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第十四章21 【覇王杯/オーバーロード・カップ/河池 祈清チーム】19/実験(無有変)

 次に【祈清】が研究するのは、【無有変(むゆうへん)】だ。

 【無有変】とはそれまで【無】だったものから【有】へと変化して出てくるものを指している。

 元々は無なのだが、それだけではすまないものが【無有変】とよばれるものである。

 例えば相殺して0になっていた2つの物が、プラスとマイナスのエネルギーとして顕現かされると言うものであり、【対消滅】などを引き起こすものとなっている。

 それは滅びを司るエネルギーとなると言われており、プラスとマイナスが合わさり、ゼロになる現象に巻き込まれたら消滅してしまうという事である。

 そもそも、【無】とな何か?

 【無】とは何も無い状態の事であり、本当に何も無い訳ではない。

 わかりにくいと思うので簡単な算数で説明しよう。

 何もないと言う状況は0個で現される。

 リンゴが0個、

 ミカンが0個、

 桃が0個、

 スイカが0個、

 メロンが0個、

 何でも良い。

 とにかく何もないから0個で現される。

 いや、マイナス面でも分かり易い様にお金にしよう。

 全く持っていなかったらその者は0円所持している事になる。

 それに対して、100円稼ぐとプラス100円になる。

 また、100円借金しているとマイナス100円になる。

 【無有変】の状態は、100円所持しているけど、他の人に所持金と同額の100円を借金しているので、この者の財産は0円と言うことになる。

 これが【無】の状態である。

 それに対して、【借金】を肩代わりしてもらったり帳消しになった場合、マイナス100円が無くなり、所持金の100円が出てくる。

 これが、【無有変】が顕現された状態と言うことになるのだ。

 つまり、無いと同じ状態だったものが、特定の条件。

 この場合、借金が無くなった事により、現れた100円こそが、【無有変】なのである。

 つまり、【無】とは存在していないのと同じ状態になっているということであり、それが何らかの原因で、表に出ることになったものが【無有変】と呼ばれるものである。

 また、少々わかりにくい表現かも知れないが【対消滅】で巻き込まれると消滅してしまうと言う事は、借金を肩代わりした相手も借金を背負うことになり、共に所持金がゼロになったと同じ状態になる事で証明される。

 この様に、身近にある事柄を通して、【祈清】は普通の人にも理解しやすい形で、【無有変】について意味を再理解しようとしていたのである。

 これもまた、頭をひねって考えていた。

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