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殺人と殺陣

 トレーニングルームはミネルバが設定しています。おもしろ半分に色々詰め込んでいたりします。



 対人戦だぜ。…………人間もいずれ殺さんとダメか。って善良ぶってるがホントは一回殺してみたかったんだよな、極悪人とかだけど。豚とか鶏とかアホほど殺して好き嫌いしてる人間が同族殺しはNGとか、遺伝子はよく仕事をしているな、としか思わんな。善も悪も興味はないな。殺人は絶対にいかんけど殺したい奴もいたことないとか本当かね。残酷な話や犯罪とか、そういう頭にくる話から目をそらすのは平和でいいけどさ、せめて議論したりとか対処はしなきゃダメじゃん? もちろん私も殺さないけど考えるぶんには自由なんだから子供の時は考えたさ。それはそれとして、この世界では殺さないと殺される。


 ゲームの敵は殺すし戦争仕掛けてきたら全員殺すけど。殺しちゃダメな兵隊は攻めてこない兵隊だ。善悪なんてのは後世の人が語っとけばいいんだ。正義がなきゃ動けないとか嘘だろ。目の前で子供が溺れてる時に自分は正義なのか、とか考えるか? それ不審者だろ。正義も善も目の前の人を救うのに糞の役にも立たん。躊躇するなら、いらねえわ。


 なので殺す練習をする。問題ないな。日本人には無理? 日本人には猫より弱いお父さんが一定数存在しているからな。ゴキブリに負ける大型犬とか。逆にチビ女だけど凶暴な奴もいるしな。うっさいわ。干支のネズミなんて牛に勝ったじゃねえか。小さい方が強いんだよ。気性とか。反復横跳びも飛ぶ距離を身長に合わせたらチビの方が強いはずだよな。ルール変えてくれないかな〜。チビの方が有利なスポーツが少ないのは差別じゃないのかね。階級差つけろ。ミニマム級反復横跳バーに私はなる。タイトルマッチはいつだ?


 アホなこと考えてないでやるか。殺るか。やっぱり緊張はするもんだな。ひとりずつ頼んます。きつい。


「まあ、日本人ねえ」


「日本人だよ!」


 やっぱり殺人はなかなかにクルもんがあるわ。殺らないで済むなら殺らないようにしよう。殺してしまったら多分一年間マイルームにこもっても出てこれないな。おそとはこわいしな。ううう、気合入れろ〜。狂乱スピッツとか暴虐チワワとか呼ばれてた頃を思い出せ! 呼ばれてねえわ! 呼ばれてたわ!


「混乱うさぎ」


「ぷいぷい」


「かわいい」


 うさぎは可愛いな。私も欲しい。ミネルバの言いなりで混乱ポーズしてる。


「ちなみに黒うさぎたちは表では白の魔女カーラの使いとして知られ始めている」


「なぜに?」


「マンティコア売らせたから?」


「私の名前で売ってます?」


「既に有名人に」


「デビューしてないのに!」


 また出にくくしてくれちゃって。おそとこわい。さて、それは置いといて殺るか。


「うっぴょーいほーい!!」


「変態がでた! 死ね!」


「変態なだけで?」


 びっくりして殺っちゃった。だってブーメランパンツに半袖のTシャツ着て剣と盾持って出てきたんだぞ。他のキャラはほぼ無口なのに叫んだし。キサラギ流盾使わないのに振り回してるし。しかもハート型の盾。頭が守れないだろ。頭かちわったし。頭にカツラかぶって瓶底眼鏡してちょび髭つけてシャツの上から腹巻き巻いてたけどまさかあれが防具なのか? 厚眼鏡が一番防御力高そうだな。美少女の眼鏡は恋愛エピソード以外でぜったい外れないもんな。変態は知らん。外す前に殺る。


「変態に厳しくない?」


「変態が許されるのは五歳までだ」


「変態に厳しくない?」


「変態罪は再審も無しで」


「変態に厳しくない?」


 厳しくなぁい! びっくりするもん! もん、とか言っちまった。見た目幼女だしいいか。まあハズミで殺ったけど殺れてしまったな……。ゴブリンとあんまり変わらんな……。心も痛まない。……ゲーム感覚が強いからかな。血も脳みそも出たけどすぐデジタルな感じに消えたし。よし、殺るか。


