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引きこもれ! クロノ改造

 引きこもるとは寝ることではないですよね。

 さて、部屋の改装も済んだしスライム牧場を覗くか。クロノも改造?しないとな。クロノはペットにしたスライムな。ちなみに牧場のスライムもいくらか出荷している。ウィッチスライムって環境を整えないと簡単に死ぬんだよな。どうも魔女の研究用スライムってことらしいけど。ウィッチスライムはマナの塊だからいろいろな用途に使えるからな。


 それは置いといて、このスライムたちを使ってやりたいことがあるのだ。名付けて、ヴァルキリーアーマースライム計画。意味はそのまんまだ。スライムたちに人間のような姿の鎧を与えて私の使徒として使うのである。その研究の第一号にクロノを使う。クロノにはいろいろ食べさせて擬態ミミックスライムに進化させてある。そのミミックにおける宝箱を人形にするのである。楽しそう。その鎧はこの世界の市販品に女性のマスクが付いた女性用鎧があったのでいろんなサイズで取り揃えておくことにした。そのためにまたロックドラゴンが二匹ほど犠牲になったが。なむなむ。儲かりました。お金こそ正義。いい時代になったものだ。無人島に来たってのに金策ばかりしてるわ。


 スライムの筋力の強いヤツ、ストリングスライムとウィッチスライムを交配させたりして新種を安定して生産できないか考えている。知能もつけたいけど下手につけると怖い。なかなか難しいことである。シンギュラリティみたいなことが起こると面白くはない。まあスライムに働かせてベーシックインカムで食っていくのも悪くないがなんというか私の世代だと働かざる者食うべからずって感覚が強いんだよな。たぶん働かなくてよくなったら奉仕活動とか参加してしまうと思う。エネルギー問題も解決して行かないとな。この世界はマナ(りょく)でほとんど全自動が可能だ。


 そう考えるとスライムとかモンスターはかなり便利な生物だな。農耕でロボットが作れる世界ってすごいな。退屈な世界にならないように遊べる要素を作っていかないと。


 働くとか考えるっていうのは人間の幸福にとっていいものだと思う。ずっと寝て暮らしたいって気持ちがわからない。ゴロゴロするのは好きだけど飽きるしダルくなる。私の怠惰はゲームして漫画読んで暮らすことだ。寝るならどこでもできる。高度な文化がなければ作品群は面白くならないだろう。だが企業の作る物よりやっぱり素人の作るもののほうが想像力あるよな。まあ頭数が多いからいいものが目立つだけだけど。本当にいいものを作ろうとすれば時間や金はかかる。さて、私はどうやって日本製コンテンツをこの世界に広めようか。誰かに漫画読ませて描かせまくるか。そのためには子供をたくさんさらってくるのもいいかもしれない。親元にいれば幸せ、なんてことはないのは私が一番知っている。いたぶられ搾取されている子どもたちなら私がもらっても問題あるまい。ふふふ、子どもたちの楽園部屋を作っておこう。漫画もアニメもゲームも映画も見たい放題やりたい放題の世界を作る。そして創作の楽しさも教えてやろう。


 まずは環境を整えないとな。それに邪魔するヤツは国家でも退ける程度の戦力が欲しい。自分の能力も引き上げるが軍隊も作るか? それより国をソリド島に作るかな?


 今はこのスライムたちの改良だ。外からマナを持ち込んで養殖しないとコストが高くなるから餌も取ってきてやらないとな。変な話だが肉と野菜をバランス良くとらせたスライムが一番知性が高い。なんでだろ?


 人間が雑食になったのは食料を限定しないほうが生きやすいからのはずだけど……。そのための消化吸収のシステムが複雑になっていることと関係があるのか? そういえば腸は第二の脳、みたいな話を聞いたことがあるな。腸には神経が集まっているらしいし、実際脳と腸は影響しあっている。苦悩すると頭痛と腹痛が連動したりするのは理由があるわけだ。つまり腸の複雑さは脳に影響を与えているということか。ひょっとして人間の知能は腸から発展したのかもわからんな。まあ研究者でもないのでわからんのだが。スライムを二匹ずつ連動させて育ててみるか? それなら合体させて群体として進化させてみるか? 群体と多細胞生物の違いは機能が別れることならば別種のスライムを連結させたら人のように振る舞わないか?


