第十四章42 【覇王杯/オーバーロード・カップ/彩綾 絢チーム】15/バーチャル・エネミー11
【ニィナニナ】の【シチュエーション・バグ】も、
【宇宙戦争】、
【狩り】、
【試験会場】、
【Eスポーツ】、
【カラオケ】、
を経て最後の6つ目の【シチュエーション】に切り替わる。
最後は、【裁判対決】だ。
【絢】は【検察官】、【ニィナニナ】が【弁護人】である。
殺人事件が起きて、その被告人を【ニィナニナ】が弁護し、【絢】は、被告人を死刑という求刑に持っていくと言う戦いになっている。
こんなの10分で決着が付くわけがない。
決着が付かなかった場合は、被告人の罪が結審する事にはならないので、自動的に敗北が決定する。
【絢】は、
『異議を申し上げる。
こんなの勝ち目が無いじゃない』
と言った。
【ニィナニナ】は、
『あらそ・・・
じゃあ、最後の勝負は、別のにチェンジするわ』
と言って、7つ目の【シチュエーション】を追加し、チェンジした。
7つ目は、【百人一首】だった。
【百人一首】と言えば、対戦は一対一でそれぞれが取り札100枚の中から無作為に25枚ずつ選び、自陣に並べ、読手が読む短歌の上の句を聞き、相手より先に下の句の書かれた札を取ると言う勝負だ。
これは【絢】には絶対に勝てない勝負だった。
【祈清】のコピーであるため、【日本の血】を持っている【絢】だが、【百人一首】はやったことがない。
【百人一首】は上の句と下の句を覚えないと勝負には勝てない。
よって、【絢】の敗北は決定的だった。
勝負は一方的なものになった。1試合は8分くらいかかるので10分でも決着が付くと思われがちだが、札を並べたりする時間もあるので決着は付かなかった。
1つ、増え、7つのシチュエーションを体感した【絢】に対して、【ニィナニナ】は、
『どうだった?
楽しかったかしら?』
と言った。
どうやら、【ニィナニナ】は戦っているつもりは無く、遊んでいるつもりだったのだ。
【絢】は、
『ふざけた真似を・・・』
と言った。