「ハクスラモードにするわよ」


「来いや!」


 変態が編隊を組んできた! 大変だ! キサラギ流なので滑り込むように変態が襲い掛かってくる。身体を浮かせるのは下策なので転がるように躱しながら上から突くような姿勢で体のどこかを突く。屈みながら、もう一人の足元に滑り込む。足元さん、ご在宅ですか! お留守ですよ! 雑魚だなコイツら。脚を斬り落としコケたところを首をハネた。


 う〜ん、ゲームだ。実感わかんね。死体が消えてしまうからよくない。殺した、みたいな実感がない。実戦でどうなるかはわからんな。ハクスラだから迷う暇ねえな、もう三人!


 盾を持ってるのはキサラギ流入門レベルだな。てんでなってない。素人だわ。おそらくキサラギ流の最初の教えが盾の不要性からなんだろうな。トレーニングルームはこういう動きまでリアルなんだなあ。三人を更に捌いたら五人、一人盾無しが出てきた。ヤバそうだけどレベル二十の初級と見た! 鑑定しただけだが。


 盾持ちが抑え込みに来るのを大きく横に動いて躱し敵の動線を重ねる。私の基本戦術だな。反復横跳バーのカーラ様だぜ。あ、呼ばないで。ダセェ。


 盾無しが動きを読んで頭から倒れ込むような低い姿勢で踏み込んでくる。速い! スキだらけに見えるが対応を迷わせる手か!


 引っかかるかぁ! ドタマ蹴る、宙返りしながら斬り落とし! ッシャラあっ!


 残る二体も順番に片付けた。まだまだだな、精進するがよい! 私の腕前は上級くらいか? まだまだイケる。


 一度は山賊とか倒しておくべきだな。少しは慣れてるといいけど……。慣れない方がいいのか悩むところだな。まあ肉を割く感触はある。これだと殺人ってか殺陣たてだな。形をなぞってる感がすごいわ。まあ強いやつ、来い!


 そこそこ強いらしい敵冒険者が二体現れた。レベルは三十五と六十か。なんとなく厄介な臭いがするな。まずは強い方、向かって左側の奴の更に左に抜ける。足を掛けに伸ばしてきた。サイドステップをもう一度踏み、離れる。当然強い方はこちらを向いてくるが弱い方は対応を迷った。真っ直ぐ最強最速の攻撃である直突きを入れにいく。眼前でしゃがむと敵は対応しようと少し下がるが後ろが気になったのかわずかに振り向く。油断大敵!


 前の強い奴の爪先に剣を突き刺して後ろに飛ぶ。木があるが位置は確認済み。幹を踏みつけて更に左回りに逃げていく。キャンディを二個仕込み一個色付きを作り、投げる。なぜか相手の方が慣れてない感じがするがキサラギ流なら前方の強い奴は撹乱に回るのがセオリーだ。見えてるキャンディを躱しながらこちらを挑発するように軽く剣を振り下ろしてくる。もちろん厄介だが強い方の戦力は削げる。ニヤリ。後ろの奴が私が手間取ってるのを見て私の後ろに回ろうとする。それをチラリと前の奴が見た、隙を突き真っ直ぐに突撃する。後ろに回ろうとした奴は慌てて私の方に突撃してきて透明キャンディに弾かれて仰け反る。強い方の後ろで躱したはずのキャンディを炸裂させ前かがみになった所を前からもうひとつの透明キャンディで殴った。炸裂する三発のキャンディ。倒せたな。魔法使いらしいのからしくないのか。まあこれくらいなら格上も問題ないようだ。それにしてもこいつらの思考ルーチンがどうなってるのか気になるな。完璧ではない内容で考えてくるのでリアル。相手がミスすることも読まないとダメなんだよな。なかなかに難しい。包括的にどう転んでもいいように動かないとね。まあやっぱり最後は力押しだけど! ハクスラだしね! ファイアピストン! アイスキャンディ! 死の風ナイトロジェンストリーム! やりすぎた。


「なんかのびのびしてるわねえ」


「おう。おっ、レベル百来たな」


「強いわよ」


「ぷぅぷう」


「うさぎに応援された。頑張ろう」


 レベル百はブーメランパンツに水中メガネで帽子も競泳用の奴だな。上半身は裸だ。踊りだしたぞ。今のうちにキャンディ。避けられた。脚を、狙うもバックステップで回避、追い打ち……に行こうとしたら前に出てきた。やばっ!