 マッドな科学者みたいになってきたな。魔女っぽくて実に良い。クロノを脳に置いて消化能力に特化したヤツとか筋力に特化したやつとか硬質なヤツとか……骨ばっかり食わせたスライムを作ってみよう。


 スライムって異様に進化が早いんだよな。食ったものの性質がすぐに出てしまう感じか。スライムを見たら潰せ、とこの世界では言われてるらしいがこんなに簡単にランクが上のスライムになるんじゃ当然だな。危なすぎる生き物だ。人間ばっかり吸収したスライムはゾンビっぽいものになるらしい。流石に作らんがこれは私が計画してる多細胞スライムと違い単細胞なので人間の能力を持つように進化するのは難しいと思う。ただの人間の皮をかぶったミミックスライムなのだ。


 クロノをしゃべらせることができたら進化の具合がわかるんだが。いろいろ頭を使ったのでお茶にするか。


「ぷぃ、ぷぃ〜」


「なんでレイピアうさぎがメイドしてるんですかね?」


「ぷぅぷぅ」


「大剣とレイピアは私の傘下に入ったの? 面白いから? まあ楽しめるならいいけどな。このうさぎも謎生物だな」


 解体したりはしないけど。私じゃなにもわからんからな。人間を解体したがるバカな犯罪者がまれにいるが死体解剖の仕事もあるんだからわざわざ犯罪を犯してる時点でバカでゴミだよな。自由を求めて自由を失う。アホすぎだろ。犯罪者なんてくだらないぜ? 私はこの世界の法律は無視するから犯罪者って言えば犯罪者だが、私がルールだ、とか言うと思うし。だいたいこんな原始世界のルールになんか従ってられん。貴族は無礼討ちで人を殺してもよいってルールがあるが従うか? ゴメンだろ。ルールが間違ってるなら正さなきゃいかん。力で正すのは間違ってる、というのは先進的な民主主義社会だから言える話だ。王こそルールの社会では力こそルールだろう。だから革命が起こる。日本みたいに象徴制の国が多いから神を倒せ、ルールを変えろ、みたいな動きが起こらないだけだ。力こそ正義、いい世界に来たものだ。これ元ネタみんな知ってるよな? ちょっと心配。


 ふむ、だから私はアナナスの対岸の島に送られたわけか。とりあえずこの島の統治権は奪ったほうがいいのかな。しかしこの島四国くらいデカいんだよな。統治者として言葉が話せるスライムを用意しないとな。しかしスライムに発声器官を持たせるのは難しくないか? 肺と気管を用意する? 念話スキルを与えたほうが早い。


 まずは多細胞連結スライムから試そう。クロノをリーダーとしてウィッチスライムを二匹、ストリングスライムを八匹、ボーンスライムを四匹使うか。消化能力の高いノーマルスライムの上位種ハイスライムを二匹。それとアーマーを……小さいのにしよ。見下されるとムカつく。ドワーフ用アーマーがあるからそれで。


 そういえばこの世界にはエルフやドワーフ、妖精もいるし天使みたいな羽の生えた天人とかいう種族もいる。鬼人とか、他にも小角族とかいうこの世界オリジナルの小人みたいな種族もいるぞ。楽しそうだな。獣人はややこしいがそれは獣人の多いドラウブン神国に行ってからだな。楽しそう。獣人の遺伝子どうなってるんだろうな? なんか同種でなくても婚姻できるしどちらかの子供が普通生まれるけどまれに先祖返りするらしい。不思議な……。まあ地球の生物だって不思議なのはいるけどね。アンコウとか雄と雌でサイズが十倍違ったりするし。ちなみに妖精の羽は昆虫様の羽だが通ってる血は赤だからピンクや青色に見えるらしい。謎生物の多くはダンジョン産だからファンタジーだが外では寿命が数秒でダンジョン内じゃないと生きられないとかいう間抜けな生物もいる。マスターが作った時になにも考えてないとそうなるようだ。気をつけよ。そのうちダンジョンも作るつもりだし。そう考えるとダンジョンの自由度が高いな。動くビルとかも作れるわけだ。繁殖する重機や建造物とか面白すぎる。まあすぐに絶滅しそう。


