やはりトレーニングルームか
トレーニングしたら殴りに行く予定です。
あの化物を倒すにはまずレベルが足りない。体力も足りなければバリアを張ったり飛び回ったりするマナも足りてない。レベルを上げないととても届かないだろう。そこを足すにはやはりトレーニングルームか。
久しぶりにハクスラするかな。ダンジョンだとアイテムドロップとかは美味しいんだけどやっぱりレベル上げには足りてないんだよね。一日のエンカウントが五十回でも現実にはなかなか辛い。普通は休憩も挟むしな。メシ休憩や睡眠はあまりにも時間を食いすぎる。この世界の冒険者なら火の準備から始めようと思ったら二時間くらいかかるはずだ。だからたいてい干し肉とかで済ませている。
私の体とトレーニングルームの場合ごはん休憩もトイレ休憩も睡眠も、なにより強敵のナワバリから逃げたり適切な相手とのエンカウントまでの時間も必要ない。これだけで普通の五倍は稼げるしその上でクロック数は千倍。一日に五千日間のトレーニングを可能とするわけだ。反則もいいとこだな! 某漫画の修行部屋くらいハンデがないとと思うけどまあ私がもらったチートスキルだからな!
……なんで星のんに優遇されてるんだ? 確かに神様は友達だから悪口を言うヤツはブチのめすとか言ってたけど。人間って自分本意すぎるんだよ。世の中は別に人間に誂えられたわけじゃねーし。調子に乗りすぎてるとそのうち滅びるんだろうな。まあ星のんは別に滅びてもいいと言ってたが。だって他にもいくらでも人類様生物や知的生物の星はあるらしいからな。自分たちが滅びたら神様も困る、とか本気で思ってたらあっさり滅びると思う。望むか望まないかで人生に結果が出たことなんか一回もないぞ。もっと慎重に考えろよな。そう思ってたら人とつきあえなくなったわ。破滅的な考えに触れたら怖いじゃん。本人がそれと理解してないのが怖い。理解しても滅べばいいと言うならそいつから死ねばいい話だからな。世界滅ぼすのは難しいけど縁を切るのは簡単だ。私は人が滅びるのは嫌だな。人間はそう悪くないよ。
コンピューターがそろそろ人間を超えてくるんだから議論してなくちゃダメなんだよね。人の存在意義を保つ方法を。まあ私が吠えたとこでもう異世界だし無駄だろうけど。ただコンピューターのペットみたいに生きるのかね? それもまたいいけどね。ただ人工授精の試験管ベビーを合法にしないと本当に滅びるから移民とか言ってないでそっちを進めるべきだわ。時代が変わってんのにそこはまだ昭和の価値観なんだよな。コンピューターがいい子を育てられるならそっちのほうがいいだろう。親がそばにいないから人間が学べずに子供が殺人を犯しても心を動かさない人間になるんだしな。そういう意味で主婦でも主夫でもいたほうがいいと思うぞ。うちのオカンはずっと家にいたぞ。酒飲んでソファーに転がったり男連れ込んでソファーでやったりしてた。私がヒザ抱えて壁際で座り込んでるとこでそれだぞ。どんな変態なら親を愛せるんだ? 無理だ。ただクズと言うものは理解できたわ。子供に無関心なヤツは総じてクズだ。
まあそれは置いとこう。私の精神衛生に悪い。トレーニングルームか〜。
「おや、なにを、悩んで、いるのかな?」
「黒うさぎで腹話術やめろミネルバ遅れて聞こえてくるのは古すぎるだろあと普通に上手えなってか念話使えよなんて面倒なヤツだ面白いけど」
「生を全身で表そう!」
「クネクネ気持ち悪いダンスやめろ黒うさぎが真似すんじゃねーか黒うさぎ無視してお茶飲んでるよほっこりだな!」
「息継ぎすれば? ばりばり」
「息継ぎできるくらいわかりやすくボケてくれませんかねセンベイかじるな粉こぼすんじゃねえよ?!」
星のんの劣化コピーみたいなヤツだから仕方ないが常にツッコミを期待してボケてくるんだよな。ツッコミきれんわ。まあコイツがいないと適切なトレーニングができないからな。今回はなんだ?
