白の魔女
自分のやりたいことをやりきります。よろしくお願いします。
(アナナス王国第三王子アルス視点)
ガチャガチャと重たい全身鎧を鳴らしながら何人もの兵や将が僕らの本陣指揮所となっているテントを出入りしている。もうすぐ開戦とあって陣幕内の緊張は高まっている。……開戦、とは言うが、虐殺だ。
カット村、これがこれから僕らが燃やす村か……。罪なき村を幾つも、疫病の感染拡大を防ぐために焼き討つ。前世ならロックダウンで済むところだがこの国にそれほど進んだ社会体制は存在しない。人がこの村を出れば疫病は広がる。焼くしかないのだ。正義の無い戦いが始まろうとしている。
疫病が発生した村々は治療の手が間に合わず、更なる拡散を防ぐためには村ごと燃やすしかなく、まだ幼い自分も第三王子という使いやすい身分のために派遣されていた。付き人は身内で固めているが僕の暗殺を狙う刺客に何度も襲われた。それはそれで、別の話だ。
疫病を治す手段はあるのだ、数人なら。しかし幾つもの村が、数千人が致命の疫病に犯されてしまえば、まさか各都市の医療を担う聖女クラスの聖者や司祭を集めて集団で派遣するわけにもいかず、文明人であった前世日本人の僕には許しがたい愚行であってもこの焼き討ちを実行しなければ、いずれ都市までも焼くハメになる。
誰でも使える科学は善し悪しであるが、スキルや魔法、マジックアイテムで大抵補えてしまう世界では医学科学がまるで発展しないのでこういった事態を招くのだ。
この世界に転生してから幾度も感じるのは、スキルや魔法による万能感と未開の文明による無力感。世界が違うと言ってしまえばそこまでなのだが、そこに住むとなれば感じずにはいられない。
「あーあ、気が乗らねーぜアルス王子サマよぉー。勇者の仕事じゃねえぜー。ひゃはー↓」
「僕だって乗らないさ、ショウ。僕も王子に転生なんかじゃなくて庶民として転移が良かったかも」
そのへんの民草に紛れて知識チートで大儲け、とかで良かったはずだ。その方が自由に楽しめた。しかし、地位ある身分を求めたのは自分だったりする。異世界で下層だとこんなふうに疫病などですぐに死んでしまったりしたはずだ。それでは楽しめないので貴族になりたかったが、タイミングと格が合ったのが第三王子だったらしい。……いい格とは言われていない。
民の中に転移してきたショウは羨ましい。ショウは気楽につきあえる数少ない人間だが、その話を聞くにやはり民の暮らしは楽ではないようだ。物語のように冒険者をしてみたがDランクまでは食べるのにも苦労したそうだ。ちなみに冒険者のランクはFランクからだ。今は僕の側近で満足しているようだが未だに愚痴は言っている。
彼は勇者の天職を見込まれ、すぐに我が王国に取り込まれた。そして今は僕の側近となっているのだ。勇者なんて重い役割、僕なら嫌だが彼はいささかノリが軽いので勇者で冒険だ、とその天職を選んだようだ。……勇者に格が必要とも言われてないらしい。
我々転生者や転移者でなくても魂の質に合った天職を、この世界の人たちは授かる。記憶はなくても生前にスキルの天使に願ったものが魂の質に見合うだけ与えられるそうだ。その上でスキルやアビリティと呼ばれる特殊能力が与えられるのだが、僕の天職の王やショウの勇者は特別な天職、最上位職なので、それに足して記憶を蘇らせたり言語を覚えたりすればほとんど自分の魂の質に見合わなくなったらしく、わかりやすく言うと魂ポイントのようなものが足りなくなったらしく、それ以上のチートはもらえなかった。……最上位とは言うが、それは人間が決めたランクで、そもそも天職には貴賎がないらしい。大変さも最上位と言うことだ。
