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無人島

 見切り発車なので途中で長めに休むかも知れませんがよろしくお願いします。楽しんでいってね。ちなみに科学重視にしているのは裏技的なものが出た時に矛盾が生まれにくくするためです。マナの設定がまだ少し怪しいんですけどね。そこは都度修正します。



 はい、やってきました無人島。青い空に白い雲、白い砂浜に遠浅の碧い海。波はなぎ気味、ゆったりと穏やかだ。たぶん内海なんだろうな。二つの陸地に挟まれたいくつもの島の群れのひとつ、って感じだ。防波堤とか港とか消波ブロックのような人工物はない。潮は引いていて砂浜が遠くまで伸びている。優しい波がたぷりたぷり、と光を跳ね返しつつ砂浜に打ち寄せてくる。透明度は高い。カモメみたいな海鳥がたくさん鳴いてるな。いいねえ。


 あー、潮風が気持ちいいわ。磯の香りは苦手な人もいるかも知れんけど私は好き。まあ海藻や魚の腐臭なんだけどね。足元は雪のように白い砂浜がサクサクと音を立て、押し寄せた波が泡立ってはざざ……と引いていく。


 遠くには岩場もあるようで磯釣りができそうだ。のんびりするなあ。なだらかな波はキラキラ輝いて、水平線も見えるし、ヤドカリやカニも歩いてる。なんかドラゴンとかいないかな? 海にもクラーケンとかいたりして。船は見えないな。漁船くらいは見えそうなものだが。遠くに見える陸のあたりには船があるのかな。目は老眼入り始めてたけど今は良くなってるな。服装は白いコートだ。フードを被ったら姿を認識しづらくなるやつらしい。こういうのは有り難いな〜。靴は白い革靴、コートの中はブラウスとハーフパンツだ。誰の趣味かな?


 日差しに穏やかな波が光る。あの波の下にはいろいろな魚を始め、たくさんの生物の営みがあるんだろう。海は大好きだ。海が好きすぎて海際に引っ越したくらいだからな。生前の住処は目の前に堤があってその向こうはもう海だった。防波堤もあってやっぱり波は穏やかで。嵐の時は水浸しだけど。外に出かけられなくなるんだよな。


 すう、と息を吸う。改めて見返す。季節は春の終わりくらいか。


 柔らかく包むような風、潮の香りと音、透けるような青い空、透明度の高い海。水平線の向こうには陸らしきものが見える。人類の生活圏からそんなに離れてはないらしい。なんとなく水平線のカーブがゆるい気がする。地球じゃないんだなー。頭にインストールされた情報によるとこの星には大陸が十もあるらしい。ここは北半球にある大陸で比較的温暖な土地のようだ。大陸プレートが三つほど交わっていて地震や火山活動もそこそこあるらしい。温泉も自然に湧いてそうだ。太陽は東から登り西に沈む。金星なら逆なんだったか。自転が公転より遅かったり、金星は地球に近い星の一つだがとても独特な星だ。ちなみに太陽の周りを回る公転は地球のそれより短いんだよな。一日や一年の長さが違う宇宙の他の星ではどこを基準に年を取るんだろうな?


 この星からもビーズくらいの大きさに見える惑星がひとつ、他に恒星(太陽と呼ぶことにする)側に四つほど、逆側に十個ほどあるみたいだ。程というのは惑星と認識されるかどうかの基準が人間だからだ。この星の人類に惑星かな?くらいで研究されている星がいくつかあるようだ。惑星の基準、同じ軌道にその惑星規模の星があれば準惑星になったはずだ。冥王星なんてなかったんや……。


 いつか望遠鏡買っちゃろ。買えるかな? ハビタブルゾーンが広くて他の惑星にもこの星、惑星パトリアに似た生命体がいるらしい。遥か未来には渡れるのかなあ。楽しみだなあ。