「マージユニットで軍隊戦闘ゲームを考えてみた。この光るソフトボールみたいなのが弾を撃つんだけどニ種類あるそれそれをいろいろな組み合わせでマージしていったらパワーアップできます。パージもできるので用途によってマージしたりパージしたりしよう。ユニットはエリートモンスターを撃破したら一個増えます」
「スマホアプリみたいな設定だな! まあ楽しめそうだけど!」
最初に二種類合成して三種類、それを合成して六種類の武器になるらしい。こういう計算は苦手だわ。私高等数学はわからんよ? 数学が嫌いだから文系って人多いけど実は数学って経済とか商業とかで使うし理系で使わない触れないこともある。実験室にこもってる理系なんて滅多にいないし海外だと理系文系なんて区別しないとか聞いた。当たり前だけど人の得意不得意なんてそんなに厳密に分けられるもんじゃないしね。勉強しない理由付けでしかないわな。必要になった時に勉強しなおすほうが時間の無駄だから高校の勉強くらいは好き嫌いしないでやっとくといい。時間を上手く使えば星のんみたいに一日一時間しか勉強しないのに常に学年トップとか化物みたいになれるからな。私はニートでいいんだよ。疲れるの嫌だし遊んでいたいし人嫌いだしな。
さて、ストレス発散のゲームモードでトレーニング! 舞台は立体的でパルクールサバイバーみたいな感じになってるぞ。マージユニットは着いてきてるな。見えない手を伸ばすイメージで捕まえて操作するのは魔術と同じだな。マージユニットは宝箱からも取れるらしい。とにかく自分も戦いつつユニットを増やして軍隊に向かっていく感じだ。楽しそう! トレーニングは楽しくないとね!
敵の軍隊もいろいろ混成でワラワラ出てくるな。狼やゴブリンやスライムもいる。マネキンみたいなのもいるな。ゴーレムの弱いやつだな。この混成はなかなか厄介だ。死の風とかあんまり経験値入らないんだよな、ゲームと違って。だから殴り合いできる敵はありがたい!
「おっしゃらあっ! 行くぜ!」
「行ってら〜」
気が抜けるわ! 左右から飛びついてきた狼の首を一振りで落としつつ前に走り込む! この辺りはすでに何千回も繰り返してるやつだ! 大柄なオークもいるが飛びながら首ハネて終わり! 空箱みたいなのを蹴り壊したらマージユニットが出てきた。これをマージしていけばいいんだな。赤ユニットと青ユニットがメインでこれを組み合わせた赤ニ個、赤青、青ニ個の三通りができる。赤単独だと光る弾を発射して青単独だとユニットがぶつかっていく。赤2個は平行に弾を放ち、赤青は治癒、青2個は大きな青い金属質な盾になる。面白い!
赤赤赤はレーザーで赤赤青は散弾、赤青青はダメージ有りのバリアで青青青は体当りした相手を凍らせる。たまに黄色いのが出るが三十秒全部の攻撃が雷撃を伴うようになる。私の攻撃も雷を放つぞ! カッケーし爽快だな!
