第十四章41 【覇王杯/オーバーロード・カップ/彩綾 絢チーム】14/バーチャル・エネミー10
【ニィナニナ】が用意した6つのシチュエーション。
【宇宙戦争】、
【狩り】、
【試験会場】、
【Eスポーツ】、
と来て、5つ目は・・・、
『じゃあ、私から歌うね』
と言う【ニィナニナ】。
どうやら今度は【カラオケ対決】の様だ。
どちらか先に100点出した方が勝ちの様だ。
どうしよう。
【絢】は歌手ではない。
そのため、【歌】がそれほど得意という訳では無いのだ。
上手く歌うコツの様なものはあるだろうが、それでも100点を出す自信は全く無い。
そうこうしている内に、【ニィナニナ】が歌い終わった。
次は【絢】の番である。
【ニィナニナ】は、
『【絢ちゃん】は何を歌うの。
やっぱり、流行物で行くの?』
と聞いてきた。
得意ではないと解ってからかっているのだ。
【ニィナニナ】の得点は96点である。
どうやら、いつでも100点を出す自信がある様だ。
【絢】にも歌わせるためにわざと一部の音程を外して得点を下げた様だ。
必要以上に極端な歌い方をした部分があったからその部分を差し引かれたのは明かだった。
【絢】は、
『・・・あ、あの・・・
あうぅっ・・・』
としどろもどろになっていると、【絢】は、
『【絢ちゃん】の苦手分野、はっけぇ~ん』
と言った。
【絢】は私は一体何をしているんだ?とは思いつつ、このシチュエーションに逆らえない。
これが、【謎】の力の強制力で行われているのは本能的には解っていても、相手を倒すと言う意識が固定され、どうしても逆らえない。
これが、【謎歪虚】と言う脅威なのだと実感するのだった。
そうこうしている内に、
【ざぁんねぇん・・・
時間切れだ。
【絢ちゃん】の歌、聞きたかったなぁ~】
と【ニィナニナ】がつぶやいた。
そう。
【ニィナニナ】がフルコーラスを歌った後、【絢】はすぐに歌わないと10分などあっという間に過ぎてしまうのだ。
だが、今回はそれで助かったと言えるだろう。
このカラオケ勝負だとどう考えても彼女に勝ち目は無かったからである。
そして、最後のシチュエーションに切り替わる。