世界への流転は魂の意志の持つ定めであるらしく、そこから逃れることは何人にも不可能だそうだ。どのみち日本は少子化で定員オーバーだと言っていた。少子化の悪影響がここに。まあみんな異世界転生したがるので魂の世界的にはちょうどいいのかもしれない。知らないけど。
事実、僕らに転生の説明をした女性は流転する魂の一つでしかないらしく、女神だとか天使だとかとは名乗らなかった。とても可愛い子だったが。ただ、やたらこの世界について詳しいようではあった。再び会うチャンスがあればもっと話を聞いてみたい。
この世界、というかこの星のこの大陸のこの国しか知らないが、当たり前かも知れないが文明のレベルはとてもチグハグで中世だとか現代だとか未来とか、具体的にどの時期とは言えない。家なども洋風は洋風。壁は漆喰やコンクリートだが料理は塩とか胡椒、砂糖にまみれている。不味い。技術のレベルがとても低いのにスキルでなんとかなってしまうのがこの世界なのだ。ダンジョン産のアイテムは未来のものと言っても過言ではない。なので文明が発展する際に生み出すべき積み上げられたセンスのようなものが無い。
ゲームのようにレベルが存在し、ステータスというかメニュー画面も、もちろん魔法もあるのだがあくまでも物理は物理として機能している。そもそもはそれが【自然】なのだと【白の魔女】は言っていた。知識チートも魔法もありとすればこうなるのかもしれないが、神によりいささか恣意的に作られた世界のようにも思える。そもそも元の世界が誰かに作られたものでない保証は無いわけだが、それは今はいい。
あの人は、【白の魔女】はどうしているだろうか。彼女ならこの事態を何事もなく治めてしまうのだろうか。
白の魔女カーラは獣人主体の町ホンドから旅立ったという。悪人を次々に楽園送りにし、モンスターの大群を死の風でほんの一時で駆逐し、神の一人を殺し、王国軍二万を一撃で沈黙させた大魔女。アナナス王国では一部の貴族からは見つけ次第極刑と言われているが今も町を平然と歩いているらしい。捕らえようとしても、仮に捕らえてもその場から煙のように消えるのだ。彼女は、そうだ。自由なのだ。
彼女のことを思っていたからか、その声が聞こえてきた。
「やれやれ、ご不自由なことだね、王子サマ」
「……現れてくれたか……!」
「ヒャッハッハーー! 待ってたぜ白い魔女っ子ー! ここで会ったが百年目ー! お菓子くれー!」
「私も嬉しいよ、ショウ。相変わらず楽しい性格してるね。はい、じゃが○こ」
「だいたいカーラのせいだがな! このカッコとか! いただきます!」
テントの中に突然白いフード付きコートを着込んだ少女が現れる。彼女がどこからか前世のメーカーの箱入りのじゃが○こを取り出すとショウは甲斐甲斐しく受け取った。カーラのあのスキルは羨ましいな。前世の日本で売られていた物ならなんでも買えるらしい。この世界のアイテムもなんでも買えるそうだが、そもそも知らない物は買えないのでそこは不便だそうだ。この世界のお金が必要になるのも困るだろう。
カーラは実年齢で四十は過ぎているそうだが転移した際に若返ったらしく今ではしょうがくせ……十代前半に見える。めっちゃ睨まれた。腰まで伸びた白銀の髪と翠色の、発光するような輝く瞳に白い肌。身長が百四十くらいしかなく小学生でも通じるかもしれないが、どうもこの容姿は彼女の趣味ではないらしく嫌がっているようだ。空きカップ投げない。もともとチビはチビだと自嘲していたのでカラーリングが嫌なんだろう。
