16、終盤部分での注意点①
実は、中盤での注意点などほとんどありません。なんでかというと、中盤は序盤で稼いだ勢いのままに書くしかなく、もしも勢いがなくなってきたとしても根気で乗り切るしかありません。正直、中盤においては「がんばってください」としかエールを送れないんです。
でも、そうやって中盤をなんとか乗り切ると、ついに終盤部分がやってきます。
実は、終盤を書くのはすごく楽しいです。
どういうことかというと、作品の中に盛り込んだすべての謎や伏線が一つの糸にまとまっていく感じになるので、これまでの苦労が報われた! となるんです。わたしも相当量小説を書いていますが、思えばこの終盤を作る楽しさを知っているからこそ小説を書いていると言っても過言ではありません。
でも、実は一番難しいのは終盤だったりします。
終盤を書いている最中は、本当に無我夢中です。
勝手に手が動きます。マジで。
自分が想定していたものが一気に目の前に明らかになるんですから、楽しいったらない時間です。
そういうとき、案外、人っていうのは手元がお留守になっているものなんですねー。
どういうことかというと、序盤、中盤に盛り込んでいた謎とか伏線の回収を忘れちゃうことがあるんですね。
そんな馬鹿な! って思いません? でもあるんですよ。終盤に入るととんでもない勢いがついてしまって、あの伏線を回収し忘れた! とか、あの謎が結局解決しないままで終わっちゃった! とか。もちろん、それが小さな伏線だったり謎だったなら別に捨ておいても何の問題もないんですけど、もし大事な伏線・謎だった場合、目も当てられない事態になってしまいます。最悪、意味不明な作品になっちゃうんですね。
それを防ぐために、構想があります。
あそこでああいうことを言わせる予定、あそこでああいうことが起こる予定。そういうことをまとめておけば、あああそこでああいうことが起こったから、最後にしっかり説明しておかないとな、となるわけです。
なので、終盤を書く際には、
①読者側に説明するべきことをまとめておく
②それをどういう順番で書いていくかを決めておく
とやっておくと、喋り逃しがないのではないかなーと思います。