赤四、赤三青一、二個セット、赤一青三、青四はそれぞれ強力なレーザー、拡散レーザー、敵陣を飛び回りつつレーザー、周囲を回転する円盤、強力なバリアだ。シューティングゲームみたいだな! ややこしいので感覚でマージしていくぞ。マージできるのは四つまでで全種類同時展開もできるぞ。なんかゴチャゴチャしそう! 四つの上に黄色もマージできるけど触れたら痺れるぞ。攻撃力倍増だ。
マージしてない青球を十個くらい浮かせて周りのゴブリンとか吹き飛ばしまくる。私のマナ基準で威力上がるので一撃でミンチだぞ! これだけで勝てるが?! 強くなりすぎたな。
「じゃあメタルゴブリンね」
「出たな、ダンジョンにしかいないタイプの非現実モンスター!」
全身金属なのに流動的に動けるとか意味がわからんだろ。人間とかもそうだが生物の大半はほとんど水でできてるんだぞ。ハビタブルゾーンの基準が水が液体であれることだったりするのはそのためだ。生命活動をするのに最適なのは水が液体であれること、タンパク質が変質しないことなどの条件があって地球みたいな環境になるのはすごくまれなんだよな。地球が生命に誂えられたみたいに見えるのも無理からぬくらい生命の誕生は十分に奇跡だ。金属が入ると生命活動するには重くて硬くて扱いが難しくなりすぎる。それでも鉄を殻にする生き物もいれば人間の肉体、特に血液にも鉄が含まれている。地球も実は鉄の惑星だしな。だから全身鉄の生き物がいそうだと思うのかも知れないがそもそも殻はそれ自体が運動しない硬いものだし血液も主体は液体だ。金属主体の血液じゃ酸素交換が十分にできないし炭素系でない生物は遺伝子を組んだりする過程がまず起こらない。複合的な鉄の遺伝子を持ったロボットみたいなものを作ろうと思えばできるかも知れないが自然発生するには難解すぎる。そして金属はほぼ常温では固体なので液体を含む生物とは違う構成になる。つまり人間や普通の生物の形をわざわざ取る必要がなくなる。金属生命体が全くいない理由は固体は流動しないからだ。それを取り込むには流動する何か液体の部分が必要になる。他の物質と化合したり宇宙で最も多い水素を利用して安定して液体の形を保つには水が最適だ。そのため水素と酸素に近い炭素は化合して気体になることで流動性を得て生物の発生と発展に向いていたわけだ。ケイ素は酸化すると固体になるからな。そもそも地球の原子のバランスがたまたま生命発生に向いていたから地球で生き物が生まれただけで誂えたなら他の星も誂えればいいだけ。人間は勝手に発生しただけなんだよな。
まあ炭素系生物しか存在しない理由を説明しようとしたら小説一本分書かないと説明しきれないから割愛だ。金属生命体が人間が活動できる温度帯で柔軟に動けるわけないだろ、くらいでいいか。それこそググったくらいで理解できるはずがないよな。それこそが知性だなんて言うつもりはない。知らなくても生きていけるからな。ただ別に金持ちじゃなくても幸福には生きていけるんだ。生物はそうできてる、そう知るだけで生きやすくなるだろ?
というわけでマージしまくったレーザーユニットを複数配置してファン○ルみたいに飛ばす! ちなみにファン○ルって漏斗って意味だったりする。最近ロボットアニメってなんか面白いのやってるのかね?
戦争を嫌うのはいいけど戦争を学ばないのは戦争を呼ぶことになるぞ。嫌戦は国を滅ぼす工作でよく使われるしな。今がどんな時代でも人を奴隷にしてくる奴らはいなくなってないだろ。忘れることは危険なことだ。足元に穴が開いてるのを忘れるバカはいないか? わりといるように思うがな。なので戦争アニメは私は否定しない。悲しみや苦しみも忘れていいことなんかない。ただ耐えられなくなったら目をそらしている時間もあっていいと思うけどな。忘れなければいい。
この世界はガチで戦争戦争なんだよなぁ。とはいえ地球も常に戦争してるしなぁ。世界から戦争をなくするのは難しい。一国の村人には不可能な話だ。今の私にもできることじゃない。力だけでは外交もままならん。政治とかは勉強していたけど民主主義って衆愚政治って古代ギリシャの時代には失敗した民主主義って言われてたんだよな。政治に無関心というか無知な人たちが一票を持ってるのが民主主義だ。民主主義は首相や大統領が数年ごとに変わる。それで投票する人間が扇動を受けやすい国民だと一生のうちに必ず間違いが起こる。自分で勉強しないで右へならえはやめてもらいたいもんだがそれがわからないから衆愚政治って言うんだろうな。まあ民主主義が悪いという話じゃなくてどんな政治形態でも間違いは起こるし突き当りがあるってことだな。