 ……。


 どうやら首をハネられていたようだ。場面は最初のトレーニングルームに戻った。


 レベルが違いすぎる。重心の沈め方が速かったからこっちの追撃を読んだ上で突撃してきたらしい。戦略もレベル相応になるわけだ。やられたな〜。


「休憩?」


「うん。考える」


 人間は考えるアッシーである。車の免許はありません。チビだと乗りづらいので最初から免許は取ってなかったりする。駅は近くにあるし。どうでもいいな。


 そもそもステップの速さや次の動作の速さで負けてるのに読み負けてたら勝てないよね。でも守るばっかりの戦いは疲弊するばかりだ。攻めないと。


 ……レベル上げてからやるか。人間は諦めが肝心だな。ハクスラはレベルを上げて物理で殴る! まあ今でも倒しようはあるんで余裕を持って当たることにする。なかなかに楽しいじゃないか。


 しばらく対人戦を楽しむことにした。自分と同格かわずかに上の相手と戦う。正直魔術を入れたらその辺りのレベルでは話にもならない。それだとつまんないので魔術は奥の手としてまずは殴り合う。実戦なら魔術で蹂躙するけどね。これは遊びだし、トレーニングだ。楽しまないと。


 中でもやはり強いのがサツキ流柔操術とタカハラ流長柄武器術だ。サツキ流は素手の組打ちだが妙な身体の絡め方や突進でキサラギ流の間合いでは危険が大きいし、タカハラ流は間合いに入らせてくれない槍や棒術だ。いずれ弓や銃も交えて戦うつもりだがまず接近戦で負けるのでは話しにならない。うっひょ〜つええな。なんか斬られまくって血塗れである。すぐに消えるけど。


 上級を買っておいたキサラギ流片手剣術のうち、組打ち術の一つ、左肘を槍に掛けて身体を槍に絡みつけて攻撃する〝キサラギ流槍巻き込み”という技などで対応するがレベルが上の相手は技量が違う。しっかりと対応してくるのだ。十気圧のキャンディで牽制しながらなら余裕だがそもそも魔法使いの戦い方ではないな。接近した方が強い魔法使いってなんだ。まあ楽しいんだけど。人を斬るのに慣れてきたなぁ……。複雑。頭蓋骨とか内臓とか貫く感触なんて一生味わいたくなかったわ。まあ自分が痛いのは別に嫌いじゃないな。生きてる感じがするわ。人が怪我してるのを見た方が全身に痛みが走るんだよな。難儀な体質だ。この共感疼痛があるのに拷問みたいな攻め方しちゃうんだよな……。ストレス発散でストレス感じてどうするよ。


 次はモンスターと人間を組み合わせてやってみようかな? 絶対にありえないわけでもないだろう。スライムテイマーもいるんだから。ミネルバが出したが、グリフォンナイトとかいうのがいるな。コイツら十体くらいとボアナイト、猪武者?と、連戦するか。連戦してこそのハクスラよ。他にも四グループくらいやろう。セットセット。頼んだよミネルバ。


「あいよ。ちなみに手元のタッチパネルでも操作できる」


「便利だよねー、このスキル」


 移動もグラフィックの球体の中を指差したら画面がそこを写す。位置を固定してそこで外に出ると思えば出られる。範囲は五十メートル、百メートル、二百メートル、四百、七百、最大の一キロから選んでさらにその中で細かく場所指定ができる。商品を買う時もタッチパネルでフリック入力、音声、イメージ入力までできる。ここだけ超未来だぜ。


 モンスター騎士たちは騎馬?を片付けたら大したことはないな。キャンディキャンディ。騎士にはキャンディが効くな。音も凄いから騎乗してるモンスターが一発でコケる。そうなったら味方が障害になる。乗ってるモンスターに轢かれたり散々だな。終わりっ!


