引きこもれ! マイルーム改造
世界情勢とか出てきますが人と触れ合うのはまだ先です。
さて、私は引きこもるぞ、星のーん!
いろいろマイルームを改装したいのもあるが世界各国の情勢とか調べておこうと思ったのだ。いつまでもひきこもってたらさすがに星のんも怒りそうだし。星のんにつまんねえんだよクソが、とか言われたら泣く。
なのでおそとの勉強はしておくのだ。あと、マイルームに客室をいくつか作っておきたいんだよね。そのための金策もしておくつもりだ。ついでに白の魔女の名声も(ミネルバとうさぎたちによって)高まるだろう。拝金拝金。無人島なんだからハイキングしろよ。散歩は趣味だけど今は引きこもるのだ。ちなみにミニマリストは知らない子ですね。
それでまあまずは世界情勢なのだが。う〜ん、この星、惑星パトリアには大陸が十個もあるらしいんだが私はこのメッシス大陸だけで活動するつもりだ。正直人間が本物の神ほど強くなるのはこの世界ではほぼ無理だ。物理的な存在じゃない精霊や天使にすら及ばない。移動するだけでも世界中をめぐるなんて無理だ。この国一つの町村を巡り尽くすのでも大変。なのでまずはひきこもりをやめるとしても大陸からは出ない人になるだろう。だいたい前世でも国外なんて犯罪まみれな所に行く気はなかったのだ。異世界に来て不老不死とかもらっておきながらさらに鍛えまくってるのは犯罪に巻き込まれたら困るのが一番だ。なんでみんなして犯罪まみれな異世界に行きたがるのかと言えばそこに行けばチートがもらえるからだろう。だいたい中世じゃない世界ならいいけどリアル中世なんて風呂は無しトイレはオマルで道端に人間や馬のウ○コが撒き散らされて洗濯物も手洗い家事全部手作業で工場機械や工具すら無しエアコン無し、そんな世界に行ったらたちまち死ぬ自信があるわ。現代に近い衛生状態の異世界なら風呂はあるかも。確か食器もフォークか箸かが地域によりあったはずなのでリアルな神様がいるこの世界なら素手でご飯食べたりもしないはずだ。中世だといろいろ勘違いとかで文化とか滅ぼされてるからなあ。
この世界はさすがにそんなにひどくない。リアル神様がいるし浄化アイテムが一般に出回る数あるだけでも勝ち組だよね。まあなかったら臭いってだけで私は仙人だから排泄いらんのだけど。風呂もマイルームに作ればいくらでも良いものが作れる。部屋作り系のゲームみたいに風呂だけ改装とか寝室増設とかキッチン改装とかいろいろできるのである。
普段はここで暮らすのでしっかりと部屋をリフォームしまくっておきたい。んで、お金を稼ぐのだがやはりモンスターを適当に狩ってミネルバに売るだけなのです。死の風がチートすぎる。レアなモンスターを風魔法の探知やマナ探知、マイルームスキルのカメラなんかでさらっと見つけて遠くから窒息させるだけ。気配もなにもないからね。本当にあっさり狩れる。生物相手には無敵なんだよなあ。なので人間とかは殺さずに拘束する系の魔法やらスキルを磨いておきたい。その辺りもお金でなんとかなる。
この技で殺ると死体に傷一つない上に血も腐らないので肉まで美味いらしい。ミネルバ価格なのにすごく高く売れる。傷がないとよく売れるらしく値引きしないで買ってくれるしな。ドラゴン種のロックドラゴンとかいう岩みたいな鱗のドラゴンも狩ってやったぜ。火は吹かない羽もない四足歩行のデカいトカゲみたいなドラゴンだけど鱗と額のコブがアホほど硬いらしい。数匹で一億グリン以上稼げたぜ。一グリンのレートは十五円のままだ。変わることはなさそうだけど。すげえな、あっと言う間に大金持ちだぜ。濡れ手に粟だな。泡じゃないぞ。あわわわわ。アワーを大事にしよう。
あ、ひきこもるにあたってモンスター肉とか食べてみたくない? なのでキッチンも十万から二十万グリンかけて改築しておきたい。だいたい三百万円もかけたらすごい装備にできそうだ。オール電化。つかマナ化。色とかこだわるぞ。白だけど汚れは自動浄化で。白好き。腹黒いからな。
ソファやベッドも高級品で揃えるけどぬいぐるみとかも用意したい。諸君、私はもふもふが好きだ。猫のもふもふが好きだ。犬のもふもふが好きだ。うさぎのもふもふが好きだ。ぬいぐるみのもふもふが好きだ。おもちゃ屋で、ゲーセンで、ペットショップで。この地上で行われるありとあらゆるもふもふ行為が好きだ。へそ天の猫が好きだ。駆け回る子犬が好きだ。キックするうさぎが好きだ。インコの頭ぐりぐりが好きだ。ぬいぐるみの抱き枕が好きだ。
