。なんとなく筆が進まなくてイライラしている時に書いている文章は総じて流れがよどんでいるものです。また、どんなに気をつけていても、「あー、あれを説明し忘れた!」ってことはけっこうあるのです。なので、そういった問題点を拾いだして、改善してやる作業が必要になります。
これが俗に、「推敲」と呼ばれる作業です。
ただ、初めて小説を書いた皆様に大幅な推敲はお勧めできません。
よく、プロの小説家さんなんかの話を聞くと、「いやー、推敲段階でめちゃくちゃいじりまくっちゃって別モノになっちゃいましたよハッハッハ」なんてこともあるそうですが、それは、上手い人だからできることです。誤字脱字の訂正なんていうのはそんなに気を遣いませんが、それこそ構想レベルにまで関わってくる推敲となると、いくつも小説をものにした経験や話の構造を把握してその構造がもたらす効果まで見通すことのできる審美眼がないと出来ないのです。逆に、初めての皆さんがそんな大幅な変更をやってしまうと、せっかく組み上げた小説がばらばらになって推敲地獄に落ちてしまいます。
なので、推敲はできるだけ小さく行なった方がベターです。
それに、推敲って作業はすごくつまらない作業です。
何を作っているわけではありませんし、数ヶ月前の自分の仕事を見て凹む時間でもあります。そのくせやることが多いので、なんとも足踏みしたような気分になります。わたしはこのエッセイにおいては、あくまで「一作目、二作目について悩んでいる皆さん向けに」書いているので、常に「楽しく書いて下さい」と言っています。
なので、ここでの結論は極めて簡明なものとなります。
要は、「推敲ってあんまり面白くないので、適当なところで切り上げちゃいましょう」ということです。
ぶっちゃけ、推敲をやるにしても、誤字脱字を改めていって、日本語として意味の通じない文章を直してやればそれでいいと思います。いや、最初から完璧なものを作りたいという気持ちは分かりますが、最初から完璧なものなんて作れないものです。もし出来が気に食わないのならお蔵入りにして次回作を作ればいいのですし。
とにかく、最初は面白く作ればいいんです。