「軍隊戦闘モードやってみる?」


「すげえな、そんなのあるのか」


「なんでもありよ」


「逆に難しそう!」


 ハクスラの代表と言えば無双系だよな。よーし、やってみるか。ミネルバが指パッチンするとステージが切り替わりなにやら砦の上に出た。その指パッチンやらなくていいヤツだろ。


「最初はゴブリン・スタンピード」


「おおお、わくわくするなあオイ!」


 ゴブリンの軍隊を殲滅し、ゴブリンの巣を駆逐し、遺跡に陣取ったゴブリンの王を始末するまでの戦いらしい。解説はミネルバ。荘厳な雰囲気だと女神っぽいな。中身はアレだけど。これは完全にゲームだな!


 味方の武将も設定できるってことでキサラギ流の剣士とか他流派の戦士、氷の魔法使いとか魔導銃のスナイパーとかを設定してみる。この世界にも銃はあるけど強くないらしい。味方の雑魚は冒険者にしておこう。雑魚は敵と味方もレベルは二十。主要キャラは味方は四十くらいにしておくか。敵は三十から六十で。


 さて、始めるか。場所は砦の城壁の上らしい場面に変わった。足元にゴブリンが少しずつ湧いてくるな。さっそくこの高い城壁から飛び降りて、二、三匹ゴブリンの頭をハネていく。技術もクソも無いが別にいらんな。それにしても十メートル近く落ちたのに普通に動けたな。なんか自然に飛び降りてもイケるって思ったし。落下してると風がすごいぞ。魔法で防がんとな。


 少し削っていると仲間の冒険者たちが混じってくる。雑魚には負けないな。レベルとしてはCからEランクだが個性的な戦い方をしているようだ。だが剣が多いのが引っかかる。槍を使え、槍を。私は魔法兵だから剣を使ってるけど戦争はやっぱり槍だと思う。剣って平原で何百人もがいるとこだとリーチ足りなすぎると思う。密集しちゃったらほぼ前にしか攻撃できないし馬に乗ってたら届かないよな。槍なら二列で前二人が相手を倒して後ろ一人がトドメ、みたいにできるし、戦場だと逆に槍の方が使いやすそうだ。槍衾とかもあるし長槍も五メートルとかになると使いづらそうだけど戦争では使われていたわけだし、素人も使える武器なんだよな。長柄槍では主に叩いていたらしいけど。そして長槍は大太刀や大剣に負けるんだよな。大剣だとコストが高いし使いづらいから槍や薙刀が主流だけど。現代人でも長い棒を振り回して遊んだことくらいあるんじゃなかろうか。重心付近を持つとびっくりするくらい軽いんだよな。


「物干し竿とか長い棒で忠勝ごっことかするよな。槍を取り出して回転、うぃーん、がしゃん」


「バ○ラの方かぁ……」


 詳しいなミネルバ。それは置いといて、リーチの長さは得難いものだよな。チビだからなおそう思うのかもしれないけど。魔法や弓を使った攻撃が一番有用なのも間違いない。ただ、この世界だとマナバリアがある。マナを広範囲に固めづらい小型の武器ほど使い勝手が悪いし手から離れる射撃武器はマナを補充できない弱点もある。銃弾とかは厚いマナバリアで簡単に弾けるわけだ。その場合はむしろ矢の方が強い。一点突破のメリットはもちろんあるが。


 つまり、この世界は飛び道具の地位が少しだけ元の世界より低いし大型武器のメリットが割とある。薄い木の壁をいつでも張れるとして薄くても弓矢はほぼ通さないけど大剣なら簡単に裂けるようなものだ。マナも操作する物質の質量やエネルギーなどが高ければそれに比例して大量に必要になる。考えてみれば当たり前なんだがな。マナが少なくても津波を起こせる、なんてことはない。スキルなら神の設定次第でありえるんだが。神や天使が行使するからな。雪崩はもともとのポテンシャルが自然由来だから小石を投げても起こるけど、魔術で大事なのはむしろ守りだろう。自分の攻撃で死んだんじゃ話にならない。なので核反応魔法も危なくて使えないわけだ。逆に言えば自爆魔法も存在し得るわけだな。こわい。注意しとこ。