 宇宙もいいよなー。自然や世界そのものには生まれた頃から興味があった。生まれた瞬間とか胎児の頃も微妙に覚えてるんだよな。やたら苦しかったことだけだけど。三歳以前のことは普通の人はあまり覚えてないらしいけど近所の家の並びとかどこに誰が住んでたかとか、引っ越したのが六歳になる春だったとか、いろいろ覚えてる。まあ頭はいいか悪いか、比べる相手がいなかったからわからん。このくらいの年なら普通かもな。二歳くらいの頃は当たり前かもしれないが引きこもりだったし母親にせがんで新聞読んでたのは覚えている。この頃はまだオカンもまともだったんだよなあ。三歳ころは温泉の記憶とかあるな。ふだんは隣のおねーさんの家に遊びに行ったりしてた。まあ隣で何かあればわかるくらい壁が薄かったからか放置されてたな。四歳の頃はだいたい入院してたなあ。三輪車で骨折したんだよね。……だから、生まれた頃から外に、世界には興味があったんだよなあ……。


 世界が綺麗だ。違う世界でも海は良い。空も綺麗な青だし雲も速いなあ。そう言えば大気成分もほぼ地球と同じなんだよな。ある意味ファンタジーだけどファンタジー殺しだな。代わりに知識チートが唸るけど。まあ魔術に魔法もあるし十分ファンタジーもあるか。


 後ろを振り返れば防風林のように松みたいな木がたくさん生えている。針葉樹は生えてるが広葉樹が主体で寒いわけでもない。緑の匂いが好きだ。虫の声もするな。小さな生物もいる、と。モンスターしかいない世界とか嫌だぞ。魔物というと人間も魔物に分類される世界なのでモンスターと呼ぶらしい。明確には地球人とは違うみたいだけど遺伝子や内臓なんかの構成はほとんど同じ。まあそもそもの物質が次元から違うけど。なのでそんな類似性があるのは十分ファンタジーなんだよなあ。


 言葉を意味と共にインストールされたおかげでいろいろわかる。リンゴ、とか、文字だけだと何のことか普通にわからないだろう。例えばこの世界にはモンスターと呼ばれる人間を襲う習性がある動物のような脅威がいることがわかる。他には神を名乗ってるヤツとかもいるらしい。関わる気はないけど向こうが来たりしそう。こういうのは絶対絡んでくるよな。お金の単位とかもだいたいの物の価値もわかる。いろいろ情報が頭の中でゴチャゴチャしてるので一ヶ月くらいは引きこもるかな。早速使ってみよう。


「【マイルーム】」


 星のんにもらったスキルを使ってみる。どうやら心の中で唱えればいいらしい。でも言ってみたくなるよな、ステータス!とか。


 おっと、唐突に白い部屋に視界が移った。潮の香りも波の音も虫の声も肌に優しい風も消えた。このスキルの使い方もある程度インストールされてるな。


 この部屋は情報世界という物質世界と平行に存在している世界に自分という情報を移しているらしい。エネルギーは情報がないと存在しないのでこの世界にすべてを移すと元の物質世界からもエネルギー、ようするに物質は消えるようだ。エネルギーを情報として保存していると言ったほうが合ってるか。情報には物理的大きさがないので情報世界では超光速でも動けるらしい。まあ情報が動かせるだけで物質そのものは動かせないのでマナが存在しなければあんまり意味はない。自分のコピーを地球の裏側に瞬時に作るくらいのことはできるか? 魔法発動の距離を自分から離すにもマナの移動が必要らしい。その際は光速は超えられないようだ。威力は距離に反比例する。摩擦による減衰も起こる。無理だな。


 このややこしい仕組みは魔法により物質が発生したり消えたりしても核反応が起こらないための仕組みだそうだ。聞いてて思ったが確かに質量が失われたら莫大なエネルギーが発生するな。物語の世界の魔法ってどうなってんだろうな?


 この世界の魔術はマナによりそこらへんを情報世界への変換と還元で行っているそうだ。ちなみに意図して核反応も起こせるらしいが防御手段が構築できないならやめておいた方がいいな。核に耐えるようなその防御手段使えばあらゆるエネルギーをマナに変換して消したりできるんじゃね?と思ったが最後はマナ量の押し合いになるらしい。どっちにしても核なんて味方巻き込みそうだし使えないけどそこはやりようがあるらしい。