……戦争? 戦争は敵だろ? もふもふは戦争の対義語だからな。三千世界のカラスもきっともふもふだ。もふりたい。もふもふは戦争だ。どっちだよ。
そんなわけで年甲斐もなくもふもふふわふわな部屋がマイルームに完成した。ソファや毛布ももふもふフカフカ、クッションも不細工な形のもふもふだ。完璧である。念の為に作業机とかも揃えた。お金持ちだからな。冷蔵庫とかもストレージがあるからいらんけど雰囲気作りで置いた。こたつも置くか。他にもいろいろと改装が楽しそう。部屋は壁とかを薄い青と白とで揃えてみた。寒色だけに包まれたくないのでクッションとかベッドはピンクやオレンジ、黄色、他にも動物の色で揃えた。ホルスタイン柄とかもあるぞ。寝間着でうろつく魔女と恐れられることであろう。いや、着替えるわ。楽しそうだけど。大事なシーン以外はいいか。楽しそう。寝間着魔女。
そんなふうにお部屋は完成したので改めてお勉強だ。世界情勢の話だっけ。カラムー○ョでもかじろ。いやー、このスキル最高だよね。足るを知るのが満ち足り幸福になる基本だぞ。百億稼いでも人は幸せにはならない。そもそも仕組みが違うからな。脳が幸福になるのに外付けの数字だけでは意味がない。なにを感じるか、求めるか、足るか、それが幸福を作る。幸福なんてタダの脳内麻薬だし、いくらでも味わおう。
このメッシス大陸には大国が四つと小国が二つある。国名は翻訳しない。お姉さんと約束だ。
まず大国とそこを治める神、王について。帝国や神が直接抑えてる神国もあるが、まあ名前ばかりの神で仕事はない。象徴としてあるだけだ。国の象徴は激務らしいからこいつらもなんか仕事はあるのかもな。それはいい。ちなみに私は右とか左とか宗教とか人生に関わってくれないのが一番いい人だ。思想とかたかだか百年生きるのにいらんだろ。バカげてる。まず子ども作る気ないしな。私の劣等遺伝子なんぞ残したくもないわ。性欲はあるけど老若男女オーケーだ。LGBTとかマイノリティとかそういうのも好きにしたらいい。自分が特別な存在じゃなく普通と主張するならそれでいいと思う。私はマイノリティですとか言っちゃうのは違うと思う。普通だよ、普通。それを認めない奴らは考えが足りてないだけだ。それだけだろう。レズもゲイもバイも普通の人だろう。それはどうでもいいや。私にかかわらなきゃどうでもいい。人と恋する気はないし、性別などどうでもいい。
国の話だ。どうしても話飛ぶな。八艘飛びくらい飛ぶな。
一番デカい国はアールバイエン帝国だな。治めているのは憤怒の女神、正義の女神とも呼ばれてる、まあ大罪スキル持ちってことは私の同類だな。スキルは憤怒、ジョブはベルセルク、ちなみに神と魔女は七つの大罪スキルのユニーク職な。ギフトは別で物理無効。かなりヤバいヤツだがマナでどうにかなるだろう。戦う気はないけど、楽しむくらいならアリだ。殺し合いとか面倒くせえ。でも試合ならやってみたい。レベルは五百超え。ちなみに下に皇帝がいる。そいつが政治は全部やってるらしい。ちなみに憤怒の女神はロリらしいぞ。萌えるな。
次はドラウブン神国。引きこもりのオッサンの神様で強欲の神、もしくは商業の神とも名乗ってる。ジョブはコレクター。燃えるな。レベルは八百でコイツが一番レベルは高い。力こそパワーだと思ってる奴をまーなってやり込めてやるのが楽しいよな。まあ今だと粉砕されるだけだが。十二神将とかいう配下をコレクトしてそいつらに政治を任せてる珍しい形態の国だな。出来損ないが支配したら終わる王政よりは良いが民主主義の悪いとこは出てきそう。中間くらいならいい感じかもな。スキルは強欲でギフトはコピー。アイテムを持っていればマナでいくらでも複製できる、ストックもできるわりととんでもないスキルだ。まあマイルームが言うなって言われそうだけど。
次がピーア神皇国。ここは珍しく神が政治に携わってる。まあ決定権はあるけど他は王以下の議会制らしい。国王は議長で神は否決権だけ持ってる感じ。独裁でもないな。神はショタだ。萌えるな。なんでもいいんだろうって? そうだが?