 さて敵陣を食い破っていく味方を眺めてるとわりと楽しい。戦い方がそれぞれ違うし連携もしている。喋らないし感情が伺えないので人形のような不気味さはあるけどね。技や駆け引き、連携にも見るべきものがあるし、人間のように油断したり驚いたりといった感情の変化まで見て取れた。観察しながらもゴブリンをバサバサ捌いていく。剣で斬る手触りやぬるりとした血の感触がリアルすぎて困惑するが、慣れてきた。マイルームから出ていくらかはリアルに殺したからな。食えない奴はストレージにあるゴミ箱の機能で消した。売れる物は売った。素材のストックかなりあるんだよな。もっと狩っておこうかな。


 ストレージも増やさないと。ノートも買って何を入れたかメモしておこう。素材ストレージはまとめて入れておくには便利だがなにが残ってるかはわからないんだよな。まとめて取り出すかアイテムストレージに移していかないと。その上でゴミは削除する。そうしないと産廃の山になるもんな。普通は取り出して確認していかないとダメなんだけどこちらはマイルームを増やしたりストレージを増やしてそこに移し替えていったりできる。まあ普通の人もストレージ持ちの天職ならあらたにストレージをお金で増やせるんだけど。ベテランの荷運びならたくさんストレージを持って貿易とかしてそうだね。物語の収納スキルと言えば無限収納だけど有限のほうが片付けの楽しさはあるよな。このアイテム捨てようか〜とか迷ったりさ。


 さて、団体戦は楽しいんだがどこに進んだらいいんだろう? 森なのはわかるんだがどこに敵の拠点があるのかはわからん。ゲームならマップがあってボスが表示されてたりするんだが、リアルだと迷子。


 ん? 地図機能がメニューにあるな。視界に周囲の地図を写すと周辺の生命反応が見える。これなら行けるか。味方陣地と敵陣地にいくつか大きめの反応。どうやらこれはレベルに反応しているのか。レベル表示に切り替えてみた。うん、ボスまで丸わかりだな。立体の球状の地図が浮かぶ。今はいないけど地下にも敵がいる場合があるらしい。スフィアにいくつも光点が浮かんでいるのは宇宙っぽいな。宇宙戦とかもできるのか……。宇宙航行魔術を編み出さないとな。


 しばらく敵本陣を目指しつつ身長百二十前後のゴブリンを狩っていく。緑色の肌に鷲鼻に耳は尖ってて乱杭歯で角は一つだな。ゴブリンはレベルが上がっても弱いなぁ。たまにニメートルくらいのホブゴブリンがいるので脚を刈っていったりしつつ進む。デカいのはそれなりに迫力があるな。雑魚だが。


 順調に森に差し掛かる。森の奥に廃墟となった砦があってそこにゴブリンたちが住み着いたらしい。領地を支配する貴族がケチって巡回を怠った、みたいなエピソードがありそうだ。こういうの想像すると盛り上がるんだよな。クズ領主め、あとで一発食らわせてやる! みたいなセリフが出たりして。ゲームの演出とかつけたらいいのに。このあとは貴族の居城攻めも面白いかも。


 味方の武将が何人か近寄ってきた。どうやら連携して砦に当たるみたいだな。ゲームみたいなもんなんだけど本当にリアルだ。掛け声とかは発してるな。野郎共、行くぞオラァ!とか。






☆きいろメモ☆

 ストレージ内の物は所有者が死ぬとダンジョンマスターに配られたり不用品は天使が選択してエネルギーなどに変えてしまいます。この世界の天使の働きがないと情報世界がゴミだらけになるだけです。物質はマナで引き出すこともできますのでランダムに物を引っ張りだすようなスキルもあり得ます。無から有は生まれないというところだけは徹底されています。ただ、そのように見える現象が起こり得ます。無限の力で防御、とか無限の力で攻撃、という場合、ただし、マナ量による、となります。絶対、などの場合も同じです。



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