14、そろそろ「長さ」を意識しはじめよう
なんとなくお話の全体像が見えてきて、「小説書いてるなあ!」という気分の中にいるのではないでしょうか。是非ともそうあって欲しいなあと願っている今日この頃ですが、この状態のあなた様に、一つ意識しておいていただきたいことがあります。質問させて頂きます。
このお話、どのくらいの長さになりそうですか? と。
小説というのは、長さによって分類があります。
短い順から、
掌編(原稿用紙換算にして数枚)
短編(原稿用紙換算にして~100枚くらい)
中編(原稿用紙換算にして~300枚くらい)
長編(原稿用紙換算にして~500枚くらい)
大長編(原稿用紙換算にして500枚~)
となっています。
ちなみに、「原稿用紙」換算というのは、小説あるあるです。公募の規定とか編集さんとのやりとりの際、文字数よりも、「原稿用紙~枚でお願いします」という風に指定が入ります。原稿用紙は一枚400文字なので、もし原稿用紙でイメージできない人は枚数に400を掛けてください。文字数が分かります。(大いなる蛇足ですが、脚本の場合、原稿一枚が200文字の場合が非常に多いです。将来、脚本のコンペなんかに参加なさる際にはご注意ください。)
実は、想定される小説の長さによって小説の書き方まで変わってきてしまうんですが、初めて小説を書くあなたにとっては正直どうでもいいことです。長さに合わせて書き方を変えるというのは中級者のテクニックなので、その辺りは何作か書いてから模索してみてください。
じゃあなんで小説の長さを意識させるんだ? という話になります。
実は、小説の長さをイメージしておくと、すごく楽だからです。
お話を進めていくにあたって、全体像から眺める作業は欠かせないものです。たとえば、ハリウッド映画なんかですと、事件が起こるタイミングについて、分単位での黄金パターンが決まっているといいます。映画という「商売」にあっては、そのノウハウでお話の山と谷を作ってるんですね。
じゃあ、小説は?
小説の場合、映画とは違って長さを自由に出来ます。その代わり、自分で山と谷を考えなければなりません。なので、事件の起こるタイミングなんかも自分で配分してやる必要があります。
そのため、どのくらいの長さのお話なのか、というのを自分の側で理解しておいた方が、そういったペース配分がしやすいんですね。
ほら、ゴールの分からないマラソンを走らされるのよりは、終わりが見えている方が幾分か気は楽ですよね。それ程度のことだったりします。