そんな僕も金髪碧眼だが、ショウのような黒髪で良かったのに……いや、今はショウは髪を赤く染めてモヒカンにしてるけど……。カーラに強制されてるらしい。容姿の辺りは神は融通してくれたりはしない。カーラに言えば「何様だ」と言われるだろう。魂の格だとかポイントだとか以前に身の程というものがあるのだと。最もカーラに言わせれば人間はカーラ本人も含めて無能で愚劣で、だからそれでも構わないのだと。そもそも知性とは足りていないから、欠損しているから成立しているものなのだそうだ。無知でなければ知識を求めない。疑問がなければ思考も生まれない。思考がなければ意思も意識も生まれないのだと。なるほど。
カーラがよく言うのが、自分の欠点をとにかく認めて思い返すこと、そうすれば次のステップは簡単になる、ということだ。抵抗すべき弱さを、自分が戦う相手をしっかりと見なくてはならないと。それは体験してみればよくわかる。自分が弱いと嘆くのとは意味が違う。自分はどこが弱い、だから鍛える。だから弱さを探すべきなのだと。「失敗しろ、失敗」は、彼女の口癖だ。失敗していいから恐れない、という意味もあるが、立て直せる余裕を持て、失敗しても即座に対処したらより好転することもある、とか、いろいろ意味があるらしい。
カーラとは妹を通じて知り合った。今の僕と同じ年格好に見えるカーラとは友達になりたかったのだ。最もアナナス王国の王子が王国の大罪人である【白の魔女】カーラと仲良くなど、もはやできるはずもないのだが……。
「どうしたボンヤリして。また茶にでも誘ってくれよ。アル○ォート出すよ?」
彼女にはそうでもないらしい。そもそもが、
「貴様あっ! この大罪の魔女がアルス王子殿下に馴れ馴れしく! そこに直れ、叩き斬ってくれる!」
伯爵で騎士団長を代々輩出している家系でもあるザーム家の嫡男、ジャコモが吠える。この少年も僕と同い年のために側に付けられているが、短気でいけない。そもそも彼程度が白の魔女カーラをどうこうできるはずもないのに。国でも扱いかねているのに個人が怒らせてどうするというのか。
「犬は黙ってな。魔女に王国だの社会だの法だのと、相変わらずアホなのか、その男は」
彼女には法は通用しない。彼女と敵対するより取り込んだ方が有益なために魔女を法の適用外に据える動きも出ている。我が国にも、僕の婚約者にも魔女と呼ばれている娘がいるので割と風はそちらに向いている。モッセレン辺境伯の長女、【赤の魔女】リディア・ハート・モッセレンは、そもそも僕に対して興味がなく、ボクは辺境のみんなのために美味い肉を獲るんだ、とか言って毎日森や山にこもっている。辺境から王都はとても遠い……。吊目だが元気で明るい彼女はとても魅力的だ。誰が呼んだか赤の魔女と呼ばれている。火の魔法がとても得意なのだがなぜか下位の魔法とされるファイアショットしか使えないらしい。なんでもインフィニティという神の与えたギフトの代償だとか。なのでファイアショットだが一度に百発くらい放てるそうだ。一発ではゴブリンを仕留める程度、しかしそれが津波のように押し寄せてくる、それはすでに災害ではあるが。それにスキルや魔法の基礎となっている魔術というものもある。インフィニティの真価はそこにあるだろう。彼女はカーラとやり合ったこともあるとか。……見たかった!
