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〇日目
大王道「くっころ騎士」です。
お楽しみください
蝋燭の炎が揺らめき、影が硬い石の床を這い回る。
空気は冷たく湿っていて天井から落ちる水滴が不規則なリズムを戦慄を奏でていた。
「くっ、殺せ。いくら拷問しても意味などないぞ」
低く澄んだ声が、淀んだ地下牢の空気を震わせた。
その声の主は鎖で繋がれ、身体はボロ切れのような布をまとってはいたが、高潔な意志を感じさせる黄色の目はギラギラと輝いていた。
その囚われている騎士の名はヴェリア。
帝国に対し無謀とも思われた戦争を今も続けているのは彼女の圧倒的な武力があったからだ。
と帝国兵の一部では噂されている。
その肌は日に焼け、その身体はボロ切れから伸びる手足から見ても力強さを感じさせる。
髪は夜の闇を溶かして染めたように黒く
帝国兵からは「鬼神」や「黒豹」などと畏れられていた女だ。
殴られても、蹴られても、鞭を浴びせられても、彼女の口からは何も情報を得ることの出来なかった軍部は、尋問官の交代を余儀なくされる。