なので政治の勉強を最低限しておくのは有権者という政治家の仕事なんだよな。なので私は調べるぞ。だっていくらなんでも四十年も間違いが起こり続けてるんだから仕組みがあるんだろうなとは考えるじゃん。煽動者の言ってることに正しいことは必ずあるけどやってることには正しいことなんて一度もないからな。自分の主観で他者を動かしてるんだから身勝手だろう。まあこの世界では政治形態がどこもまるきり違うんだよな。でも概ね議会政治になっている。主権者は様々だけど。四天王とか十二神将とか神が上に立ってお飾りとしてたまに意見はしている感じでやっている。逆らっても勝てないのもあるがこの大陸の人たちは自分たちの国を治める偽神たちを本当に神として扱っているわけだ。……日本の政治に近いのは偽神たちが元日本人ばっかりだからな。まあイルマタルの趣味なんだろう。魂を集めてるのは星のんもやってるがこの星の主体はイルマタルだからほとんど全権を持ってる。
天使は元々は星のんのサポートみたいなものだったがそこからイルマタルに権限が移ったんだよな。なのでイルマタル以外がギリシャ神話系列の名前になってる。イルマタルは研修中みたいな神様なのかもしれん。世界をゲーム風にするとかわりと無茶してる。まあ逆らったところで意味がないし世界に文句つけたって立場や環境が自分に合わせたものにはならんだろうな。当たり前だけど神も世界も個人のためには存在していない。神様にお願いしてどうにかしてやろうとしても幸福にはなれないだろうな。
それこそ神様の友達なら我儘も多少聞いてくれるし神様が見えなくてもどこかで手助けしてくれるんじゃないかね。星のんは世界のすべての場所にいるらしいぞ。火山の中だろうがブラックホールの中だろうが。まあいる意味もないらしいけど。世界に意味を持たせられるのは知恵ある生き物だけだ。必然世界は知恵ある者が支配する。人間の時代を終わりにしないために考えないとな。
よし、恒例の考えがそれたところでハクスラ再開だ!
マージユニットをある程度集めないとな。宝箱というか空き箱とか木を切ったら出てきたりするらしい。木をどうやって切るんだろう。前にも思ったが生木は簡単には切れないぞ。薪とかなんて乾燥してるからな。例えば氷に歯が立つのか、ってことだ。水分が密集してるってことはそういうこと。厳密には結合してるわけではないけど隙間だらけの固体と中がみっちり詰まった固体なら後者の方が摩擦とか反作用も大きくなるよな。横並びより縦並びのほうが突破しにくいってことだ。世の中ってこういう当たり前が積み重なってできてるから難しく考えても沼にハマるだけなんだよな。視点を変えてみたらパズルとかするっと解けるだろ。
生木の切り方はだから……マナを割り込ませて分子間力を逆のベクトルに変えてやることだな。そうするとスルリと勝手に割れるはず……なんだが厚みがあるから割り込めないぞ。どーすんだこれ。
なるほど、マナを先行させて分子に逆向きの力をかけるわけだから物理的に押し分ける必要はあるがマナで全体を切断しきれるか十分に相手の強度が働かなるくらい深く届かせればいいわけだ。物質は強度で自重を支えているが切断して残った部分の強度が全体の重さを支えきれなくなると勝手に崩壊するわけだ。木の場合は折れる。斧と一緒だな。半分も切ったらいいわけだ。
よっと、原理的には切れないものはなくなるんだけど当然ながら対象にもマナがあり精霊がいて反発してくる。相手の中にマナを突っ込むにはその一点に七百倍以上のマナを込めないとダメなわけだ。これはとんでもない量に思えるけど一点に集中するというのがポイントだ。針で突けば薄い鉄の板にも穴は開く。同じことだな。その一点に集めるためにも剣のような武器を介する必要があるわけだ。慣れたら指先でも行けそう! しゃうっ!とか言って切り刻むんだな! なんと! いや、若い人には伝わらない。なぜか昭和ネタ受けるんだけどな。
さて、木を切る方法もわかったんであとはやりまくるぞ!
なんか泥人形とか毒ガエルとか蓮の花のオバケみたいなのを倒していく。泥人形の足をハネて倒したら核をマナを込めた足で踏み抜く。カエルの腹を割いて蹴り飛ばし別のカエルの顎に突きを入れて抜きつつさらにもう一匹を袈裟に切り払い正面の泥人形にドロップキックをカマしてしゃがんでから横から走り込んでくる木の枝みたいなモンスターたちに体当たり型のマージユニットをいくつも叩き込む! うむ、なかなかによいぞ!
☆きいろメモ☆
このお話は自分が書く設定の基礎を形にするために量子論まで考えて(理解してるとは言い難いですが)設定を作ってますけど読めるように書いてないので読みづらいところはあるかもしれません。なんでも有りにしても物理を無視しすぎるのが嫌なんですよね。それに書けば書くほど自分も理解してないことが多くて楽しく書いています。




