生まれ変わりへの予約
かつての夢日記を
ショートストーリーにまとめてみました。
丘の上から見下ろすと
ジュラシックパークの映画のような
壮大な谷間が広がり
そこは果てしない数の
人と犬で埋め尽くされていました。
谷間から続く人と犬の長い列が
何か重要な出来事を予感させました。
スタッフらしい女性が
微笑みながら私に近づいてきました。
「こんにちは、あなたも
次に生まれ変わる世界への
手続きをしに来たのですね。」
私は戸惑いながらも頷きました。
「あなたは4月の上旬に生まれ変わる予定です。
おめでとうございます。
先に抽選を行っておきましたから。」
彼女は続けました。
「あなたの次の人生の始まりは7LDK。
お仕事はペンキ屋さんか
家具職人さんのようですね。」
私は驚きと興奮が入り混じった気持ちで
まるで夢の中にいるかのような感覚に
包まれました。
もう一度谷間から続く人と犬の
長い列を振り返りました。
犬たちは大きさも色も種類も様々でしたが
人々は全て、同じ顔をしていました。
驚く事にそれは私の顔でした。
その時、私は気づいてしまいました。
次の世界で、新たな誰かを演じることではなく
見知らぬ自分自身に出会うことではないか?と・・・
次に生まれ変わる世界というのは
自分の中に広がる超リアルな
仮想宇宙のひとつだったのでは?と・・・
お読み頂きありがとうございました♪
夢日記をベースにしたショートストーリーが
他にもありますので、興味があればお読みくださいね♪