第十四章32 【覇王杯/オーバーロード・カップ/彩綾 絢チーム】5/バーチャル・エネミー1
【絢】は、【ヴィンテージ・ボディー】と言う自由に鮮度のある身体と入れ替える事が出来る。
それは名前を変える事により、全く別の存在になる事が出来ると言う力となる。
例えば、
現時点で【彩綾 絢】と言う存在になっているが、
明日は、【結城 光】と言う全く別の存在になり、
明後日で【彩綾 絢】と言う存在になる事により、明日の【結城 光】とは全くの別の存在になる事が可能なのである。
その力を使って、明日一日の【結城 光】と言う存在を【自己縁切り】する事により、【彩綾 絢】とは関係の無い別の存在として、切り取る事が出来るのだ。
つまり、その力を利用して、一時的に全く別の【存在】になり、それを【自己縁切り】して、討伐する姿を【識者】に評価してもらおうと言うことになったのだ。
【絢】の身体は、【超態至】と【謎歪虚】と【超様謎】の基礎理論を元に作られているので、【自己縁切り】した【肉体】は、【仮】の【超態至】と【謎歪虚】と【超様謎】と言う事になるのだ。
もしも、【覇王/オーバーロード】になった場合、(実際には以下に示すカテゴライズは異なっているが)【超態至】や【謎歪虚】や【超様謎】の様な敵と相対する事にもなる可能性があるので、実戦方式で、力を示すにはこれ以上ないアピールだと言えるのだ。
敵を作るのに多少時間はかかるが、自分自身を使った1人2役のアピールが出来ると言うのもこの【ヴィンテージ・ボディー】を持つ者の利点と言えるだろう。
ちなみに、この【ヴィンテージ・ボディー】と言う力は【祈清】が開発に関わった、【浮重文 笙虚】と【ヴィナフェリア・エクセリア・トゥルーヴェリティ】にも採用されている。
自分ではない自分を作る方法は色々あり、例えば、腕を回して、円を作り、その円の中に手を突っ込むと無数の腕を色んな角度から出現させて攻撃出来る【能力】を持っている怪物くらいの姿は割と簡単になることが出来るのである。
まずは、試しに1体作って見て戦って見ようと言う事にした。
最初に挑戦するのは、【超態至】としての部分である。
そもそも、【超態至】とは何か?
それについて考える。
【超態至】とは【絢】を生み出した【祈清】の考えでは【超えている】と言うことである。
何を?
それは、通常の状態を超えていると言う意味である。
つまり、通常の何かを超える状態の何かを生み出すと言うことになる。
簡単に言えば、何かが特別に特化している者を生み出すと言う事である。
それをふまえて【絢】は、翌日、別の存在になった。
別の存在と簡単に言ってしまってはいても簡単に生み出せる訳では無い。
最低でも、まる1日、別の存在として過ごさなければならないのだ。
メンバーにもそれを伝えている。