 そもそもの魔術というのが力のベクトルをマナにより操作しているからこそ雷は相手にだけ落ち、爆発は相手だけを吹き飛ばし、引力は相手だけを引きつけるわけだ。この仕組みだと力や物質はマナでコントロールできるな。魔法使いが最強になるわけだ。このあたり星のんには異様に理解が速いって言われるんだよなぁ。人と頭の使い方の方向が違うだけで記憶力は泣くほど低いんだけど。


 魔術については基本の四属性と言われるものはこの星では物質の四態として研究されているらしい。人間に都合のいい分類でしかないが。基本四属性と言えば火、風、水、土だが言葉の意味どおりのことを指してない。それぞれ、火は光や電気やプラズマに熱などのエネルギー、風は気体、水は液体、土は固体を操作する魔術でゲームとかで光魔法や雷魔法と言われるものはこの世界だと火の属性の派生だし、重力魔法と言われるものは土属性で固体を操作して地面に押しつけているだけ、となる。そもそも重力二倍になったら星が自重で潰れるよなー、とかはよく思う。質量操作魔法ならわかるんだけど。まあうるさいって思われるから言わないけどさ。エネルギーは普通三次元方向に作用するんであらゆる物理的な力、エネルギーは周りにも影響は出る。この世界ではそれをマナで指向性を持たせているから魔術の形が実現する、ということなんだけど。本来は魔術しかなかったところにシステムを作り簡便に魔法として使えるようにしたらしいんだ。この星の女神イルマタルが、だな。


 私はこういう話はワクワクするけどだれがこんな話聞くんだ? 私だけ教わってるとかかも。面白いからこのテキスト読んどけ、みたいな。星のんがたまに無茶ぶりしてくる件。専門用語はわからんて。


 しかしこの空間ホントになにもないな。天井の高さは五メートルくらいある。縦横は十メートルほどだ。壁は真っ白。扉が遠くに二つ。後ろを見ても扉はない。外に出ようと意識すると地図上の場所と元いた砂浜の映像が丸い球体状のスクリーンになって浮かぶ。これで外が見れるわけだ。マイルームに入った地点はポインタとして記憶されどこからでもそのポイントに飛べるらしい。更に詰んだ状況を避けるために一キロまでの距離ならポインタから離れている場所に移動もできる。移動してポインタを移し替えるのを繰り返せば長距離の行ったことがない場所へのテレポートも成立するらしい。何百キロにもなったらめんどくさくて仕方ないから空を飛ぶかも。ポインタは今は十個置ける。数はお金で増やせるようだ。ひとつ三十五万グリンか。現在のレートは一グリンが十五円。五百万円超えるのか。たっか。


 なんでお金の情報があるかというと、そう、通販スキルに近いものを用意されている。それが商談室!


 ……その前にステータスとか見とくか。慌てるなんとかはもらいが少ないからな。あの言葉の意味は自分の都合のみを押し付けて理不尽な要求をする者は嫌われるから結局損する、みたいな意味らしい。理不尽と上から目線は嫌われるからなあ……。


 自分がそうなってないかはいつも気にしてる。人といると孤独を感じるっていう性質のせいで自分が相手を不快にさせてないかはいつもピリピリしてしまう。口には出さない。利用されるからな。見せかけの自分はだいぶん傲慢だと思う。でも対人は本当に共感疲労とかで辛いんだよ。相手の顔色を見過ぎてるらしい。……親がクソだったせいだな。


 うちの親は両親とも早死にしたんだよね。暴力もあったが暴言というか叫びや愚痴がひどかった。詳細は思い出すと卒倒しそうになるのでやめとこう。最後にはオヤジは浮気して出ていった先でガンで早世してオカンは足と頭をアルコールにやられて介護が必要になった挙句に認知症でさんざん迷惑をかけられて最後には施設でくたばった。やれやれとしか思わんな。別に親に愛情なんかないなあ。愛情を求めてはいたんだろうけど、そんなだからね。愛想が尽きた。


