第十四章63 【覇王杯/オーバーロード・カップ/浮重文 笙虚チーム】11/特唯現類(とくゆいげんるい)とオンリー・コレクター7
【笙虚】は、【特唯現類】の1体、【戦力・戦闘力】に分類される、【ディアフィオナ】を起動させた。
【ディアフィオナ】には意思がある。
『見てみてぇ~【おばさま】。
これ、お花だよぉ~
楽しいねぇ~』
と話してきた。
【ディアフィオナ】は巨大ロボット型の【特唯現類】となる。
ただし、これが【特唯現類】として認定されるのには訳がある。
【笙虚】は、
『そうかな?
よく見てみて?
それは、お花ではなく、お魚っていうんだよ』
と言った。
【ディアフィオナ】は、
『へぇ~、そうなんだぁ~。
【おばさま】、教えてくれてありがとう』
と言った。
一見、無邪気な【叔母】と【姪】の会話にも聞こえる。
だが、【花】だったものを【魚】に変えて見せたのだ。
触れた物事の存在を変える。
それが、【ディアフィオナ】に付与されている力となる。
これと同じ様な効果をもたらす能力という物は多数、存在している。
ただし、【ディアフィオナ】と全く同じ法則でやっている能力は存在しない。
そう言う事である。
他の誰にも真似をする事が出来ない。
(ただし、【超越】などの人智を越えたもの?はその限りではないかも知れない)
それが、【特唯現類】なのである。
【ディアフィオナ】のやった事を考えれば、その取り扱いは非常に危険なのである。
なので考えて使用しなければ、自分の身も、惑星だろうと宇宙だろうと崩壊するきっかけにもなり得るもの。
それが、【特唯現類】である。
だからこそ、誰にでも取り扱えるものではなく、使用者を限定している。
その使用者としての条件をクリアしたのが、【笙虚】なのである。
【笙虚】は、
『あまり、派手に遊んじゃだめよ。
良い子にしてなさい』
と声を掛ける。
【ディアフィオナ】は、
『はぁ~い、【おばさま】。
解りましたぁ~』
と明るく返事する。
恐ろしい力を持った物が軽く答えるのには違和感を持ちつつも凄みが増しているのであった。
【特唯現類】は取り扱いが非常に困難なため、中継は以上とさせていただく。




