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第十四章7 【覇王杯/オーバーロード・カップ/河池 祈清チーム】5/訳あり美少女マッドサイエンティスト1

 【河池 祈清】は、訳ありのマッドサイエンティストと呼ばれる事がある。

 彼女は、【悪女】である。

 よい子では無い、悪い子だった。

 よい子では居られなかった。

 よい子では生きて居られなかった。

 生きるためには、闇の組織のために悪いことにも手を出していた。

 人体実験。

 人道を外れた行為。

 それに手を染めていた。

 だが、それをしなければ今頃、生きては居られなかった。

 そう言う人生だった。

 彼女は、【デザイナー(DESIGNER)ベビー(BABY)】として生を受けた。

 母親は、【芳一】の初恋の相手、【河池(かわいけ) 妃鞘(きさや)】享年21歳である。

 【妃鞘】の人生は最悪だった。

 男に騙され、闇の組織に売られ、モルモットの様な扱いを受けていた。

 余りにも酷い仕打ちを受けていたので、その苦しみから逃れるために、父親が誰だか解らない子供を身籠もる事になった。

 そして、その子供の遺伝子をいじり、誕生後は自分の代わりに組織のためのモルモットとして、売り渡したのだ。

 その母親は、酷い事を娘に強いてしまったが、人間誰しも苦痛から逃れるためには、その非情な選択をする可能性を持っているものだ。

 その後、精神に異常を来した【妃鞘】は、21歳で若い命を散らす事になる。

 生前、幼い娘のために残した言葉が、【芳一】との淡い思い出である。

 恋愛は成立しなかったが、お互い何となく気になっている様な雰囲気は感じ取っていた。

 それが、【妃鞘】にとっては人生で一番幸せな時間だった。

 それを娘への救いの言葉として、映像も含めて残していたのだった。

 母親の【妃鞘】が急逝した事により、【祈清】は、組織の元で育てられた。

 モルモットとして、様々な人体実験を受け、彼女は【解離性同一性障害】/【多重人格障害】となった。

 また、その辛すぎる人体実験から逃れるために、彼女は人体実験を受ける側からする側にシフトチェンジしていく事になる。

 【デザイナーベビー】として生まれた彼女は知能指数がとても高かった。

 だから、自分の有用性を示す事で、その苦しみから逃れようとしたのだ。

 自分が助かるために他者を傷つける。

 その負のスパイラルから逃れられなかった。

 そして、それは生きるためには仕方のない事だと自分で自分を納得させていた。

 【芳一】の作品に出逢うまでは・・・

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