スキルは傲慢、ジョブは統治者、ギフトはマナ無効。神としては勇気の神、勇者たちの神とも。うーん、神はどいつもこいつもとんでもないがもう一人の神はなぜ死んだ?
その国は置いといて、残る小国二つ、だがここは聖教国と商業ギルドの国であんまり無視できない国だな。聖教国には教会の魔女とか呼ばれてる千年生きてるとか言われてるお年寄りがいる。他の神が五百歳だからどれだけお年寄りなのかと。イルマタルと旅していたとか言われている魔女だ。商業ギルドの国は名前はシトロン共和国だな。実態は一党独裁だが。最近冒険者が一人不老不死を手に入れて神を名乗ってるとか。バカっぽいなぁ。まあ魔女を名乗ってる私が馬鹿っぽくないかって言うとあんまり思わないんだよね。なんでだろうねえ。やっぱりアレか、自分のことは見えにくいのか?
正義気取ってないから勝手にやっててもいいんだよな。正義とかなんとか重たい。よくやるよな。正義面して皆で殴るのは楽しいもんなあ? しょせん人生なんて楽しんだもん勝ちだな。楽しくないヤツを放置するな。まあ言ってるだけの邪魔したいだけのヤツはいるからそれはスルーしといていいけど。甘えてるだけだからな。
他人に対して義務がないわけじゃないが他人にも自分一人は支える義務がある。そこに横から入って力もないのに正義の味方とかやってたらバカだしそれに頼って文句言うやつもバカだ。結果神とか名乗り出してるんならもっと痛い。人に逆らわれるのが怖いから神なんて名乗ってるんだろう。本物の神にしてみたら神の称号すら鼻紙にまとめて捨ててもなんの痛痒もないレベルなんだが。まさに神だよなあ。神は神って名乗らないし義務すらない。そりゃそうだ、神だもの。
だがまあ大国で神やってる連中はちょっと事情が違うみたいだね。不老不死だが自分で神を名乗ったんじゃなくて二百年くらい前に祭り上げられた感じらしい。だから実権もない。人間には呆れるばかりだが素直でよろしい。しょせん権力にとりつかれたやつなんて自分の腕の短さを知らないヤツらだが、権力なんか欲しくないけど立場上仕方なくみたいなヤツもまあいるよな。
王族とか生まれたくないよなあ。税金もらってるからって血を吐くほど勉強して結局権力争いとかで死ぬんだぜ。普通にやっとれんわ。それで「税金使ってんだから責任果たせ」とか私にはとても言えん。下で吠えるだけなら犬でもできる。自分でやれ、民主主義なんだから誰もやらんかったら順番、推薦だろ、とか言って大臣まで登りつめちゃったりしたら私なら逃げる。そんな国知るか。日本の大臣とか胃が石になりそうだな。他の国とか賄賂は当たり前だったりするんだけどな。その結果借金地獄になってるけど。独裁で能の無い奴が上に立つのもまた地獄。まあ日本はいいほうだわ。この世界普通に税金は貧富の差別なく平等に六割くらい取られるし。それでも安いほうで、だけど。この世界ならもっといろいろ取られてるんだろうな。
冒険者は源泉徴収だから気づかない仕組みになってるみたいだな。大して教育受けてないからその仕組みに気付けるのは貴族とか相手するBランク以上くらい。はあ。ちなみに収入申告したらいくらか税金が返ってくるシステムだけど大抵の冒険者に申告できる頭なんかない。貴族丸儲けじゃねえかと思うかもしれないけどだからこそ冒険者優遇措置がいろいろ取られてるわけだ。そして税金を搾り取れるダンジョンを奪い合って戦争紛争が起こりまくる、と。
なんでそんなシステムにしてるんだよ神様、と思うかもしれんが人間が馬鹿なだけだからな。何も言えねえ。戦争しなくても奪い合いしなくてもみんなで分け合えばいいだけだからなあ。ケラケラ。するわけないわな。欲に身を任せれば身を滅ぼすのは子供でもわかるのにそれでも手は引けない。まあそのほうが楽しいって奴もいるし、貴族で嫡男でも逃げれる仕組みはあるらしいけど。この世界がことさら嫌らしいわけじゃないんだよなあ。土地の価値が見えやすいってだけで鉱山とか巡って争うのと変わらんし。どっからどう見ても神の罪なんて無くね? まあ人間がバカだから世の中が面白い部分もあるからなあ。
