第十四章15 【覇王杯/オーバーロード・カップ/河池 祈清チーム】13/実験(超様謎)
次に、【祈清】が挑戦するのが【超様謎】である。
最初の定義では、【最強】のカテゴリーだったのがこの【超様謎】である。
超えていると言う事を指す、【超態至】、
謎めいていると言う事を指す、【謎歪虚】、
この2つを合わせたものが最強だと信じて疑わなかったが、【芳一】との会話でどうもそうではないらしいと言うことがひらめいてしまった。
3大定義だと信じて疑わなかったのに、気付いたら14大定義にまで増えてしまっていた。
【出鱈目】であると言うことが増えた時、彼女の確信は揺らいだ。
まだ知らない世界があるんだと思い知らされた。
だから、本来であれば、究極の到達点として目標にしていた【超様謎】は、通過点に過ぎないと思い直している。
また、繰り返しになるが、【超様謎】もまた【超態至】や【謎歪虚】と同様に、
【ロスト・ゴースト/失われた亡霊】/【虚幻の遊夢】/【彩綾 絢】、
【浮重文 笙虚】、
【ヴィナフェリア・エクセリア・トゥルーヴェリティ】、
の3名を生み出すのにおいて、偶然、上手く行っている。
だが、それは【応用】がたまたま上手く行っているのに過ぎない。
実際は、解らない事が多すぎる。
定義としても【超様謎】は【超態至】と【謎歪虚】の要素を足せば済むと思われがちだが、実際は全く違う。
【超越している事】と【謎めいている事】は全くの別物である。
その2つを融合させれば、【超様謎】になる訳ではない。
別の何かが加わらないとその融合自体が上手く行かないのだ。
簡単に考えれば、【謎】は隠しているのである。
その隠れているものが【超越】によって大きな力を持てばそのエネルギーで見つかってしまい、それは【謎】ではなくなるのだ。
だから完全にでは無いが、この2つは矛盾しているのだ。
そのため、単純な足し算では無いと言うのが研究で解っている。
これも基礎の基礎から研究をしなおす必要がある。
隠さないと行けないものを大きなエネルギーを持たせたまま隠すにはどうしたら良いのか?
見えているけど見えないでは求めている【謎】では無くなる。
それは別のカテゴリーになるからだ。
解は【謎】でなくてはならない。
そうで無ければ、【超】であり【謎】でもある【超謎】は成立しない。
そう言う感じで矛盾との戦いとなるのである。