第十四章33 【覇王杯/オーバーロード・カップ/彩綾 絢チーム】6/バーチャル・エネミー2
【絢】は翌日、全く別の存在になった。
その名は、【チョーカ】。
【超過】から由来が来ている存在だ。
【チョーカ】は、
『ふっ・・・面倒なこった・・・
わざわざ、敵対するために俺が産み出されるとはな・・・』
とつぶやいた。
【チョーカ】は翌日、本体から切り離され、【絢】と敵として戦う事を知っている。
だから、そうつぶやいたのだ。
【チョーカ】は初めから、【敵対する存在】として存在設定している。
だから、チームメンバーにも友好的ではない。
【チョーカ】は、
『おい、酒持ってこい』
とメンバーに言った。
チームメンバーの【彩綾 文】(【絢】のプロトタイプのボディ)プラス【満貢群の実力者1】は、
『あんた、本当に【絢】なの?』
と聞いてきた。
【文】は【絢】と同タイプなので、実力もそれなりにある。
【チョーカ】は、
『あぁ、そうだ。
俺は、【彩綾 絢】だった者だ。
今日、一日は俺が【彩綾 絢】だ。
まぁ、【絢】に今日は大人しくしていろと指令が来ているんでな。
今日一日は大人しくしておいてやる。
だが、明日はお前等をぶっ殺してやるから覚悟しておけよ』
と言った。
【文】は、
『解ったわ。
酒だったわね。
何が良いの?』
と聞いた。
『酒に分類されるものなら何でも良いが好みとしてはアルコール度数が高いものが良いぞ』
『酒についてはあんまり詳しくないけど、【スピリタス】と言う【ウォッカ】の一種が、95度から98度らしいわ。
それで良いの?』
『あぁ、じゃんじゃん持ってきてくれ。
飲めば飲む程、俺は強くなる』
『何それ?
酔拳とかいうやつ?』
『恐らく違うな。
俺はいくら飲んでも酔わん。
酔った状態が強くなるのではなく、アルコールの成分そのものが俺のエネルギーになる。
どうせなら強い俺と戦いたいだろう?
今日は強くなるために、じゃんじゃん飲ませてもらう。
それでかまわんな?』
と言う話になっていた。