ちなみに地球だって未だに資源を巡って喧嘩してるし日本も冷戦と変わらんからな。大国とは奪い合ってないけど中くらいの国とやり合ってるわけだし。シンギュラリティが起こったら勝ち逃げできるんだけどなあ。まあ私にはもう関係ないけど。ちなみにAIは賢いから戦争なんかしないからな。そんなことしなくても人の骨は抜ける。人間より賢いってことはすでに負けゲームだからな。争えると思ってるのはバカだし人を貶めるのに何かを奪う必要もない。自然に人間は保護動物になるさ。ケラケラ。
それでこの世界のこの大陸の政治は神や魔王や魔人や魔女やダンジョンマスターや貴族や勇者や聖者たち冒険者までが絡み合って面白いことになってるわけだ。さてさて、上から見物させてもらおうかね。いやあ、私って魔女。
あ、最後の一国の話をしていなかったな。アナナス王国、つまりこの私が送られたソリド島の対岸にある国なんだけど、ソリド島はアナナス王国のものではなくて聖教国、正式名称はイルマタル聖教国、のものらしい。まあ管理はされてないけど。モンスター強いから。
それでそのアナナス王国の女神、ジョブはアイドルスターの……色欲の女神な、それが支配してたんだけど、五年ほど前にその女神が死んで、それからアナナス王国はいろんな国に攻められてる。王都は魔王がいるからまだ大丈夫だけど他の迷宮都市はバチバチやってるっぽい。女神が死んだ理由? わからん。書いてない。この説明書に書いてないってことは自分で調べろってことだ。これあれだ、知ったら後悔するヤツだな。無視しよ。間違いなくこれが星のんの罠だ。アイツは自分が楽しむためなら何でもやるからな。私も遠慮しないしヤツも遠慮しない。だから仲良しなんだよなあ。
アナナス王国のダンジョン都市は五つあって王都を除いたら四つ。どこも他所から攻められやすい地形になっております。見えてるとこの戦争は潰そうかねえ。めんどいからいいや。戦争なんて仕掛ける奴が悪い。私は引きこもるんだよ!
まあたまに町に出るとして一番近いのは子爵領があるな。ロードバース子爵領。ムルベイ公爵の寄子ってヤツだな。ムルベイ公爵はアナナス王国の西端を守っている公爵領だ。アールバイエン帝国とドラウブン神国とシトロン共和国の三国と接してるかなり激戦になりやすい領地だな。ダンジョンもある。その昔はムルベイ王国って国だったらしくアナナス王国でも最も広大な土地だ。なんかいろいろ物語が起こりそうな土地だな。絶対星のんがわざとここに送り込んだんだ。遊ばれてるからひきこもっちゃお。まあ出るんですけどね。面白そうだし。性格読まれてるけど別に不快ではないな。チート強請ったりしたくせになんもしないとか盗人かって言われても反論できない。
もらったぶんは仕事するんだよ。遊ぶだけ? それがなにか? でも楽しそう。
地形でいうとこの三国とアナナスは繋がってるけどピーア神皇国とイルマタル聖教国とは繋がってない。聖教国は共和国より南に位置してる。シトロン共和国は大陸西の真ん中に当たる。ソリド島は聖教国、共和国、アナナスに囲まれたソリド湾のかなり大きな島のようだ。まずはここで冒険しないとね。例のダンジョンも行ってみたいし。ソリド島を難攻不落にしてしまってるくせに冒険者が来なくて嘆いてるボッチなダンジョン。探索してみたいだろ。
☆きいろメモ☆
このお話は国名を翻訳するとコメディになりそうです。政治形態などはそのうち知っていくことになりますが星のんからの説明書にはその辺りは書かれていません。どこかで小国を四つと書いているかもしれませんが二つです。すみません。
ギフトはスキルの一つではありますが神のスキルなので理不尽に近いことも起こせます。あくまでも本人のマナを消耗するので限界はあります。マイルームなどは対価を基本的に要求されています。お金、素材、マナなどその都度変わりますが。すべては等価交換ですが情報化によってマイルーム内部はデータのみなのでエネルギー保存則は破綻しています。外に出すぶんはほかからエネルギーを精霊が集めたりして保存されますが無から有が生まれないようになってます。