 私は普通は人を見下さないけど人を見下してるヤツは見下す。それは誰でもだよね。いい上司は指示はするけど命令はしない。命令しないと動けないのは困るし大まかな指示は出すけど細かく煩くは言わない。そもそも無駄な手間だよね。命令してくるヤツは昔から嫌いだ。上司でもこっちが仕事してなかったら叱るけど仕事してるぶんには指示してくるだけの人の方が動きやすいよな。仕事自体は楽しいもんなんだから。勉強だってそうだ。ゲームしたり漫画を読むのが苦手なヤツなんてほとんどいないがあれも立派に学習だし仕事だ。金にならないだけ。やりやすい形ややりやすい量でわかりやすくやれば脳ってのは元々知識を蓄える器官なんだから病気でもなければ普通に学ぶし仕事するんだよな。いい生活を送りたいなら楽しむという脳のシステムを利用するんだ。


 そういうわけで環境を調えるのはとても大事だ。逆に怠けたり私みたいにアルコール依存症になった人間は支えないことが治療になることもある。自分から考えて動かないとなにもできない状態になれば変わるしかなくなる。貶めたりはしてはいけない。プレッシャーは与えないことだ。自分で気づくから。ウツだったら放置はできないけどその時は逆にそばにいて向こうのペースで話を聞くのがいいそうだ。まあ酒はやめさせるんじゃなくて遠ざける。隠し酒とかしはじめるからな。監視はしなくていいし飲んでるのを見つけたらお金がどこから出たか聞いて源泉で止める。酒はどう悪いかは勉強するべきだが強く飲むなとは言わない方がいい。命じられたことはやりたくなくなり禁じられたことはやりたくなるのが心理的バイアスとしてあるからな。これは大事な心の働きだ。人の心は抑圧を嫌い自由を求める、そういう仕組みになっているんだ。その自由の方向を望ましい方に開けてやるといい。


 簡単な問題を出して、解く、問題を出して、解く、を繰り返していくとそれが快感になるから放っといてもやるんだよね。コツコツと気持ちのいい感覚を積み上げていくといい。これが星のんが言ってた報酬系のコントロールだ。ようするに考えたり調べたり覚えたりすることを快感だと脳に覚えさせるといい。元々そうだしね。勉強中毒になれば勝手にやるから。自分自身もそう扱えばいいんだ。人間は道具じゃないが物質だし機械的だ。


 認めたくない人もいるだろうが脳は物質であり、機械的に反応する。人によりクセがあったり私みたいに前頭葉萎縮して故障していたりはするが概ね感情の種類なんかは同じだ。遺伝的な差異は多少あれど、使いやすい使い方というものがある。それは他人に指示を出す時もおんなじだが……それは今はいいか。記憶や経験による差異ってのはパソコンにおけるソフトやアプリの差であってプログラミングの話ではないのでここでは別の話だな。……CPU的なスペックに差があるのは、言うまい。使ってたら良くなる部分はあるし気にすんな。楽しめ楽しめ。


 どうも考え出すと周りが見えなくなる。よくないな。まあマイルームの中なら平気だが戦闘中とかは気をつけよう。


 ステータスはメニュー画面を開いたら見れるらしい。【メニュー】と心の中で唱えてみる。




 ・メニュー


 ステータス


 ストレージ


 マイルーム


 ポインタ


 クロック


 鑑定記録


 モンスター図鑑


 地図、時計、各種情報


 説明書




 ほほう。いろいろ出てきたね。ちなみにこのメニューは私専用ね。ひとつずつ見ていくか。ステータス!


 これだよこれ! 唱えたら水色半透明のウインドウがパソ机に座った時のキーボードの位置に出てきたな。タップすると反応するやつだ。唱えたのは心の中でだよ? 中二病ムーブを試してないよ? 好きだけど。



 名前 カーラ 天職 ニート


 レベル 15 LP 75 MP 75


 ・スキル 全鑑定 アイテムストレージ 素材ストレージ マナストレージ 怠惰 マイルーム(ギフト) メッシス大陸共通語基礎


 ・アビリティ 種族特性(仙人)




 多い! 情報量が多い! 一個一個見ていこうか。小説なら解説回だな。飛ばしていいかな?