「……! ……!?」
すでにジャコモは声を奪われている。カーラによると空気中に伝わる音の振動を中位くらいの精霊が打ち消しているだけなので土伝いには音が漏れるらしい。前世でもガラスの振動から音を読み取る機械があったはずだ。地中だと音速を超えて音が広がるのでかえって拡散してくぐもって聞き取りづらくはあるそうだが。……この世界は知識チートが使えるので前世で物理や化学の勉強をもう少ししていたら良かったな……とよく思う。
ジャコモは焦れてカーラに斬りかかろうとするが体を空気圧で押し返されたらしく、重い全身鎧ごと後ろに転んだ。一気圧でも高い気圧が当たれば一㎡辺り十トンもの力がかかる計算だ。耐えられるはずがない。まあ本気を出しているはずもないが、カーラが風の魔術こそ最強と言うのも頷ける。
このたった一気圧の持つ強さが現実のできごとだとはなかなか受け止められなかった。たった二分の一気圧高くなってもそれが急速なら十分に人は死ぬという。ゆっくりなら三十気圧にでも耐えられるので信じられないが計算してみたらとんでもない。顔面の広さでも二分の一気圧で百キロを余裕で超える。その気圧でもいきなり正面からのみ来れば首が圧し折れるだろう。
カーラは二百気圧もある飴玉サイズ、直径が約二センチの空気弾を【キャンディ・ボム】と名付けてよく使う。魔力のない人間なら四十気圧未満でも即死、ズタボロになるがマナで守られた魔術師やモンスターを倒すにはそれくらい欲しいのだとか。面積一平方センチ辺り二百キロ。飴玉サイズでも、いくらこの世界の人間やモンスターが異常でも耐えるのは無理だろう。
そもそも爆発というと火をイメージしてしまうが、熱を操る火の魔術で爆発というのは本来は道理に合わないのだろう。爆風は風の領域だ。
物理が元の世界と同じように働かないとなると人間が人間の形をしている理由が他に必要になるが、物理の部分が完全に地球と変わらないとなると魔法も幾つも成立しなくなるのだ。現実って厳しい。その代わりに知識チートは捗る。まあそんなことを言っても物理的解釈が正しいのにファンタジーな世界を渡っていくのはそれがない世界と比べても難しいんだよな。現実って厳しい。
他の兵士も何人も斬りかかったり魔法を放ったりしているがカーラには一切届かない。ヘラヘラしながらポッ○ーかじってて可愛い。……僕を巻き込もうとしてる魔道士たちはあとで尋問にかける。これがカーラの狙いなのも分かんない馬鹿な雑魚だ。ほとんど顔を合わすこともない兄上たちはくだらない権力争いが大好きらしい。おかげで僕もたくましくなったものだが。
「カーラには教えてもらいたいことがたくさんあるんだ。僕か、アリーチェでもいい、一緒にいてくれないかな」
「呼べばいつでも行くさ。そういえば魔王に学園の教員に誘われてるんだよな」
「……あの人も自由だな」
カーラの答えはわかっている。自由人なのだから。
「当然オッケーした」
「え、マジで?!」
「来年から王子様も来るしな」
マジらしい。ホント自由すぎて行動が分からないよカーラ。ポテチ食べる?じゃないよ。妹のアリーチェはカーラを一番に見つけた人物だが、カーラに出会ってからは女王になるとか言い出した。女王にならなくてもアイツは自由だと思うが、腹にはカーラのことがあるのかもしれない。魔女を守るつもりなのだろう。……カーラが守られるほど弱くはないが。魔王殿は元モンスターで今はなぜか魔導学園の理事長をしている。あの人も不思議なんだよなぁ。しかしカーラが教員…………。
「雑魚もー。やーい雑魚もー」
「気絶してるジャコモをポッ○ーでつつくのはやめるんだカーラ」
「楽しい」
「楽しいならいいよ」
「いいのかよ?! 自分でやってるんだけども!」
そもそもカーラを止める手段は無いので雑魚も……ジャコモで遊ぶくらいは構わない。ジャコモは犠牲になったのだ。それでカーラの機嫌が良くなるのだからむしろ格安。……ちょっとカーラに毒されてるな。このカーラが教員……。ちなみにジャコモのあれは演技が入ってるんじゃないかと思う。カーラに逆らっても無駄だと他の者に見せつけているんだ。今回みたいに裏切り者も見つかるしね。なぜか嬉しそうだけど。演技、だよね? あ、ポッ○ー食べた。