 この世界の進化はおおむねダンジョン由来のようだ。なのでダンジョンマスターの趣味でファンタジーなモンスターや宇宙人的なクリーチャーまで幅広く存在するが炭素生物の多くは呼吸が必要で熱に弱く魔法生物はその制限にかからないが常にマナを外部から補給するシステムが必要で非効率な生物はやはり淘汰される。魔法生物学は面白いな。研究を進めよう。


 トレントのような植物系の魔物もいる。野菜の魔物とか作ってばらまいてみようかな。スタンピードを起こして種を広げるのも一つの楽しみだ。なんかどんどん魔王的な発想になってるが楽しいからいいか。まずはスライムを改良改良!


 一応形にはなってきたが動きがすごくぎこちない。人間の動きなんてわからないよな〜。そうか〜。トレーニングルームみたいなのをひとつ用意して人間の生活を学ばせてみよう。あれしゃべれるモードにもできるらしい。


「基本的にマイルームの中じゃあんたが神様なんだから好きに設定したらいいわよ。つまんなそうならつっこむし」


「そうなの? 情報とかどこから仕入れるの?」


「バックに神がいるんだからどこからでも仕入れるけど?」


「さすが神だな〜。すごいな〜」


 私は感心した。まあそれはいいや。元ネタは忘れた。


「おざなりね〜」


「やっぱりいっぺん死んだからいろいろふっ切れた」


 生き死にのタイミングって別に決められてないらしい。私が死んだのは私が間抜けだったからだし、死は全員に訪れるからな。どこかでは死なないとだめなんだろう。死んだ時に前世とかその前とかも見えたんだよな。うっすらしか覚えてないけど前世は六歳くらいでなんかの爆発で死んでた。死は避けようがないし誰かの責任でもないってことだよな。戦争が起こらない世界を神様が作らないのは戦争を起こさないで生きていけるのに人間が勝手にやってるからだ。神は自由や平等をくれた。それをクソにしてるのは人間だ。いいかげん反省しろよ人類、とは思うけど子供は常にまっさらで生まれてくるからな。答えを持って生まれ変わるのもチート(ズル)だもんな。人間なんて特別扱いされまくりなのにまだ足りないとか言ってたらそりゃ神も見捨てたくなるだろうよ。結局人類が悪い。だから滅べって言うのは逃げだし甘えだ。私はケチなんだ。せっかく生きてるのに無駄にはしたくない。


 さて、神を気取って単細胞生物に人間のふりをさせてみるかね。


 マイルーム増設のためにドラゴンがまた一匹お亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。今度は火を吹くやつを獲ってきた。死の風だと本当になにも察知させないで倒せるんだよな。チートすぎるしテロリストとかにバレないようにしないとヤバい。地球ならビルでも換気が行き届いてるから無理だけどな。穴に潜り込んだテロリストがゴブリンみたいに窒息で殺せるだろうか? なんか対応策持ってるんだろうな。じゃなきゃドライアイスで殺せるし。実際棺桶のドライアイスが溶けて棺桶の中に溜まった二酸化炭素で顔を突っ込んだ遺族が窒息したケースがあるらしい。悲しすぎるな。そっちは葬儀屋さんがチェックしてるはずだ。他には液体窒素の工場とかでも起こってる事故らしい。ゲームの即死魔法もこんな仕組みだったんだろうか?