 まず名前のカーラ。これ私がアプリゲーで使ったり登録に使うハンドルネームだわ。……たぶんこっちの人だとココロは発音できないとかあるんだろうな。まあこれでいいや。カーラは時間とか死の神とかシヴァの別名とかの意味があるサンスクリット語だ。かっこいいだろう。ふふん。中二全開だぜ。バリバリ。


 天職はこの世界だと五歳で与えられるスキル群だ。この天職に沿わない職業についてもなにも問題ないがたいてい天職はその人好みの仕事になるようにできているらしい。私みたいに魂自体に神か天使かなんかが一回は希望を聞いてるらしい。なので転職システムはレアだ。天職を変えなくてもスキルはダンジョンでスキルスフィアとして手に入るし、私は買えるらしい。そのへんは後だな。


 LPとかMPはこのステータスの肝だな。基礎値というのが天職ごとにありニートはLPもMPも基礎値が5でレベル倍が現在の最大値となる。レベル十五なら十五倍で七十五が最大値。ゲームくせえ。好き。ちなみに五歳になったら神官により天職を授かりその時点でレベル1になる。最初に天職を与えたのはイルマタルらしい。あとは自己責任で広めてるので平民には天職をもらっていない者も多く存在している。その人たちはステータスも無しでやってることになるからすごく脆弱そうだな。普通の地球人レベルだ。戦闘力たったの……とかあるかもしれん。まあステータスなしでも魔術は自然界にあるので強いやつは強いようだが。


 LPはライフポイントで、これが高いと生命力が強く死ににくく強靭な体になり、力も強くなる。反射神経とか動体視力にも影響する。オーラって力も使える。最大ライフポイントと現在のライフポイントがその時の力に影響するんだが、ようするに疲れたら弱るし最大値が高いやつは疲れてても強いってことだな。疲れた方が強くなるアビリティもある。スキルは技術の延長でアビリティは身体能力の延長だな。MPはマナポイントで概ねLPの魔法版だ。魔法を使うのにマナを使うんだがマナストレージには自分の身体の最大マナと同じ量までチャージできる。お金でストレージは足せるが、このストレージのマナは大規模魔法を使う時などにマナを物質化する時、大量にマナが必要になるためにあるらしい。ちなみにマナによる物質化とはそのあたりの物質を回収して原子レベル以下で変質させることだ。無から有は作れない、というとこは徹底してる。マナで真空からエネルギーを抜けるのであんまり変わらない気もするけど。


 自分のマナは魔法発動に使えるがストレージのマナは発動時には使えない。マナを物質化させる時に大量のマナが必要になった時点で、その分をストレージから出す仕組みらしい。物理条件の中で魔法を使うのにこういった質量が大きいほど、エネルギーが大きいほどマナの量が比例して必要になるシステムが必要なんだろう。永久機関じみた物が作れる魔法世界だけにこういったルールが無いと無限に物が増えてしまうんだろう。物質の総量の調整は精霊がやってるらしい。精霊素量保存則みたいなものがあって精霊の総数が安定するようになっている、としたら魔法を使い過ぎたら大破壊とかあるのかも。ファンタジーあるあるの大規模環境破壊だな!


 こういうのがあるとリアルだけどゲーム臭いな。まあゲームっぽい世界として神に作られた世界なんだけど。星のんが一晩で作って……ないな。いや、世界五分前仮説ってのもあるけどね。説明書に何故か書いてあったがこの世界は地球の時間だと数年前にはできてたらしい。まあ時間の流れが違うそうでこの世界の歴史はすでに数百億年あるとかこっちが元の世界より先に存在していたりもっと未来に生まれてなかったり、原初の宇宙から生まれた瞬間の別の宇宙で生まれた宇宙、くらい離れてる親戚関係?の宇宙らしい。時間なんてものはただの概念で実際には存在しないとか。いや、知らんけどな。現実に世界そのものを自在に操作できるのが本物の神だし時間に意味はないんだろう。


 よくわからんな。星のんはこういうのが好きだな。


 スキルとかは実際に使いながら見ていくことにしよう。ギフトというのは神様がくれたスキルだな。これをくれたのは星のんだけど星のんはやっぱりすげえな。昔からだったりするが神なので騒がれたことはない。なにもなかったことにできる。私も忘れてる。こわい。


 種族特性の仙人、これが問題だな。状態異常無効、飲食、排泄、睡眠が不要(できないわけではない)、LPとMPの回復速度が中。LPもMPも通常は八時間で満タンになるのが小だと四時間、中だと二時間で回復できるらしい。あとは自動治癒とか浄化もある。お肌もピチピチだ。