カーラは前世でも社会が嫌いだったらしい。どんな人生を送ってきたのか気になる。もっとも彼女はわざわざ反社会的な行動を取ってるわけではない。むしろ社会に協力的に見える。自身の自由のためだとは言うのだが。彼女の目的はスローライフらしいし。
魔女は白も赤も青も黒も教会の魔女も、自由人ばっかりだ。人々を操り戦乱を巻き起こす三人の偽神たちとは違う。
神を名乗る悪魔たち。奴らをこそ滅ぼさなければならないのに。兄上たちはむしろ奴らと同調しようとしている。戦争をしている三国に絡んでこの国に戦乱をもたらそうとしているのだ。自分たちの利益のために。カーラに頼んで殺してもらおうかとも思ったが関係のない彼女に手を汚させるのは違うだろう。彼女の信念から言っても無理だしね。なので彼女には話したこともない。今はこの村のことを。
「カーラ、この村を、他の村も、救ってやってほしい」
「力無く脚も震え、もう自力のみでは立ち上がれないけれど、それでも前に進もうと言うのなら」
カーラはどんなにしんどくても人は自分自身の力で立ち上がるべきだと言う。でももう無理だと思うなら。僕は静かに頷いた。
「……この魔女が杖を貸してやろう。……ここらの村人が、この国にいらないと言うなら白の魔女がもらっていこう」
「頼む」
最も今回はカーラに任せきることになるけど。お節介焼きなカーラに頼りすぎてないだろうか。
「カーラ殿、できれば報告をお願いしますよ?」
「ルーベンがハゲると可哀想だしね」
「ハゲませんが?!」
宰相の息子のルーベンはカーラのいいおもちゃである。天才的な頭脳を持つとか神童と呼ばれているルーもカーラ相手では形無しだ。普通に正論でぶつかっても勝てないし遊ばれてしまう。まあ憎んでいたりはしないので仲が良いのかもしれない。いろいろ相談できているなら羨ましいことだ。今も何やら何処そこの天候が、だの何気ない話に見えて政治的な有益な情報をもらっている。
「終わったかい? それじゃまただな」
いきなりカーラが虚空に話しかける。どうやら仲間と念話のようなもので通信したようだ。このまま帰ると言う。僕は慌ててカーラに声をかける。
「あ、待ってカーラ、またお茶をしよう! 友達として!」
「はは、王子がもう犬じゃなければいいよ」
「それいつも言うけど犬好きだよね?」
「動物の犬はバカで最高だね。またね」
どうもカーラは社会に従順なだけの人間が嫌いらしい。前に僕も叱られた。彼女の従者をしたがる者は多いが、従順なだけの人間はことごとく嫌われたそうだ。本当に前世になにがあったらこうなるのだろう。知りたいものだ。いつか本当に仲良くなれたら。
彼女がその場から瞬間的に消える。
カーラが去った後の村は、完全に浄化もされ、無人になっていた。どうやって、と聞くのは野暮だろう。彼女は魔女なのだから。
この数日後、カーラから僕に直に来た達筆な手紙には「村人は預かった。返してほしかったら五億円を子供銀行券で用意しろ」と日本語、この世界における古代神語の一つで書かれていたが、日本はこの世界には無いのだった。子供銀行券……作ったら返してくれそう。まだ保護できないから返してもらえないけど。
僕にはカーラがなにを考えてるのかよくわからない。きっと自由で楽しいことを考えているんだろうな、ってことだけはわかるんだけどね。
☆きいろメモ☆
空気を熱交換が起こらない状態で圧縮することを断熱圧縮といいます。大気圏突入で隕石などが燃え尽きるのもこれのため。カーラは魔術で周囲の空気に断熱圧縮を行っています。なのでキャンディボムはものすごく熱いです。逆に常温まで冷ましたキャンディボムは爆発した瞬間に周囲を氷漬けにします。
(4/18)冷ましたキャンディボムは一旦周囲の空気を圧縮して発熱させます。そのあと空気の密度が低いので一瞬で氷漬けとはならなそうです。圧力や体積で冷えた空気がどれくらいの時間残るかわかりませんが密度の低い空気をマイナス100℃まで下げても熱交換にかかる時間で常温に戻りそうです。カーラは液体窒素を使ったほうが速いと判断しています。