 対応策はそんなに難しくないんだよ。あらかじめ風の精霊をまとうだけ。他には空気を撹拌し続けるとか。風の強い場所で戦うのもありだけどそっちは魔法でどうにでもなる。部分的に風を起こさないとかは魔法の得意な領域だ。


 さて、新しい部屋を作りました。学習速度を上げるためにスライムヴァルキリーは数体拵えることにした。スライム増えろ〜。餌を選ばんとな。うーん、飼育ゲーム。どうせすぐには増えないのでトレーニングルームで遊んだりお茶をしたりする。ついでだしなんか料理作ろうか。せっかくひきこもってるんだから趣味を増やすべき。釣りもしたいしキャンプもしたい。都会暮らしもいいけどやっぱり自然に触れないともったいない。宇宙とか調べたら調べるほどなんにもないんだよな。どこかで燃料にできる恒星を見つけてダイソン球作って新しい住める惑星を人工的に作るとかするんだろうか。世界を楽しめるのは多様性があるからだ。蟻みたいな生き方はしたくないな。なので自然も楽しもう。サバイバルとか完全なのはしんどいからやりたくないけど通販で買えるキャンプ道具をいろいろ試してみるのは面白いんじゃなかろうか。スライムヴァルキリーができあがったら次はアウトドアで遊ぼうかな。もうこの辺りのモンスターは雑魚だし。レベル百近いからな。……ドラゴン狩りまくったから。


「ドラゴンさん、逃げて〜」


「ドラゴンは理想のための犠牲になったのだ!」


「かっこいいなやってることは虐殺だが」


「ダンジョンからいくらでも出てくるから絶滅しないもん」


「畜産だから恥ずかしくないもんってか」


「それは違くね?」


 畜産は残酷だからやめろ〜とか言われても肉は美味いしな。健康管理とか野生の獣はしてもらえないしタダで餌も寝床ももらえるし。まあ鶏になりたいかって言われたらノーだけど。漫画とか読みたいし。


 スライム用人間学習室を作ってクロノたちを放牧することにした。疑似社会まで作れるとかこのスキルはチートにも程があるな。まあ星のんが私に用意してくれたものだからな……。自分で望んだわけじゃないからわかるんだが人間の発想よりもっとチートだよな。普通にこんなシステム思いつかん。正直オマケでもらった通販スキルなんてお楽しみ程度にしか役に立たんけどこれは創造性かき立てるわ。やっぱり神って暇だから世界を作った説が濃厚だな。そんで牛や鶏やネズミやナメクジよりいろいろな物をもらってる人間が一番神に文句言うんだぜ。人類って本当に馬鹿なんだなって思う。自分が人類だから尚の事な。みんなでもっと賢い生き物に進化しようぜ。


 ヴァルキリーたちの社会実験を見ながらそんなことを思った。


 ヴァルキリーたちは最初は人間の動き方を学習するのが大変そうだったがそのうち人と変わりなく動けるようになる。スライム頭いいんだよ。そしてご飯を食べたり働いたりと人間の生活を模倣し始めた。


 あれ、私神になってない? あらたな生命創造してない? まあ楽しいからいいか。う〜ん、ある程度生活できるようになったら外に送り出してみようかな。私が表立って動かなくてもヴァルキリーたちやうさぎたちが広がっていったらそのうち世界を裏から牛耳れるかもわからんね。


「見てるだけはつまらんぞ〜」


「だよなあ」


 まあミネルバも暇そうだし、次の遊びをしようかね? ドラゴン肉とか食ってみたかったし、塩と香辛料ふって熟成させたドラゴンハムを作っておいた。アウトドアで、食べるぞ!






☆きいろメモ☆

 スライムや妖精の知能は情報世界にメモリ領域を持っています。記憶力、知能指数はその個体によります。人間並みの知能を持った猫はゴロゴロするでしょう。テレビくらいは自分で着けて見るかもしれません。でも猫の暮らしに憧れる人もいるかも知れませんね。私はゲームとか漫画とかある人間のほうがいいですが。


 カーラは資金源としてこの島の生物をしとめまくってますが濃いマナにより次々に発生していますので絶滅の心配はありません。そのうち値崩れとかしたらさすがにミネルバが止めると思います。つまらないので。


 このお話は二十話くらいまで書くのに一年かかってます。設定をねったのが数年。なのでおんなじネタを繰り返してたらすみません。うっかり忘れてる設定とかあるし。とりあえず最後まで書ききるつもりです。 




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