 回復魔法がこの世界にはいくつもあるらしく、怪我を治す治癒魔法のヒール、病気や毒を治す治療魔法、キュア、体力や血液を回復させる回復魔法リカバリー、呪いを解き結界や封印を破壊する解呪魔法ディスペル、とかがある。怪我をするとライフポイントは垂れ流しになりリカバリーによってライフポイントは回復するが怪我はヒールが必要、怪我をしているとライフポイントは回復しづらいか減り続ける、ということらしい。細かいなー。まあリアリティを求めた結果なんだろう。これなら元の世界でも魔法が使える可能性があるな、と。


 変な話だがリアリティにこそ夢があると思うんだよね。ひょっとしたらできるかも、の方が現実は現実で幻想は幻想とするより夢があるよね。なので中二病が治らなかったわけだが。深刻な病でもないしいいか。ちょっと仕事帰りに魔法が出ないかやってみるくらいだし。やるよね? 長々とした呪文を詠唱して魔法ってのは人間本位すぎて好きじゃないんだよなあ。中二臭いのは好きだけどリアリティないよね。


 どうでもいいが精神病で一番深刻なのが社会依存症だよな。患者が無自覚の極みだからな。たとえばアルコール依存症は家族も病気になるって言われてるんだけどアルコール依存症患者でも自分は病気じゃないと言っちゃう人がいるくらいで家族はなおさら違うと思うらしい。自覚症状が極めて薄いのが精神病なんだよな。でも普通に暮らしてる人に比べると行動が実際に歪んでるんだよね。温厚な人なのに家族に罵詈雑言浴びせたり蹴ったりとか普段しないことをしていたり生活が依存症患者に引っ張られていたりする。治療法は離れるのが一番だ。でも自覚を持ってコントロールした方が幸せかもね。甘やかさない、与えない、ってなかなかに辛いけど。


 社会依存症は自立できなくなったり自分を満たすより協力を優先するあまり自分自身がおろそかになったり生活が圧迫されたりする。ブラック企業を辞められない、とかがそうだ。辞めてしまえばいい。生活が、とか仲間が、次の就職が、家族が、とかは考えないことだ。それで死んだら本末転倒じゃないか。その結果を考えられなくなってるなら病気だろう。依存症は、何かに固執するあまり生活や命、及び他者のそれらに悪影響がある、という状況になっていたら依存症とされるらしい。病気とは認められないこともあるが。ゲーム依存やスマホ依存なんかもある。ゲームやスマホは悪いものではないが悪影響が出て自覚があっても止まらないのは異常だということだ。アルコール依存の場合はアルコールが毒だからわかりやすいだけなんだよな。依存症は心の病なんだ。ギャンブル依存症も損失が見やすいからわかるんだ。恋愛も双方の体調を気遣わなかったり生活を乱すのは依存症らしい。診断されるかは知らないけど。


 病気は悪いことではないんだ。治せるんだから。気づけばいいんだ。自分や周りが傷つく必要はないんだ、って気付こう。


 まあ私は社会が嫌い過ぎだからニートにしてもらって無人島暮らしだけどな! 社会のなにが嫌いって社会を大事にしないとこだな!


 おっと、ステータス見てたんだった。ホントに考え事し始めるとあちこちに思考が飛ぶ。私の悪いクセ。






☆きいろメモ☆

 カーラは昭和なことを希に思い出しますけど忘れっぽいので感覚が若いことがあります。人嫌いに見えて人好きだったりするのは「あいつの顔は目の形は好きだが口の形が嫌いだ。だけど笑った顔はいい」みたいに本来分けられないものなのに部分的に、状態によって好き嫌いが変わるということですので曖昧で適当に見えて意外と徹底しています。


 魔力でも魔素でもなくマナとしているのはマナの性質が力でもなく粒子でもないためです。このお話のうちで魔力とか書いてたら教えてください。たまに間違えます。



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― 新着の感想 ―
カーラと聞いて灰色の魔女と言うとロードス島戦記(笑) ヒールとキュアとリカバリーを合わせたものがリザレクトってことかな?
名前元のだと毎回呼ばれる時に外人みたいにコ↑コ→ロゥみたいな発音になるとかだったらちょっとおもろいかも
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